外壁塗装のDIY(自分で塗装する場合)について
2024/09/06
外壁塗装は外壁材を保護する役割があり、劣化や雨漏りなどのトラブルから建物を守ります。
塗料の種類や塗る範囲にもよりますが、外壁塗装にはまとまった費用が必要なため、DIYによって「費用を抑えたい」と考える方もいらっしゃいます。
そこで本記事では、外壁塗装のDIY方法について、手順・塗装工事の進め方・塗装に必要な5つのステップなどを解説します。
機能を長く維持させるために塗装後のケアやメンテナンスも紹介しますので、参考としてご覧ください。
DIYによる外壁塗装の進め方
外壁塗装をDIYで行う理由
外壁塗装をDIYで行う主な動機は「費用の節約」でしょう。
外壁塗装は建築物の状態や形状、また使用する塗料などによって費用が発生します。
プロに依頼すると費用が増えるため、自分で行えば経費を抑える可能性があります。
さらに、自分で外壁塗装を行うと、自分の好みに合わせた仕上がりを手に入れられる点も魅力的です。
DIY外壁塗装の利点と欠点
DIY外壁塗装の利点は以下の通りです。
- 費用節約
- 達成感を得られる
- 業者選びの手間を省ける
- 自分のペースで作業ができる
プロに外壁塗装を依頼すると、材料費や労働費が発生します。
しかしDIYなら、最低限の道具があれば一人でも作業が可能なので、費用を抑えられます。
さらに、「自分の力で完成させた」という達成感が得られる点も利点となります。
また、複数の業者から見積もりを取ったり、ネットで業者の評判を調べたりする手間が省けます。
DIYなら、作業期間に制約がないため、都合の良い時に外壁塗装ができます。
例えば、急な休日や少しの空き時間にも、自分のペースで作業を進められます。
一方、DIYで外壁塗装を行う際の欠点は以下の通りです。
- 専門知識の不足
- 安全対策の問題
- 仕上がりが下手になる可能性
- 近所や家族からの苦情
- 時間がかかる
外壁塗装と聞くと「ただ塗料を塗るだけ」と思う方も多いかもしれません。
しかし、外壁塗装はその建物の美観を保つだけでなく、建物を天候や外部からの損傷から守るために重要な役割を果たします。具体的には以下のような利点があります。
防水効果
外壁塗装は、建物を雨や湿気から守る防水効果を提供します。これにより、壁の内部に湿気が浸透してカビが生えたり、建材が腐食したりするのを防ぐことができます。
保護効果
建物の外壁は、風、雨、太陽の紫外線、温度変化など、さまざまな自然条件にさらされます。これらの要素は建物の寿命を短縮させる可能性がありますが、定期的な外壁塗装により、これらの影響を最小限に抑えることができます。
耐久性の向上
高品質の外壁塗料は、建物の耐久性を高めることができます。これにより、建物は長期間にわたって良好な状態を保つことができます。
美観の向上
外壁塗装は建物の外観を新鮮に保ちます。これは、建物の価値を高めるだけでなく、住む人々の生活品質を向上させます。
建物の価値の向上
適切に塗装された外壁は、建物全体の価値を高める可能性があります。これは、建物を売却する際や賃貸に出す際に特に有利です。
外壁塗装は建物にとって非常に重要なメンテナンス作業です。ただし、適切な塗装を行うには専門的な知識と技術が必要なため、DIYに自信がない場合は専門の業者に依頼することをお勧めします。
DIY外壁塗装の手順
外壁塗装をDIYで行う場合、以下の手順に従うことが一般的です。
下準備
外壁塗装は、外壁の掃除から始めます。汚れを落とすために高圧洗浄器を使用します。そして、古い塗料や壁に浮いている部分をスクレーパーで削り落とします。さらに、亀裂や穴がある場合はパテで補修します。
基礎コート
壁の状態によりますが、一部あるいは全体にシーラー(塗料がしっかりと壁に定着するための下地塗料)を塗ることがあります。
外壁塗装
そして、外壁塗装に移ります。ローラー、ブラシ、スプレーガンなどを使って塗料を塗ります。塗料は一般的に2回塗りが一般的で、1回目が乾いた後に2回目を塗ります。
仕上げ
最後に、塗装が完全に乾くまで待ちます。その間に、塗料が飛び散ってしまった場所があるかどうかを確認し、必要に応じて清掃します。
注意事項
高所での作業には要注意
高所で作業する際は十分な安全対策が必要です。作業時はヘルメットを着用し、足場はしっかりと安定させてください。また、手すりや安全ベルトも使用すると安全性が向上します。
天候には気をつけよう
外壁塗装は天候に大きく影響を受けます。雨天や強風では作業ができませんし、高温や低温でも塗料が正常に定着しない可能性があります。
十分な下準備を心がけましょう
塗料や工具を準備する際には、塗料の種類や量、塗装に適した工具などを事前に調べておくことが重要です。また、塗料が飛び散らないように、周囲の家具や植物には養生シートを敷いておくと良いでしょう。
DIYで外壁塗装を行う際は、安全第一に考え、自分自身を守ることを忘れないでください。
DIY外壁塗装の5つのステップ
外壁塗装は思っているよりも複雑です。5つのステップを通じて、自分の家を新しい外観に変身させましょう。
- 外壁の清掃
- 補修
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
これらの手順を実行すれば、あなたの家の外壁は綺麗な外観を保つことができるでしょう。
ステップ1:外壁の清掃
最初のステップは、あなたの外壁の清掃です。外壁には時間と共にほこり、汚れ、カビなどが付着します。これらの付着物を取り除くことで、外壁は塗装準備の完全な状態になります。
以下は、自分で外壁清掃を行う際の手順です
- 外壁の汚れの種類と程度を確認する。
- 汚れに適した外壁用クリーナーや専用の洗剤を使用する。
- 高圧洗浄機を使用して、頑固な汚れを取り除く。
- ブラシやスポンジを使用して、細かい部分の汚れを手作業で落とす。
- 最後に、汚れを除去した後、適切に汚水を処理する。
汚れや付着物の種類によって、適切なクリーニング製品を選択することが重要です。また、高圧洗浄機の操作には注意が必要です。適切な距離と角度で作業を行い、外壁にダメージを与えないように注意しましょう。
ステップ2:補修
次に、外壁の補修を行います。これには、外壁の損傷部分の修復や、ひび割れや塗膜の剥がれの補修、外装材の補修、防水処理などが含まれます。
外壁のひび割れや剥がれた塗膜は、シーリング材や補修パテを使用して修復します。また、外壁に開いた穴は修復剤で埋め、外装材が劣化している場合は、必要に応じて部分的に交換を行います。補修作業は非常に重要で、塗装の質を保証し、塗装が長持ちするための基盤となります。補修作業が不十分な場合、新たな塗装がすぐに剥がれてしまう可能性があります。
ステップ3:下塗り
次の工程は下塗りです。
下塗りは、塗料を塗る前に行う作業です。外壁の表面を下地処理し、塗料の耐久性や密着性を向上させる役割があります。
下塗りを行う際の作業は以下の通りです。
- 外壁面に付着している錆を取り除き、金属部分を洗浄します。
- ひび割れた部分を修復し、表面を均一化させます。
- 下地の凹凸や粗さを整えます。
- ローラーやブラシを使って均等に下塗り塗料を塗布します。
下塗りの適切な実施は、中塗りや上塗りの効果を向上させ、外壁の耐久性や美観を向上させるのに役立ちます。時間と手間をかけて丁寧に行いましょう。
ステップ4:中塗り
次は中塗りの工程です。
中塗りは、下塗りで整えられた外壁面に中間の塗膜を形成する作業です。耐久性や美観の向上に寄与します。
中塗りは下塗り・中塗り・上塗りの中で最も重要な工程であり、仕上げ塗装の厚みを持たせ、塗料の機能を長持ちさせる効果が期待できます。
中塗りを行う際の作業は以下の通りです。
- 下塗りの塗膜状態を確認します。
- 下塗りで問題がある場合は修正や追加の下塗りを行います。
- 中塗り用の塗料をローラーやブラシを使って塗布します。
中塗りを行う前に、必ず下塗り後の塗膜状態をチェックし、修正や追加の下塗りが必要な場合は行います。
また、近年では中塗りを必要としない塗料も登場しています。その場合は中塗りの作業を省略できますので、手間を減らしたい場合は中塗り不要の塗料を選ぶこともできます。
ステップ5:上塗り
最後の工程は上塗りです。
上塗りは下塗り・中塗りの最終工程であり、外壁に耐候性を与えたり美観を向上させる効果が期待できます。
外壁は雨や紫外線などの天候の影響を受けやすいため、建物の劣化や腐食を防ぐためにも重要な工程です。
上塗りを行う際の作業は以下の通りです。
- 上塗り塗料を塗布します。
- 上塗り塗料を乾燥させ、塗膜がしっかりと硬化するまで待ち、仕上げ作業を行います。
上塗りはこれまでの工程の最終段階であり、手間はそれほどかかりません。
上塗り塗料をローラーやブラシを使って塗布した後、十分な乾燥時間を確保し、塗膜がしっかりと硬化するまで待った後、仕上げ作業を行い工程を完了させます。
仕上げ作業には以下の要素が含まれます。
- 塗装面の確認と修正
- 塗装面のクリーニング
- 仕上げ塗料の塗布
- フィニッシュコートの塗布
- シーラーの塗布など
仕上げ作業を行う前に、上塗り塗料が十分に乾燥したかを確認し、色ムラや傷などがあれば修正を行います。また、作業中に付着したほこりや汚れをブラシやスポンジで取り除き、塗装面を綺麗に保つ作業も重要です。
上塗り後には、フィニッシュコートと呼ばれる特殊な塗料を塗布することで耐汚染性や撥水性、紫外線に対する効果を期待することができます。また、シーラーと呼ばれる塗膜の密着性や耐久性を高め、汚れや劣化の影響を軽減するための塗料を塗布する場合もあります。
これで下塗り・中塗り・上塗りの工程は完了です。
外壁塗装のポイント
塗料の選び方
外壁塗装にはさまざまな種類の塗料があります。以下の5つの塗料が一般的に使用されます。
- アクリル
- ウレタン
- シリコン
- フッ素
- エポキシ樹脂
これらの塗料の特徴や料金相場、耐用年数、メリットとデメリットを考慮しながら選ぶ必要があります。
アクリル塗料
料金相場: 1,000円〜18,000円前後
耐用年数: 約3年〜5年
特徴: 安価で発色が良く、塗りやすいが耐久性が低い
ウレタン塗料
料金相場: 1,000円〜2,000円前後
耐用年数: 約5年〜7年
特徴: アクリルに比べて耐久年数が長く、耐久性がありやや高めの価格帯。
シリコン塗料
料金相場: 1,600円〜3,000円
耐用年数: 約7年〜10年
特徴: 耐久性が高く、汚れや紫外線に強いが、定期的なメンテナンスが必要。
フッ素塗料
料金相場: 3,000円〜5,000円
耐用年数: 約15年〜
特徴: 耐久性が高く、非粘着性があり汚れに強いが、価格が比較的高く施工に技術力を要する。
エポキシ樹脂塗料
料金相場: 4,000円〜10,000円前後
耐用年数: 約30年〜
特徴: 最も耐久性が高く、耐水性や防錆性があるが、紫外線に弱く価格が高い。
これらの塗料の特徴や料金相場、耐用年数、などを考慮しながら選ぶことで、自身の建物の状態や形状、外壁塗装の範囲、予算に合った最適な塗料を選ぶことができます。また、外壁塗装の専門家や業者に相談することも有益です。一括見積もりを取り、各業者に塗料について相談し、説明を受けることで信頼できる業者を選ぶことができます。業者選びのチェック項目としても利用してください。
塗装の均一化のコツ
初めての外壁塗装で均一な仕上がりを実現するためには、以下のポイントに注意しましょう:
均等な圧力と速度で塗布する。
ローラーやブラシに適量の塗料を含ませる。
前の層が十分に乾いているかを確認する。
塗料を十分にかき混ぜる。
均一な塗布を実現するためには、一定の圧力と速度でゆっくりと塗布することが重要です。また、ローラーやブラシに適量の塗料を含ませ、塗料の密度や粘度を均一にするためにかき混ぜることも忘れずに行いましょう。
乾燥時間とその重要性
外壁塗装に使用する塗料は一般的に3〜4時間で乾燥します。乾燥時間は温度によっても異なり、5度〜10度では8時間、23度以上では3時間〜、30度以上では2時間程度の乾燥時間が目安となります。
適切な乾燥時間を確保することが重要であり、暑い時期は乾燥が早くなり、寒い時期は乾燥に時間がかかる傾向があります。塗料の品質を保つためにも、適切な温度と乾燥時間を守ることが必要です。
塗料メーカーが推奨する乾燥時間を参考に選ぶことをおすすめします。
塗装後のケアとメンテナンス
外壁塗装後のケアとメンテナンスは重要です。
塗装後の清掃
外壁塗装後は、外壁面を美しく保つために定期的な清掃が必要です。汚れやほこりを水洗いなどでしっかり落とし、周囲に飛び散った塗料や汚れも忘れずに取り除きましょう。
長持ちさせるためのメンテナンス
外壁塗装の状態を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。定期的な清掃やサビや劣化の補修、再塗装などを行い、建物の健康と美観を保ちましょう。また、日常的な視察を欠かさずに行うことで劣化に早く気づくことができます。
次回の塗装時期の判断
次回の塗装時期は、使用した塗料や建物の状態を考慮して判断する必要があります。塗料の耐用年数を参考にし、外壁にひび割れや剥がれが見られる場合は早めに再塗装が必要です。専門家に相談して外壁の状態をチェックし、塗装の時期を判断することもおすすめです。
塗料選びで失敗しないためのヒント
- 塗料の特徴やメリットデメリットを理解すること。
- 耐久性や耐候性などをチェックすること。
- 塗料の品質を確認すること。
- 専門家に相談すること。
各種塗料の特性を理解し、適切な塗料を選ぶことが重要です。塗料の耐久性や耐候性、品質を確認し、必要に応じて専門家に相談することもおすすめです。
安全に作業するためのアドバイス
- 安全メガネや帽子の着用を忘れずに。
- 動きやすい服装を選ぶ。
- 足場や脚立の設置を確認する。
- 周囲の環境を整える。
- 他の人が立ち入らないように工夫する。
外壁塗装作業では安全メガネや帽子の着用、動きやすい服装の選択、適切な足場や脚立の設置を行い、作業環境を整えることが重要です。他の人が立ち入らないような工夫も行いましょう。
まとめ
本記事では、外壁塗装に関する準備方法や作業の流れ、作業中のポイント、よくある質問に対する回答を紹介しました。外壁塗装は時間と手間がかかる作業ですが、安全性に気を配りながら行いましょう。
外壁塗装をDIYで行う場合は、この記事を参考にして事前準備と知識を身につけることをおすすめします。また、専門家に相談することも適切な判断をする上で重要です。