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ビルの外壁塗装ガイド|工事の流れ・費用相場・業者選びのポイントまで解説

都市部を中心に多くのビルが立ち並ぶ現代、外壁の塗装は単なる美観の維持にとどまらず、建物の資産価値や安全性、さらにはテナント満足度にも直結する重要なメンテナンスです。
見た目が美しく整っているビルはそれだけで安心感を与え、企業の信頼感にもつながります。
しかし、どのタイミングで塗装すべきか、費用はどれくらいかかるのか、信頼できる業者の選び方など、ビルオーナーや管理会社にとっては判断に迷うことも少なくありません。

本記事では、ビル外壁塗装の必要性・工事の流れ・費用相場・業者選びのポイントまで、プロの視点から詳しく解説します。
さらに、よくあるトラブルや失敗を避けるための実践的なアドバイスについても紹介しますので、ぜひ、外壁塗装を検討する際の判断材料としてお役立てください。

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ビル外壁塗装が必要な理由とは?

ビルは常に風雨や紫外線、大気中の汚染物質などの外的要因にさらされており、長年の使用によってその外壁は少しずつ劣化が進行していきます。
こうした劣化を放置すると、やがては外壁材そのものの損傷や、内部構造への水の浸入といった深刻な問題へとつながってしまいます。
ここでは、外壁塗装が必要とされる3つの代表的な理由について、それぞれ詳しく解説していきます。

見た目の美観維持

都市の景観を構成する一要素として、ビルの外観は極めて重要です。
外壁が色あせていたり、黒ずみやカビなどで汚れていたりすると、建物自体が古く見え、入居者や来訪者に対してマイナスの印象を与える原因となります。
特に商業ビルやテナントビルでは、外観の印象が集客や契約率に直結するケースも少なくありません。
美しい外壁を維持することで、企業や店舗のブランディングにもつながり、地域のイメージ向上にも貢献します。
さらに、見た目の印象は近隣住民や通行人の無意識の判断にも影響します。
清潔感と管理状態の良さが感じられるビルは、自然とテナントからの人気も高まり、結果として空室リスクの低減にもつながるでしょう。

外壁の防水・劣化防止効果

外壁塗装には、美観だけでなく建物の外壁材を守るという非常に重要な役割があります。
外壁は、日々の風雨・紫外線・排気ガスなど、さまざまな環境要因によって徐々に劣化していきます。
塗膜が劣化し、防水性が失われると、雨水が外壁内部に浸入しやすくなり、カビの発生や鉄筋の腐食といった深刻な構造的トラブルを引き起こす可能性があります。
また、塗膜には汚れの付着を防ぐ機能もあり、防汚性や撥水性を維持することで、外壁材自体の耐久年数を引き延ばす効果も期待できます。
適切なタイミングでの塗装は、将来的な大規模修繕の発生頻度を減らし、長期的なメンテナンスコストの軽減にもつながります。

資産価値の維持と延命効果

建物は経年とともにその価値が減少していくのが一般的ですが、適切なメンテナンスを施すことで、その資産価値を一定以上に保つことが可能です。
外壁塗装は、建物全体の外観や劣化状態に直接関わるため、資産評価においても重要なポイントとなります。
定期的に塗装を行っているビルは、市場においても好印象を与えるため、売却時や賃貸契約時に有利に働くことがあります。
また、投資用不動産としてビルを保有しているオーナーにとっても、塗装による定期的なメンテナンスは賃料収入の安定化や入居率の向上に寄与し、長期的な収益性を確保する上での有効な施策といえるでしょう。

ビル外壁塗装のタイミングとサイン

「ビルの外壁塗装における重要性を把握しているものの、いつ行えばよいかわからない」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装には適切なタイミングがあり、それを見極めることで不要な修繕費を抑えられます。
この章では、塗装の更新時期を見極めるためのサインについて紹介します。

塗装が必要になるサイクル(使用塗料別)

一般的に、使用する塗料によって耐用年数が異なります。
以下に、主要塗料とその耐用年数を示します。

塗料の種類耐用年数(目安)
アクリル系約5〜7年
ウレタン系約8〜10年
シリコン系約10〜13年
フッ素系約15〜20年
無機系約20〜25年

塗料の性能だけでなく、立地環境や気候条件によっても劣化のスピードは変わるため、定期点検を欠かさないことが重要です。
特に海沿いや交通量の多い場所に建つビルは、塗膜の劣化が早く進行する傾向があります。

外壁の劣化症状(チョーキング・ひび割れ・コケ等)

外壁塗装が必要となる主な劣化症状は、以下の通りです。

  • チョーキング現象:手で触れると白い粉がつく現象で、塗膜が劣化し防水機能が失われているサインです。
  • クラック(ひび割れ):塗膜だけでなく下地にもひびが入っている場合は、水分侵入のリスクが高まります。
  • カビ・コケ・藻:湿気が多い環境で発生しやすく、外壁材の劣化や変色の原因になります。

これらの兆候が見られたら、早めの塗装が必要です。
放置すると下地まで傷み、塗装だけでは対処できなくなることもあります。

築年数や前回塗装時期の確認ポイント

築10年以上経過したビルや、前回の塗装から10年以上が経過している場合は、必ず診断を受けることをおすすめします。
塗膜の劣化が進行していると、下地補修に追加費用がかかる可能性もあります。
また、ビルの用途変更や所有者変更のタイミングで塗装を検討するケースも多く、資産価値の見直し時期として活用されることもあります。

ビル外壁塗装の工事内容と流れ

ビルの外壁塗装にはいくつかの工程があり、各工程での品質が仕上がりに大きく影響します。
ここでは、一般的な工事の流れとその内容について説明します。

  1. STEP

    調査・診断(足場設置前の確認作業)

    まずは外壁の現況を調査し、劣化状況や下地の状態を確認します。
    高所作業が伴うビルでは、ドローン調査や赤外線カメラを使った診断が行われることもあります。
    劣化の程度や補修の必要性、使用する塗料の選定までこの段階で方向性が決まります。
    正確な調査が、工事の成功を左右するといっても過言ではありません。

  2. STEP

    足場設置と養生作業

    塗装工事では、安全な作業環境の確保が最優先です。
    足場設置後、飛散防止ネットを張り、周囲への塗料の飛散を防ぐための養生を行います。
    ビルの立地によっては通行人や近隣建物への配慮も求められ、細やかな対策が重要です。
    また、作業員の安全確保のための防護具や安全帯の使用も必須です。

  3. STEP

    下地処理・高圧洗浄

    外壁の表面に付着した汚れや古い塗膜、カビ・コケなどを高圧洗浄機で丁寧に除去します。
    また、ひび割れや欠損部の補修も並行して行われます。
    この工程が不十分だと、どんな高性能な塗料を使ってもすぐに剥がれや浮きが生じてしまいます。
    下地処理は、塗装品質を決定づける重要なプロセスです。

  4. STEP

    下塗り・中塗り・上塗り

    塗装作業は、下塗り→中塗り→上塗りの順で行われるのが一般的です。

    それぞれ、目的や塗布方法が異なるため理解しておきましょう。

    • 下塗り:密着性を高めるための塗料を塗布し、下地と仕上げ塗料の接着力を高める。
    • 中塗り:仕上げ塗料の一層目で膜厚を確保し、耐久性を高める。
    • 上塗り:美観と保護性を高めるための最終層で、艶や質感・撥水性などの仕上がりを左右する工程。

    塗装の仕上がりは気温や湿度にも左右されるため、気象条件を見極めたスケジュール管理が求められます。

  5. STEP

    最終検査・足場解体・清掃

    完工後は、工事責任者や発注者立会いのもとで検査を行い、不備がなければ足場を撤去し、現場周辺の清掃・原状回復を実施します。
    塗りムラや塗り残しがないか、細部に至るまで入念にチェックすることが大切です。
    また、工事写真や報告書の提出も多くの現場で標準化されており、透明性と信頼性のある施工管理が重視されています。

ビル外壁塗装の費用相場と内訳

ビル外壁塗装の費用は、建物の規模や使用塗料、施工内容によって大きく異なります。
ここでは、費用の目安と内訳を詳しく解説します。
また、見積もり時に注意すべきポイントも併せて紹介しますので、参考にしてみてください。

延べ床面積・階数による相場の違い

ビル外壁塗装の費用は、「面積(m²)×単価(円)」で算出されます。
以下は、一般的な相場です。

規模延べ面積(目安)費用相場(概算)
3階建ビル約300m²約150〜300万円
5階建ビル約500m²約250〜450万円
10階建以上約1000m²以上約500〜1000万円

ただし、立地条件(狭小地・傾斜地など)や形状(凹凸の多い外壁)によっては、足場設置費や施工の難易度が上がり、コストに影響します。
また、タイル外壁やALCなど特殊な外装材は下地処理費用が追加される場合があります。

使用塗料(シリコン・フッ素・無機など)と単価

使用する塗料の種類によって、単価は大きく異なります。
耐久性と価格のバランスを見極めながら、選定することが大切です。

塗料種類平米単価(足場代含まず)特徴
ウレタン1,800〜2,500円/m²安価で施工しやすいが耐久性は中程度
シリコン2,500〜3,500円/m²コスパに優れ、現在主流の塗料
フッ素3,500〜5,000円/m²高耐候性・高撥水性で長寿命
無機4,000〜6,000円/m²最高レベルの耐久性を誇るが高価

塗料選びでは、単価の安さだけでなく、工事周期や将来のメンテナンス費用を総合的に判断しましょう。

費用に含まれる工程と含まれない工程の確認

外壁塗装工事の費用には以下のような工程が基本的に含まれます。

  • 足場設置・解体
  • 飛散防止ネット設置
  • 高圧洗浄
  • 下地補修(軽微なひび割れ程度)
  • 養生作業
  • 3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)
  • 工事後の清掃・報告書作成

一方で、以下のような項目は別途費用が発生するケースが多いため注意が必要です。

  • 大規模な下地補修やシーリング打ち替え
  • 夜間・休日施工(テナント配慮が必要な場合)
  • カラーシミュレーション作成
  • 管理組合や近隣対応の人件費

見積書の内訳が詳細であるかを確認し、曖昧な項目があれば必ず質問しましょう。
特に「一式」表記が多用されている場合は、注意が必要です。

新東亜工業におけるビルの外壁塗装の施工事例

ここでは、新東亜工業で行ったビルの外壁塗装工事における施工事例をご紹介します。

ビルの外壁塗装 施工前
ビルの外壁塗装 施工後
施工前(ビル全体)
施工後(ビル全体)

出典:【実録】4階建てビルの外壁塗装工事の流れを完全公開!

外壁塗装業者の選び方と注意点

施工の成否は「どの業者に依頼するか」によって大きく変わります。
信頼できる業者を選ぶためには、価格や実績だけでなく、対応力や保証内容まで含めて多角的な評価が欠かせません。
ここでは、後悔のない業者選びをするための具体的なチェックポイントを解説します。

対応可能な工事規模と実績

ビルのような高層建築物には、高所作業に対応できる設備と人材が必要です。
特に、同規模のビルにおける外壁塗装経験がある業者は、段取りやリスク管理にも長けている傾向があります。
施工管理能力の高さは、工期の正確さや品質にも直結するため、見積もり前に必ず確認しましょう。
公式ホームページやSNS・施工実績の掲載ページを確認し、過去にどのような建物に対応してきたか、写真付きで紹介されているかなどをチェックするのも効果的です。
可能であれば、実際の現場を見学させてもらうことで、現場の清掃状況や職人の対応も確認できます。

保証制度の有無と内容

外壁塗装後に不具合が発生した場合、保証制度があるかどうかは大きな安心材料となります。
塗料メーカーの製品保証だけでなく、施工会社独自の「工事保証」についても注目しましょう。
保証書の発行があるか、保証期間が何年か、また「塗膜の剥がれ」「浮き」「色あせ」など具体的に何が補償対象となるのかを契約前に確認することが重要です。
信頼できる業者は保証内容も明確に提示し、万が一の対応についても丁寧に説明してくれます。

相見積もりの活用方法と比較ポイント

最低でも2〜3社から見積もりを取り、価格や工法・スケジュールを比較検討することが大切です。
以下のポイントを中心に比較すると失敗が少なくなります。

  • 作業日数と工期の目安
  • 使用する塗料のグレードとメーカー名
  • 含まれる費用・別途費用の明記
  • 担当者の対応力や説明の丁寧さ

金額だけでなく、「この業者なら信頼できるか」「アフター対応が充実しているか」といった視点も忘れずに持ちましょう。

「安すぎる業者」には注意

極端に安い見積もりを提示する業者には、注意が必要です。
その背景には、以下のようなリスクが潜んでいる可能性があります。

  • 質の低い塗料や材料を使用している
  • 塗装回数を減らして工程を省略している
  • 作業人員を減らして対応しているため、品質が不安定
  • 保証が曖昧、または存在しない

短期的には安く感じても、数年以内に不具合が起きて再工事が必要になれば、結果的に高額な出費につながります。
見積額が相場より大幅に安い場合は、その理由を業者にしっかり確認することが大切です。

ビルオーナー・管理会社が押さえておきたいポイント

外壁塗装工事をスムーズに進めるためには、オーナーや管理会社による計画と配慮が不可欠です。
事前に知っておきたいポイントを、まとめました。

近隣への告知・配慮方法

塗装工事中は騒音や塗料の臭いなどで、近隣への影響が発生することがあります。
工事前には、ビル周辺の住民や店舗に告知文を配布し、理解を得るようにしましょう。
また、掲示板やエントランスに工事日程を明記した案内を掲示することで、クレームの発生を防ぎやすくなります。
現場では担当者が定期的に周囲を巡回し、何か問題が発生した場合にはすぐに対応できる体制も重要です。

テナントとの調整とトラブル防止策

特にテナントビルの場合、工事中の足場や騒音が営業に影響することも考えられます。
工事スケジュールや作業時間をテナントと共有し、できるだけ支障のない時間帯で進める調整が大切です。
例えば、飲食店のピーク時間帯や病院の診察時間など、業種によって配慮が求められるポイントは異なります。
また、工事中の導線確保や防犯対策についても、事前に確認しておくことが重要です。

工期・天候・安全管理のポイント

外壁塗装工事は天候に左右されやすいため、余裕をもったスケジューリングが必要です。
特に梅雨時期や台風シーズンは工期が延びるリスクがあるため、初めから予備日を設定しておくと安心です。
また、高所作業では安全管理体制の徹底も求められます。
施工業者が労災保険や工事保険に加入しているか、安全対策マニュアルが整備されているかなど、契約前に確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

ビル外壁塗装に関して、特に多く寄せられる質問をまとめました。
疑問点を事前に解消することで、より安心して工事を進められます。

Q

塗装工事はビルの営業に支障が出る?

A

工事中は足場の設置や養生によって、ビルの出入口やテナントの窓が一時的に利用制限されることがあります。
あらかじめスケジュールを調整すれば、営業への影響を最小限に抑えることが可能です。
また、騒音が発生しやすい作業(高圧洗浄・金属サンダー等)はテナントの営業時間外に実施するなどの配慮も可能です。

Q

冬や梅雨に塗装しても大丈夫?

A

気温や湿度が一定基準以下の状況では、塗料の密着や乾燥に影響するため、工期が延びるリスクがあります。
ベストシーズンは春や秋ですが、冬でも晴天が続く地域であれば施工できることが多いです。
雨天が多い梅雨時期は避けた方が無難ですが、施工管理がしっかりしていればある程度の対応は可能です。

Q

外壁塗装中に住民やテナントから苦情が出ないようにするには?

A

苦情を防ぐには、事前告知と定期的な進捗報告、現場責任者の常駐が有効です。
工事中に迅速な対応ができるよう、連絡体制を整えておきましょう。
加えて、現場の美化(養生の丁寧さやゴミの整理整頓)も印象に大きく影響します。

Q

塗装の色や仕上がりはどのように決めればよい?

A

最近ではカラーシミュレーションを提供する業者も多く、実際の外観に近いイメージを事前に確認できます。
また、景観条例がある地域では色選びに制限があるため、自治体の規定も確認しておきましょう。

Q

塗装後に不具合が出た場合の対応は?

A

塗装後に膨れやはがれなどの不具合が見られた場合は、保証内容に従って業者に連絡しましょう。
保証期間内であれば無償で再施工してくれるケースも多く、施工前に保証書の発行を確認しておくことが重要です。

まとめ

ビルの外壁塗装は、美観の維持や建物保護だけでなく、テナントとの関係性維持や資産価値向上にも直結する、非常に重要な建物メンテナンスです。
劣化症状を見逃さず、適切なタイミングで施工を行うことが、結果として長期的な修繕コスト削減につながります。

また、工事内容の透明性や業者選びも非常に重要です。
価格だけでなく施工体制・保証・実績など多角的に評価することで、信頼できる業者と出会える可能性が高まります。
特にテナントビルや大型ビルでは、近隣や入居者との調整も含めた「管理的視点」での計画が求められます。

大切な資産を守る第一歩として、計画的な外壁塗装を進めていきましょう。

[離脱防止ボーダル(html)]