建物の外壁と屋上・屋根の境目にあるパラペットは、一見すると目立たない部分ですが実際は雨水が侵入しやすいリスクの高い箇所です。経年劣化により、ひび割れやシーリング材の破断といった不具合が起こりやすく、劣化を放置すると雨漏りや内部構造の腐食といった深刻な被害につながる恐れがあります。とくに屋上と外壁の接合部という構造上の特性から、防水性能の維持が難しく、定期的な防水処理が欠かせません。
今回の記事ではパラペットの役割や代表的な劣化症状と、劣化を放置した場合に建物全体へ及ぶ影響について解説します。また、パラペット防水工事の主な施工方法や費用相場についても、分かりやすく紹介しています。
大切な建物を長く守るためには、適切なタイミングでのメンテナンス計画が重要です。ぜひ最後までご覧いただき、今後の参考にお役立てください。
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目次
パラペットとは?役割と基礎知識
屋根や屋上、ベランダでよく見かけるパラペットは、見た目にはあまり目立たない部分ですが、建物の保護や安全性に大きな影響を与える重要な構造です。ここでは、パラペットの基本的な仕組みや機能について理解を深めていきます。
パラペットとは、建物の屋上やベランダの外周に立ち上がっている部分を指し、主に安全性や意匠面での役割を担っています。しかし、防水処理が不十分な場合、雨水が内部に侵入しやすくなるため、防水性能の確保が非常に重要です。
パラペットの役割
パラペットは建物の上部に位置し、多くの役割を担う重要な構造です。以下にその具体的な機能を挙げます。
- 落下防止などの安全確保
- 意匠上のアクセント
- 雨仕舞い処理の役割を担う
雨漏りを引き起こす要因になりやすい理由
パラペットは構造上、雨水の侵入リスクが高い部分です。以下のような要因が劣化や漏水の引き金になります。
- 雨水が滞留しやすい構造
- 経年劣化によるシーリング材の破断
- 笠木やジョイント部からの漏水
なぜベランダや屋根・屋上のパラペットに防水工事が必要なのか?
パラペットの防水工事とは、屋上や屋根の縁に立ち上がる「パラペット」と呼ばれる部分に対して行う防水処理のことです。パラペットは風雨や紫外線の影響を直接受けやすく、劣化が進行すると雨水の侵入を招くリスクが高まります。そのため、ひび割れや剥がれといった劣化症状が現れる前に、専用の防水材やシーリング材を使って保護・補修を行うことが重要です。
建物全体の防水性能を維持するためには、屋上や屋根の平面部分だけでなく、パラペットの状態も定期的に点検・メンテナンスすることが欠かせません。
パラペットから起きる典型的な劣化症状
パラペットの劣化は視認しやすく、放置すると深刻な被害につながる可能性があります。代表的な症状を以下に示します。
- シーリング材のひび割れ・硬化
- 笠木(かさぎ)部分の浮きやズレ
- 外壁とパラペットの取合い部分のクラック
パラペットの劣化を放置した場合の建物全体への被害
パラペットの劣化を放置した結果、建物全体にどのような悪影響が及ぶかを確認しておきましょう。
- 雨漏りによる内装の腐食・カビ発生
- 鉄骨や鉄筋部材の錆・腐食
- 修繕範囲の拡大による費用増大
事項で劣化のサインについて詳しく解説していきます。
防水工事が必要な劣化サイン|屋根や屋上のパラペットで見られる症状
以下のような症状が見られたら、防水層の劣化が進んでいるサインです。早期発見・対処が建物の寿命延長につながります。
屋上や屋根のパラペットの劣化症状|ひび割れ
パラペットや屋上の防水層に細かいひび割れが入ると、そこから雨水が浸入しやすくなります。紫外線や温度変化による収縮・膨張が原因となり、放置すると亀裂が広がってしまうため、補修が必要です。
屋上や屋根のパラペットの劣化症状|膨れ・浮き
防水層の下に水分や空気が溜まると、表面が膨れたり浮き上がったりする現象が見られます。これは防水層の密着不良や内部劣化を示しており、見た目以上に深刻な状態が隠れている可能性があります。
屋上や屋根のパラペットの劣化症状|剥がれ・めくれ
防水層の表面がめくれている状態は、すでに防水機能が大きく損なわれている証拠です。下地が露出している場合は雨水の侵入経路となり、建材の腐食や漏水につながるため早急な対応が求められます。
屋上や屋根のパラペットの劣化症状|雨染み・黒ずみ
屋内の天井や壁、パラペットの表面に雨染みや黒ずみが発生している場合、防水層をすでに通り越して雨水が侵入している可能性があります。美観だけでなく建物内部の劣化にもつながるため、診断が必要です。
屋上や屋根のパラペットの劣化症状|シーリング材のひび割れ・硬化
パラペットの継ぎ目や取合い部分に使用されるシーリング材は、紫外線や経年劣化により硬化し、ひび割れが発生します。隙間から雨水が侵入しやすくなるため、防水性能を保つためには早期の打ち替えが必要です。
このような劣化症状を放置してしまわないように、定期的なメンテナンスを行いましょう。
パラペット防水工事の主な施工方法の種類|屋上や屋根にも対応!
パラペットの防水工事にはさまざまな工法があり、それぞれの特徴や適用シーンを理解することで、より適切な施工判断が可能になります。ここでは、代表的な施工方法とそのポイントを紹介します。
防水工事の選定は、パラペットの状態や建物の構造によって異なります。以下に代表的な工法を表でまとめます。
工法 | 特徴 | 向いている条件・建物 |
---|---|---|
シーリング防水 | 目地や取合い部に弾性シーリング材を充填。安価で短工期。 | 軽度なひび割れ、継ぎ目補修。既存構造を変更せず対応可能。 |
ウレタン防水 | 液体状のウレタンを塗布し、防水層を形成。柔軟性が高い。 | 複雑な形状のパラペット、密着性を重視したい場合。 |
シート防水 | 塩ビやゴム系の防水シートを貼付し、均一な層を形成。 | 規則的な形状、広範囲に施工する際に有効。 |
FRP防水 | ガラス繊維と樹脂で形成。軽量・高耐久・短工期。 | 戸建ての屋根や複雑形状のパラペットに最適。 |
アスファルト防水 | 加熱したアスファルトを積層して防水層を形成。 | 高耐久を重視し、施工に熟練が必要な大規模物件など。 |
パラペット防水工事の施工方法の種類|シーリング防水
シーリング防水は、軽度なひび割れや継ぎ目の補修に適した方法で、既存の構造を大きく変更せずに施工できるのが特徴です。
- パラペットの目地や取合い部に弾性シーリング材を充填
- 安価かつ短工期
パラペット防水工事の施工方法の種類|ウレタン防水
ウレタン防水は、複雑な構造のパラペットにも対応可能な柔軟性の高い工法で、施工面が一体化するため高い防水性能が得られます。
- 液体状のウレタンを塗布し、防水層を形成
- 複雑な形状にも対応可能
パラペット防水工事の施工方法の種類|シート防水
シート防水は、耐久性と安定性に優れた工法で、規則的な形状のパラペットに効果を発揮します。ただし曲面や段差が多い場所では施工に工夫が必要です。
- 塩ビやゴム系の防水シートを貼付
- 均一な防水層が作れるが、形状によっては施工困難
パラペット防水工事の施工方法の種類|FRP防水
FRP(繊維強化プラスチック)防水は、ガラス繊維と樹脂を用いた防水層を形成する工法です。非常に軽量で耐久性が高く、複雑な形状にも施工しやすいため、戸建て住宅の屋根やベランダ、防水が必要なパラペット部にも適しています。硬化が速く、短工期での施工も可能なのが特長です。
- 軽量かつ高強度で、施工後のメンテナンス性も良好
- 乾燥が早く、工期を短縮しやすい
パラペット防水工事の施工方法の種類|アスファルト防水
アスファルト防水は、加熱したアスファルトを使用して防水層を形成する、歴史のある防水工法です。耐久性に優れ、定期的なトップコートで長期間にわたって防水性能を維持できます。ただし、高温での施工が必要で、専門技術と熟練の技が求められるため、業者選びが重要です。
- 高耐久・長寿命で屋上やパラペットにも安心
- 高温施工のため、経験豊富な業者による施工が必要
改修ドレン・金物交換が必要なケースも
パラペットの劣化が進行している場合や排水機能に問題がある場合には、防水工事と並行して補助部材の交換も検討が必要です。
パラペット防水工事の費用相場|屋上・屋根・ベランダの箇所別も紹介
工事の内容や規模、建物の形状や立地条件などによって、パラペット防水工事にかかる費用は大きく変動します。事前にある程度の費用目安を把握しておくことで、過剰な出費や不必要な追加工事を避けることができ、業者選定の際にも有利に働きます。
また、同じ施工内容でも業者によって見積もりが異なることがあるため、相見積もりを取ることも推奨されます。
パラペット防水工事の費用相場|工法別
代表的な防水工法ごとの単価目安と特徴を以下にまとめました。
工法 | ㎡単価目安 | 特徴 |
---|---|---|
ウレタン密着工法 | 約4,000〜6,000円/㎡ | コスト重視。密着性高く汎用性も◎ |
通気緩衝工法 | 約5,000〜8,000円/㎡ | 湿気を逃がせる。下地の状態に強い |
シート防水 | 約6,000〜9,000円/㎡ | 短工期・均一な仕上がりが可能 |
FRP防水 | 約7,000〜10,000円/㎡ | 高耐久で硬化が早く、曲面にも対応 |
アスファルト防水 | 約8,000〜12,000円/㎡ | 長寿命。施工には高い技術が必要 |
パラペット防水工事の費用相場|施工箇所別
施工箇所 | 主な工法 | 面積の目安 | 費用相場(税込) | 備考 |
---|---|---|---|---|
屋上パラペット | ウレタン塗膜防水・シート防水 | 30~50m程度 | 約8万円〜20万円程度 | 足場費用が別途必要なケースが多い |
屋根パラペット | ウレタン塗膜防水・FRP防水 | 10~30m程度 | 約5万円〜15万円程度 | 勾配や屋根形状によって金額変動あり |
ベランダ手すり壁 | ウレタン塗膜防水 | 10~20m程度 | 約3万円〜10万円程度 | 小規模であれば単独施工も可能 |
- 面積が広くなると㎡単価が下がる傾向にあります。
- パラペットだけの施工よりも、屋上全体の防水工事とセットで行うほうがトータルコストは抑えられる場合があります。
- 仮設足場(1基あたり数十万円)が必要な場合は、別途見積もりが必要です。
パラペット防水工事における費用相場の内訳
費用は、劣化の程度や使用する防水工法、施工面積、足場の必要有無、下地の状態などさまざまな要因によって左右されます。
パラペット防水工事にかかる費用は、主に以下のような内訳で構成されます。それぞれの項目が全体費用にどのように影響するかを理解しておくことが重要です。
費用項目 | 内容と特徴 | 費用割合の目安 |
---|---|---|
材料費 | 防水材、シーリング材など。使用する種類や量によって価格に差が出る。 | 約20〜30% |
施工費 | 人件費、養生、清掃などが含まれ、工法の難易度や現場環境により工数が異なる。 | 約30〜40% |
足場費 | 高所作業がある場合に必要。2階以上では設置が前提となり、費用割合も高め。 | 約10〜20% |
下地補修費 | 下地の劣化状態によって追加対応が必要。費用幅も1,000〜3,000円/㎡と変動が大きい。 | 約10〜15% |
諸経費 | 交通費、廃材処理費、管理費など。業者や地域によって内訳や金額が異なる。 | 約5〜10% |
パラペットの面積ごとの目安
施工面積が広くなるほど、必要な材料や作業時間が増えるため費用も比例して高くなります。以下は一般的な価格帯の一例です。
- 約5m程度:3〜7万円程度(軽度補修やシーリング補修中心の場合)
- 約10m程度:6〜12万円程度(ウレタン防水などの簡易施工込み)
- 約30m以上:20万円〜50万円以上(全面防水や下地補修を伴う場合)
※上記はあくまで目安であり、建物の高さ・立地・劣化状況・工法の選定によってはさらに費用が上下します。正確な金額は現地調査後の見積もりで判断しましょう。
パラペット防水工事の流れと期間の目安|屋上の場合
実際の防水工事は、診断から施工完了まで段階を踏んで行われます。ここでは工期の目安と各工程を解説します。
- STEP
パラペット防水工事の流れ1.事前調査・診断(1〜2日)
専門業者による現地調査を実施し、パラペットや屋上部分の劣化状況や雨漏りの有無をチェックします。目視・打診・赤外線などの方法で診断し、工法選定の基礎資料となります。
- STEP
パラペット防水工事の流れ2.見積もり・契約(1週間程度)
調査結果をもとに、工法・材料・施工範囲などを反映した見積書が提出されます。内容に納得した上で契約を交わします。相見積もりを取って比較するのも有効です。
- STEP
パラペット防水工事の流れ3.施工(5〜10日程度 ※天候次第)
足場の設置から始まり、下地処理、防水層の施工、仕上げと段階的に進行します。ウレタン・シート・FRPなど工法によって日数は異なりますが、晴天が続くかどうかも工期に大きく影響します。
- STEP
パラペット防水工事の流れ4.完了検査・引き渡し
施工完了後は最終チェックが行われ、防水層の仕上がり・厚み・漏水試験の結果を確認します。問題がなければ引き渡しとなり、保証書の発行もこのタイミングで行われます。
屋根や屋上のパラペット防水工事における業者選びのポイント
パラペットの防水は専門的な知識と技術が求められる工事のため、信頼できる業者に依頼することが大切です。ここでは、業者選定時に注目すべき主なポイントを紹介します。
- 実績と信頼性の確認
- 見積もりの明瞭さと対応の丁寧さ
- 保証内容とアフターサービスの有無
パラペット防水工事業者選びのポイント1.実績と信頼性の確認
施工実績の多さは、その業者が様々な現場で経験を積んでいる証でもあります。以下のような観点で、実績と信頼性を見極めましょう。
- 実際の施工事例を提示してくれるかどうかも判断材料になります。
- 同様の物件規模や構造での施工実績があるかどうかも確認すると安心です。
パラペット防水工事業者選びのポイント2.見積もりの明瞭さと対応の丁寧さ
見積もり段階での対応が誠実かどうかも業者選びの重要な指標です。不明瞭な追加費用の記載がないか、説明がわかりやすく、質問への返答が丁寧かどうかを確認しましょう。
パラペット防水工事業者選びのポイント3.保証内容とアフターサービスの有無
防水工事は施工直後よりも数年後に不具合が現れることがあります。そのため、保証制度とアフター対応の有無は非常に重要です。
- 工事後のトラブルに対応してくれる保証制度があるかを確認しましょう。
- 定期点検やメンテナンス体制が整っているかどうかもチェックしておくと安心です。
パラペットの防水工事でよくある質問(FAQ)
ここでは、パラペットの防水工事に関してよく寄せられる疑問や不安に対して、専門的な視点から分かりやすく回答します。事前に知っておくことで、安心して工事に臨むことができます。
Q
工事期間はどれくらい?
A
簡易補修であれば1日、全面防水であれば2〜5日が目安です。
Q
施工中に雨が降ったら?
A
基本的には作業を中断し、乾燥後に再開します。雨天対策の仮養生が行われる場合もあります。
Q
見積もりで注意する点は?
A
下地処理や足場費の有無、工法ごとの保証期間を確認することが大切です。
まとめ|屋上や屋根などのパラペット防水工事で建物の寿命を守ろう
パラペット防水工事は、目立たない部分ながら建物全体の保護に大きく貢献する重要な工事です。最後に、これまでの内容を簡単に振り返り、実際に工事を検討する際の参考になるポイントをまとめます。
パラペットは小さな部位ながら、雨漏りや劣化の原因になりやすい重要な箇所です。適切なタイミングでの防水工事を行うことで、建物全体の耐久性を高め、修繕コストの抑制にもつながります。信頼できる業者に相談し、早めの対策を講じることが長持ちする建物管理の第一歩です。
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- 足場工事
- タイル工事
- 洗浄工事
- 電気、水道、外溝工事等
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施工価格と見積りには絶対的な自信を持っていますので、他社との相見積りも大歓迎です。
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