飲食店の防水工事にかかる費用は?
調理場も防水工事は必要?
飲食店では厨房で多くの水を使用しますが、水場では湿気やカビ・害虫が発生しやすいとされています。
また、排水管の設備がしっかりしていないと漏水の可能性もあり、店舗を維持するために防水工事は欠かせません。
食べ物を扱うため、衛生状態には気を付けたいところですよね。
しかし、飲食店を経営するにあたって防水工事にいくらかかるのか、不安を抱える方も多いでしょう。
この記事では、飲食店で防水工事が必要な理由だけではなく、塗装業者選びのポイントや相場を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
飲食店における防水工事の必要性
飲食店を経営するにあたって、防水工事は非常に重要な工事です。
それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
衛生状態を維持するため
飲食店は食材を扱うため、食べ物の腐敗や害虫を発生させないよう、衛生状態を保たなければなりません。
しかし、飲食店では多くの水を使用する場所であるため、適切に対処しなければカビや雑菌・害虫が発生してしまう可能性もあります。
店内を清潔に保ち、衛生状態を維持するためには水気を発生させないことが大切です。
そのため、飲食店では防水工事が欠かせないとされています。
漏水を防ぐため
飲食店では、厨房で多くの水を使用します。
そのため排水管が店舗内に備えられていますが、同時に漏水の可能性も高まるのです。
新築時は問題なかった場合であっても、経年劣化によって配管設備が老朽化すればゴミや汚れが詰まりやすくなり、漏水につながるケースが発生するでしょう。
ある日突然漏水が発生し、近隣店舗へ影響を与えてしまう可能性も少なくありません。
また漏水してしまったあとでは、修繕に高額な費用が発生する場合もあります。
飲食店で店舗を運営するにあたり、防水工事は必ず行いましょう。
飲食店における防水工事の種類・費用相場
飲食店の防水工事には、いくつか種類があります。
防水工事の種類によって費用も異なるため、飲食店を経営するにあたり、必ず確認しておきましょう。
以下に、防水工事の種類や費用の相場を説明していきます。
ウレタン防水工事
ウレタン樹脂の塗料を塗布し、防水層を作る工法です。
耐用年数は最大で5年前後ですが施工にかかる期間が短く、費用も抑えられるため取り入れられるケースも多いでしょう。
費用相場は、1平方メートルにつき4~6千円程度です。
FRP防水工事
繊維強化プラスチックを含むシートを、利用する工法です。
FRPシートを敷いた上からポリエステル樹脂を塗布していくため、耐久性や防水性に優れた効果を発揮します。
店舗内だけではなく、ベランダや屋根にも活用できる防水工事の1つです。
初期費用は高めですが、耐用年数が長く工期も短いため、多くの飲食店で行われています。
費用相場は、1平方メートルにつき約9千円~1万円です。
塩ビシート防水工事
塩化ビニール製の防水シートを、樹脂や鉄板で固定する工法です。
非常に高い防水性を持っているため、水場の作業を行う場所に適しているでしょう。
耐用年数も10年前後と長いため、コストに優れた面も持ち合わせています。
しかし、店舗の形状が複雑な場合は施工に向かず、施工できる業者も多くはありません。
費用相場については、1平方メートルにつき7~8千円程度です。
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厨房の管理方式とは
飲食店に欠かせない厨房は、ドライキッチンとウェットキッチンの2種類で管理しています。
それぞれにどのような特徴があるのか、解説していきます。
ドライキッチン
厨房の床全体が乾燥している状態を「ドライキッチン」と呼びます。
排水管の露出が少なく、常に乾燥しているので雑菌の繁殖や転倒事故を防ぐメリットがあるでしょう。
しかし、床が濡れてしまった場合のメンテナンスや乾燥状態を維持しなければならないため、定期的な点検が欠かせません。
ウェットキッチン
ウェットキッチンは、床全体が常に濡れている状態を指します。
油を多く使う場合は床についた汚れが落ちやすく、清掃の手間もかかりません。
掃除のしやすさがある反面、常に濡れている状態なので、水はけに注意しなければならないでしょう。
また床が水で濡れたままの状態は、雑菌の繁殖や嫌なにおいを発生させてしまいます。
スタッフが滑って転んでしまう可能性もあるため、水はけや転倒・雑菌対策が欠かせないでしょう。
飲食店の防水工事の流れ
飲食店の厨房で防水工事を行う場合、期間は1週間程度を想定しておきましょう。
防水工事では、以下に挙げる4つの流れで進めていくことが一般的です。
- 厨房内の片付け
- 廃棄物の処分
- 防水工事
- 復旧作業
こちらでは、厨房の防水工事の流れについて、詳しく解説しています。
スムーズに工事を終わらせるために、事前に確認しておきましょう。
①厨房内を片付けておく
厨房には、さまざまな機材が置かれています。
冷蔵庫や食器棚・調理台などの機材は、施工の邪魔になるため事前に移動しておきましょう。
開業前の店舗であれば、防水工事後に機材の搬入を行うとスムーズです。
機材をお店の外に搬出する場合は、防水工事で使用する機器の搬出経路を確保するため、置き場所に注意してください。
②廃棄物を処分する
防水工事を行う際に廃棄物が出た場合、処分する必要があります。
理由としては、防水工事にはさまざまな機器を使用するため、搬出経路を確保しなければならないためです。
店舗のオープン前に防水工事を行う場合、改装時に出た廃棄物が邪魔になってしまう可能性があります。
防水工事の費用に廃棄物処分費用も含まれるケースもありますが、追加料金がかかる可能性もあるため、事前に確認しておくと安心です。
③防水工事を実施
厨房の機材を搬出したあと、防水工事を開始します。
初めて防水工事を行う場合は下処理からスタートし防水層を形成しますが、2回目以降の場は初回に形成した防水層のうえから施工が可能です。
古い防水層を活用する場合は、前回と施工方法が同じことが条件です。
そのため前回と異なる施工方法の場合は、古い防水層を剥がす作業から進める必要があります。
2回目以降の防水工事の場合は、前回の施工方法によって施工内容が変わることを覚えておきましょう。
④復旧作業を実施
防水工事が完了したあとは、店外へ搬出した機材を元に戻していきます。
この際、店舗の状況によっては給排水管工事が発生する可能性もあるでしょう。
ある程度の工期を想定して動いている場合でも、予想外の時間や手間がかかってしまう場合もあります。
予算や時間は、余裕を持った状態で防水工事を進めていきましょう。
飲食店で防水工事を行う際の注意点
防水工事では、思った以上に費用がかかってしまうケースも考えられます。
しかし、飲食店を経営するうえで防水工事は欠かせないため、スムーズに工事を進めるためにも注意点をしっかり確認しておきましょう。
飲食店で防水工事を行う際、どのようなことに注意するべきかを紹介していきます。
防水保証書の発行
すべての工事には、終了後の不具合発生に備えて保証期間が設けられています。
防水工事も同様に、保証期間を設けているケースが一般的です。
万が一の事態に備えるためにも、工事完了後は防水保証書を発行してもらいましょう。
保証を受けられる条件については、以下にあげる4点の通りです。
- 工事会社による施工不良
- 材料が原因の場合、製造業者の責任範囲になる
- 事故や災害による漏水は保証外
- 故意の破損は対象外
受けられる保証には範囲が定められていますが、漏水のリスクを避けるためにも保証書は必ず受け取っておきましょう。
物件の状態によって防水工事の経過年数を確認
新装オープンの店舗については問題ないですが、居抜き物件の場合、過去の防水工事をいつ行ったのか確認しておきましょう。
防水工事の経過年数によって、工事の内容が変わるためです。
前回行った工事の防水機能が残っていない場合、新たに防水工事を行う必要があるため、事前に確認しておくとスムーズに進められます。
開業前に防水工事を完了させておく
防水工事は、施工場所の機材を搬出しなければなりません。
また復旧作業には多くの時間や手間がかかるため、開業前に完了しておくとよいでしょう。
飲食店の防水工事の業者選びのポイント
飲食店の防水工事を依頼するにあたり、施工会社選びも大切なポイントの1つです。
防水工事で失敗しないために、以下に挙げる6つのポイントを参考にしてみてください。
- 建物の状況を診断してくれる
- 施工実績が豊富
- 適切な値段を提示してくれる
- 見積もりや工程表がしっかりしている
- 現場の管理体制が整っている
- 保証やアフターサービスが充実している
施工会社を選ぶ際は、複数の会社へ見積もりを依頼すると安心です。
費用は会社によって異なるため、相見積もりで相場を確認しておくと良いでしょう。
価格や施工内容が適切な会社を選ぶだけではなく、施工実績が豊富な会社でありアフターフォローが充実していると、安心して任せられます。
また「塗装工事と防水工事を一緒に行いたい」というケースもあるでしょう。
しかし、防水工事と塗装工事は別の作業や工程を挟むため、別々に依頼しなければなりません。
目的に合わせて施工会社を選ぶ必要があるため、注意しましょう。
飲食店で防水工事まとめ
飲食店で防水工事が必要な理由については、以下の通りです。
その他、施行会社選びのポイントや、施工の流れを事前に確認しておきましょう。
- 飲食店の厨房では水気が多いため、雑菌や害虫が発生しやすい
- カビや食べ物の腐敗を防ぎ衛生状態を維持するため、水気を抑える必要がある
- 飲食店では排水管が多く設置されてるため、漏水による被害を防ぐ必要がある
- 防水工事を行う際、厨房内の設備を搬出しておく必要がある
- 廃棄物がある場合、防水工事の際に処分しておかなければならない
- 居抜き物件の場合、前回の防水工事をいつ行ったのか確認しておく
- 防水工事完了後は、施工後の不具合が発生した際の対策として必ず防水保証書を発行してもらう
- 防水工事は飲食店をオープンさせる前に終わらせておく
飲食店では、衛生状態を維持するために防水工事は欠かせません。
店舗経営を考えている方やこれから飲食店をオープンさせる方は、防水工事の必要性をしっかり把握し、開業前に終わらせておくようにしましょう。
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