防水工事は建物の劣化を防ぎ、快適な住環境を守るために欠かせないメンテナンスです。
防水工法にはウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水など、さまざまな種類があり、特性や施工法はもちろん、適した場面も異なります。また、用途や環境に応じて選び方を誤ると、雨漏りや施工不良のリスクが高まる恐れがあるため注意が必要です。
この記事では、代表的な防水工事の種類とその見分け方、適切な工法の選び方までを詳しく解説していきます。さらに、業者選びのコツも紹介しているので、初めて防水工事を検討する方でも安心して判断できる内容になっています。
防水工事を検討する際に、この記事が皆さまの安心と納得につながる判断材料となれば幸いです。
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目次
防水工事にはどんな種類がある?
防水工事と一口に言っても、実は多くの種類があります。建物の用途や形状、予算、耐久年数などによって最適な工法は異なります。まずは代表的な防水工法の種類を理解し、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
工法名 | 特徴 | 主な施工場所 |
---|---|---|
ウレタン防水 | 液状塗布で継ぎ目のない仕上がり、複雑な形状に対応可能 | 屋上、ベランダ |
シート防水(塩ビ・ゴム系) | 工期短縮が可能で、広範囲に施工しやすい | 大規模屋上、工場など |
アスファルト防水 | 高耐久性で重防水に適し、熱工法または常温工法がある | ビル屋上、構造屋根 |
FRP防水 | 硬くて強靭、摩耗・衝撃に強い防水層 | ベランダ、改修工事 |
浸透性防水(クリア系) | 意匠性を活かせる透明仕上げ、防水性はやや限定的 | タイル面、打放しコンクリート |
ウレタン防水
ウレタン樹脂を液状のまま塗布し、乾燥・硬化させることで防水層を形成します。継ぎ目がなく、複雑な形状にも対応できるため、屋上やベランダなどで多用されています。
シート防水(塩ビ・ゴム系)
塩ビやゴムなどのシートを貼り合わせて防水層を形成します。短期間で施工でき、一定の耐久性があることから、大規模な屋上や工場でもよく使用されます。
アスファルト防水
アスファルトを加熱・溶解し、防水層を何層にも積層して施工します。耐久性に非常に優れていますが、施工時に臭いや煙が出やすいため、使用環境に注意が必要です。
FRP防水
ガラス繊維に樹脂を含浸させて硬化させることで、非常に強靭な防水層を形成します。主にベランダや屋上の改修に使われ、摩耗や衝撃に強いのが特徴です。
浸透性防水(クリア系防水)
素材に浸透して防水性を高める透明な防水材を使用します。タイルやコンクリートの意匠をそのまま残したいときに用いられますが、防水性能はやや限定的です。
防水の種類はどうやって見分ける?
実際の建物の防水層を見て「これが何の防水か?」を判別するのは簡単ではありません。ただし、いくつかの観察ポイントを押さえることで、ある程度見分けることが可能です。
見た目・仕上がりでの見分け方
- ツヤがあり、弾力がある:ウレタン防水
- 平滑でフィルムのような質感:シート防水
- ゴツゴツした黒っぽい表面:アスファルト防水
- 硬くてツルツル、塗装のような仕上がり:FRP防水
施工場所から推測する方法
- 広い屋上で継ぎ目が目立つ→シート防水やアスファルト防水
- ベランダで継ぎ目がない→ウレタンまたはFRP防水
- タイル上に透明な塗膜→浸透性防水の可能性
カッター・器具での現地調査(プロ向け)
プロの業者は小さく切り取ったり、層の数や素材の反応を見たりして、防水層の構造を確認します。一般の方には難しいため、無理に行うのはおすすめできません。
図面や過去の施工履歴の確認
マンションやビルであれば、過去の修繕工事の記録に「ウレタン防水(密着工法)」など明記されていることが多いです。資料を確認するのが最も確実な方法です。
各防水工法のメリット・デメリット|種類別に解説!
防水工事を成功させるには、各工法のメリットとデメリットを正確に把握することが重要です。工法ごとに耐久性や施工性、コストなどに違いがあるため、目的や建物の条件に応じて最適な選択をする必要があります。
工法 | 耐久性 | コスト | 適用範囲 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|
ウレタン | 中〜高 | 中 | 屋上、ベランダ | 継ぎ目なし、複雑形状に対応可能 | 乾燥時間が必要、施工に技術要 |
シート | 高 | 中〜高 | 広い屋上、工場など | 工期短く安定性あり | 継ぎ目処理や形状対応に制限 |
アスファルト | 高 | 高 | ビル屋上、構造屋根 | 高耐久性、重防水に最適 | 臭い、重量、施工手間あり |
FRP | 中 | 中〜高 | ベランダ、屋上 | 硬くて耐摩耗性が高い | 面積が広いとコスト増大 |
浸透性 | 低〜中 | 低〜中 | タイル、打放しコンクリ | 意匠性を維持できる | 単体での防水力はやや低い |
ウレタン防水のメリット・デメリット
メリットは、継ぎ目がなく複雑な形状にも対応できるため、建物形状を問わず広く採用できる点です。デメリットは、乾燥に時間がかかり、施工者の技術差で品質にばらつきが出やすい点が挙げられます。
シート防水のメリット・デメリット
施工が早く、工期を短縮できるのが大きなメリット。均一な品質を確保しやすく、広い屋上にも向いています。ただし、形状が複雑な場所では施工が難しく、継ぎ目からの漏水リスクもあります。
アスファルト防水のメリット・デメリット
耐久性が非常に高く、20年以上の寿命も期待できる強力な工法です。一方、施工時に火気や臭いが発生するため、使用環境によっては制限があります。重量もあるため、構造計算が必要になる場合もあります。
FRP防水のメリット・デメリット
強靭な仕上がりで、ベランダなどの小規模な防水に最適です。硬化が早く、短期間での施工が可能なのも魅力。反面、広い面積には不向きで、ひび割れが起きやすいという短所があります。
浸透性防水のメリット・デメリット
タイルやコンクリートの見た目を損なわずに防水性を付与できる点が魅力。意匠性が重視される場所には適していますが、防水効果そのものは限定的で、単体での使用には向きません。
防水工法の選び方のポイント|防水の種類を見分けて適切な工法を選ぼう!
防水層の種類を見分けることができたら、次は「どの工法が自分の建物に合っているか」を見極める必要があります。選定ミスは早期劣化や追加コストにつながるため、以下の観点を押さえておくと安心です。
防水層の見分けができても、最適な工法を選ばなければ意味がありません。以下の観点から判断することが重要です。
- 建物の用途と形状:屋上・ベランダ・地下など施工箇所により適切な工法が異なる
- 施工中の居住可否:臭いや騒音がある工法は居住中の施工に不向き
- コストとライフサイクル:初期費用だけでなく、将来のメンテナンスも見据える
- 既存防水との相性:既存層を撤去せずに重ね塗りできるかも検討ポイント
建物の用途と形状
施工箇所が屋上かベランダか、地下かによって適した工法は異なります。例えば、広い面積の屋上にはシート防水やアスファルト防水が向いていますが、複雑な形状や段差の多い場所にはウレタン防水が適しています。構造上の制約や利用頻度も考慮しましょう。
施工中の居住可否
防水工事中は臭いや音が発生することがあります。特にアスファルト防水やFRP防水は施工時に臭気が強く、居住者がいる状態では不快感を与えることも。ウレタン防水など比較的臭いが少なく静かな工法を選ぶことで、生活への影響を最小限に抑えられます。
コストとライフサイクル
防水工事のコストは初期費用だけでなく、メンテナンス周期や再施工のしやすさも加味する必要があります。耐久性の高いアスファルト防水は長期的に見ると経済的な選択になる場合もあり、目先の安さだけで選ばない判断が求められます。
既存防水との相性
既存の防水層を撤去せずに、その上から新しい防水を重ね塗りするケースも多くあります。しかし、異なる工法同士は密着不良を起こすリスクがあり、場合によっては既存層を完全に撤去する必要も。現状の防水層を正しく診断し、相性の良い工法を選ぶことが大切です。
防水の種類が分からない場合の対処法
既存の防水層の種類が分からない場合、無理に自己判断するのは危険です。誤った工法で重ね塗りすると、密着不良や漏水リスクにつながることもあります。ここでは、プロに相談する際の流れや注意点を紹介します。
調査診断の依頼方法
まずは無料診断を実施している防水業者を探し、現地調査を依頼しましょう。調査には専門の機器を使ったり、防水層を一部剥がして確認することもあります。建物の図面や過去の施工履歴があれば、より正確な判断が可能です。
信頼できる業者の選び方
信頼性のある業者を見極めるには、以下のポイントをチェックしましょう。
- 建築士や防水施工技能士などの資格保有者がいるか
- 施工実績が豊富で、事例を提示できるか
- 保証制度がしっかりしているか
- 提案内容が一方的でなく、複数の選択肢を提示してくれるか
相見積もり時の確認ポイント
複数の業者に見積もりを依頼するときは、「工法名」「使用材料名」「工期」などを明記してもらうことが大切です。見積書の内容が分かりにくい場合は遠慮せず質問を。納得できる説明がある業者を選ぶのが成功の秘訣です。
防水工事の種類の見分け方でよくある質問(FAQ)
防水工法の種類に関して、実際に工事を検討している方からよく寄せられる質問をまとめました。見分け方の判断に迷ったとき、適した工法を選ぶ際の参考にしてください。
Q. 防水の種類が違っても、上から重ねて施工できますか?
A. 工法によります。相性が悪いと密着不良が起こるため、専門業者による判断が必要です。
Q. 見た目が似ている場合、どうやって判断すればいいですか?
A. 見た目だけでは判断が難しい場合、施工記録や専門業者の診断に頼るのが安全です。
Q. 防水の種類を変更すると、費用は増えますか?
A. 多くの場合、旧防水層の撤去や下地調整が必要になり、費用が増える傾向にあります。
まとめ|防水の種類を正しく見分けて、最適な工法を選ぼう
防水工事には多くの工法があり、それぞれに適した用途や特徴があります。まずは既存の防水層がどの種類かを見極めることが第一歩。そのうえで、建物の構造や使用状況、予算、ライフサイクルコストを考慮して、最適な工法を選ぶことが重要です。見分け方に迷った場合は無理に判断せず、専門業者に調査を依頼することで、失敗や施工不良を防ぐことができます。
この記事を参考に、適切な知識と判断材料をもって防水工事を進めれば、建物の寿命を延ばし、長く快適に暮らせる住環境を守ることにつながります。