ベランダ防水工事のポイントと選び方
2024/09/06
ベランダは、家の中でも屋外に近い場所に位置しているため、雨風や太陽の光にさらされることが多く、時間が経つにつれて自然と劣化していくことがあります。
そのため、適切なベランダ防水工事を行うことが重要になります。本記事では、ベランダ防水工事の必要性をはじめ、工事・塗料の種類や選び方のポイントについて詳しく解説します。
ベランダ防水工事の必要性
ここでは、ベランダの役割や防水工事が必要な理由に焦点を当てています。まずは、ベランダの大切な役割から見ていきましょう。
ベランダの役割と防水の重要性
ベランダとは、プライベートな屋外空間を覆う屋根と定義されています。
上層階では屋根がベランダになっていることが多く、日本のマンションやアパートでは構造上、ベランダがあることが多いです。
ベランダは屋根があるため、雨を防げるという利点があります。強い風が吹かない限り、雨の日でも窓を開けたり、ベランダで作業することが可能です。
また、屋根があることで、直射日光が室内に射し込むこともありません。
とはいえ、ベランダは家の中でも屋外に近い場所に位置しているため、雨風や太陽の光にさらされることが多い場所です。
そのため、時間が経つにつれて、ベランダ自体が劣化していくことがあります。この劣化が進むと、水漏れや雨漏りが起こる危険性が高まります。
さらに、ベランダから浸入する水が下階に影響を与え、建物全体の劣化やカビの発生など、より深刻な問題を引き起こす可能性もあります。
劣化の原因は、主に以下のようなものが挙げられます。
- 雨や湿気による浸食
- 太陽光による紫外線劣化
- 温度変化による膨張・収縮
ベランダは、雨水や湿気によって徐々に浸食されていきます。水に触れた木材は腐食し、コンクリートやタイルにひび割れや剥離が生じます。
これは、水分が染み込んで表面の材料が劣化してしまうためです。特に、水たまりができている場合は、そのまま放置していると水が染み込み、劣化が進行します。
また、ベランダは、太陽光による紫外線に晒されるため、表面の材料が劣化してしまいます。
紫外線は、塗料やコーティング材料の劣化や脆弱化を引き起こし、素材の変色や脆化につながります。
夏場には高温による膨張、冬場には低温による収縮が起こり、それによって表面に割れやひび割れが生じます。
さらに、ベランダは季節によって温度変化が激しいため、素材の膨張・収縮が生じます。特に、夏場には高温によって膨張し、冬場には低温によって収縮します。
この温度変化によって、素材の表面に割れやひび割れが生じることがあります。
防水工事が必要な理由
防水工事が必要な理由には、大きく分けて以下の3つがあります。
- 漏水や雨漏りの防止
- ベランダの寿命を延ばす
- 維持管理の容易化
一つずつ詳しく見ていきましょう。
漏水や雨漏りの防止
ベランダが劣化すると、雨漏りや水漏れが発生する可能性が高まります。特に、高層マンションやビルの場合、下階に被害を与えることがあるため、早期の防水工事が必要です。
防水工事によって、建物内部に水が侵入することを防止し、建物の耐久性を保つことができます。
ベランダの寿命を延ばす
防水工事によって、ベランダの耐久性を向上させることができます。劣化や腐食を防ぐことで、ベランダの寿命を延ばし、長期的に使用することができるようになります。
特に、建物の高層階に位置するベランダは、風や雨、紫外線などによるダメージが大きいため、定期的な防水工事が必要です。
維持管理の容易化
防水工事によって、ベランダの維持管理が容易になります。劣化や腐食が進まず、清掃がしやすくなるため、清潔に保つことができます。
また、雨漏りの発生を予防することで、緊急時の対応も容易になります。
ベランダ防水工事の種類
ベランダ防水工事には、シート防水、ウレタン防水、FRP防水の3種類があります。以下詳しく解説します。
シート防水
シート防水は、床面に厚さ1~2mm程度の塩ビ製やゴム製のシートを貼り付ける防水工法です。主に平らで広い面積の床面に向いており、施工費が比較的安価なことが特徴です。
シート防水の施工方法には、接着剤を使う方法と機械的にシートを固定する方法の2種類があります。
接着剤を使用する方法は、シートをベランダの床面に貼り付ける方法で、シートの素材に応じた接着剤を使用します。
機械的にシートを固定する方法は、ベランダの床面に固定用の釘やボルトなどを使用し、シートを取り付ける方法です。
主流の塩化ビニールは、紫外線や熱に強く、日差しが当たるベランダに適しています。
また、シート防水は、トップコートを塗る必要がないため、他の防水工法に比べて5~10年おきに行うトップコートの塗り替えの手間と費用が不要です。
以上のように、シート防水は平らで広い面積の床面に向いており、施工費が比較的安価な一方で、素人には施工が難しく、劣化によって防水効果が低下することがあります。そのため、適切な素材選定や施工方法の選択が重要です。
シート防水のメリットとデメリットを箇条書きでまとめると以下のようになります。
【メリット】
- 施工費が比較的安価で、トップコートを塗る必要がないため、塗り替えの手間と費用が不要
- 主流の塩化ビニールは紫外線や熱に強く、日差しが当たるベランダに適している
- ベランダの床面をコンクリートやタイルなどの表面に直接貼ることができ、見た目が美しくなる
- 施工期間が比較的短く、工期を短縮することができる
- 施工が比較的簡単で、特殊な技術が必要ではない
【デメリット】
- 継ぎ目の部分に強度が弱く、接着部分が剥がれたり、破れたりする可能性がある
- 施工時にシートの伸び縮みや熱収縮を考慮する必要があり、素人には施工が難しい場合がある
- シートの劣化や変色、色褪せによって防水効果が低下することがある
- シートの厚みが薄く、長期間使用すると摩耗によって穴が開いたり、表面が擦り切れたりすることがある
- 防音効果が低い場合がある
ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布することで防水層を形成する防水工法です。
ウレタン樹脂は、耐候性、耐薬品性、弾性、耐摩耗性に優れており、耐久性が高いことが特徴です。
ウレタン防水は、防水層が薄く、シート防水に比べて重量が軽く、フローリング防水に比べて施工期間が短いというメリットがあります。
ウレタン防水は、一般的には主に屋上やバルコニーの防水に使用されます。広い面積にも対応できるため、大規模な建物の屋上の防水工事にも適しています。
ウレタン樹脂は、液状であるため、ヒビや穴などの細かい隙間にもしっかりと充填することができます。
施工方法は、まず、防水する面積をきれいに掃除し、防水層を塗布する前に下地処理を行います。
下地が不均一だと防水層が薄くなったり、剥がれたりする可能性があるため、下地処理はとても重要です。
下地処理には、鉄ブラシやエアガンなどを使用して、古い塗料や汚れをしっかりと落とすことが必要です。
次に、ウレタン樹脂を塗布します。ウレタン樹脂は、液状であるため、塗布する際には専用のスプレー機やローラーなどを使用して、均一に塗り広げる必要があります。
塗布後は、乾燥するまで放置します。乾燥時間は、気温や湿度などの条件によって異なりますが、一般的には24時間程度必要です。
ウレタン防水のメリットとデメリットを箇条書きでまとめると以下のようになります。
【メリット】
- 防水層が薄く、重量が軽い
- 施工期間が短い
- 広い面積にも対応できる
- ウレタン樹脂が液状であるため、細かい隙間にもしっかりと充填できる
- 耐候性、耐薬品性、弾性、耐摩耗性に優れている
【デメリット】
- 耐久性がシート防水に劣るため、定期的なメンテナンスが必要
- 塗膜が薄いため、施工不良や工事不備があると、防水性が低下する可能性がある
- 下地処理が不十分だと防水層が薄くなったり、剥がれたりする可能性がある
- 価格帯が高めで、施工面積に制限がある場合がある
- 施工時には、下地処理などが適切に行われないと、防水効果が得られない
FRP防水
FRP防水は、耐久性に優れた塗膜防水の一種で、施工後10年以上も持続することがあります。
一体成型のため、継ぎ目がなく防水性が高く、施工期間が短く、建物への負担も少ないという特徴があります。
ただし、伸縮性がないためひび割れが起きやすく、紫外線に弱いため定期的なメンテナンスが必要とされます。
価格帯が高めで、施工面積に制限があるため、大規模な防水工事には向いていません。
一方で、色彩に富んでいるため、様々な色を選ぶことができ、カスタマイズ性が高いというメリットがあります。
また、施工時には有害物質の排出が少なく、環境に優しい工法と言えます。さらに、軽量で耐久性が高いため、建物の耐震性向上にも繋がります。
新築時のベランダ防水工事において、FRP防水は人気があります。
FRP防水のメリットとデメリットを簡単にまとめると以下のようになります。
【メリット】
- 耐久性が高く、施工後10年以上も持続することがある。
- 継ぎ目がなく、防水性が高い。
- 施工期間が短く、建物への負担が少ない。
- 色彩に富み、様々な色を選択できる。
- 環境に優しく、有害物質の排出が少ない。
- 軽量で耐震性向上に繋がる。
【デメリット】
- 伸縮性がないため、ひび割れが起きやすい。
- 紫外線に弱く、定期的なメンテナンスが必要。
- 下地が鉄部の場合は施工ができない。
- 価格帯が高め。
- 施工面積に制限があるため、大規模な防水工事には向かない。
ただし、施工面積に制限があるため、大規模な防水工事には向かないという点は、状況によっては異なる場合もあります。
工事の現場状況や条件によっては、大規模な防水工事にも適している場合がありますので、専門業者に相談することをおすすめします。
ベランダ防水工事の選び方
ベランダの防水工事をする際には、耐久性、予算、工事期間や手間、デザインや見た目などを考慮する必要があります。
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
適切な工法の選定
適切な防水工法を選ぶことは、後々のトラブルを回避するために非常に重要です。
同じベランダであっても、洗濯物を干すだけの場合とBBQやガーデニングもしたい場合では、おすすめの工法が異なります。
また、工法によっては、重い物を乗せたりすると劣化が進むことがあります。そのため、場所や規模、用途などを考慮して適切な防水工法を選ぶことが必要です。
例えば、シート防水は比較的安価で施工が簡単なため、小規模なベランダや洗濯物を干すだけの場合に適しています。
一方で、BBQやガーデニングなどで重い荷物を運び込む場合は、塗膜防水がおすすめです。
塗膜防水は、液状の塗料をフローリング部分に塗ることで防水効果を得るため、下地処理が重要ですが、防水効果が高く、耐久性も高いため、重い荷物を乗せる場合に適しています。
防水工法を選ぶ際には、使用する場所や状態、用途などを考慮し、最適な工法を選ぶことが重要です。
適切な工法を選ぶことによって、劣化を少なく抑えることができ、ベランダの長期的な維持管理につながります。
耐久性とコストのバランス
耐久性と予算は、ベランダの防水工事を検討する際に非常に重要な要素です。耐久性が高い防水材料は、ベランダの寿命を延ばすことができますが、それに伴い費用も高くなります。
一方で、予算に余裕がない場合は、耐久性の低い材料を選ぶことも考えられます。
ただし、耐久性の低い材料を選択する場合でも、防水工事が失敗してしまうと、最終的には修理費用が高くつくことになります。そのため、予算の制約があっても、耐久性には妥協しない方が良いでしょう。
また、防水工事には長期的な視点が必要です。初期費用が高くても、耐久性の高い材料を使用することで、将来的な修理費用を抑えることができます。
逆に、安価な材料を使用することで初期費用を節約した場合でも、将来的に修理費用が高くつくことが予想されます。
防水工事を行う際には、費用だけでなく、長期的な視点を持って、耐久性に優れた材料を選ぶことが重要です。
デザインや機能性
ベランダの工事において、適した工事を選ぶためには、機能性に注目することが大切です。ベランダの用途や場所、状態に応じて、最適な工事を選ぶことが重要です。
機能性に注目して適切な工事を選ぶことで、ベランダの長期的な維持管理につながります。
また、ベランダは家の外観の一部として見える場合が多く、防水材の色や質感が外観に影響することがあります。
そのため、デザインや見た目にこだわりたい場合は、カラーバリエーションが豊富な材質を用いた工事がおすすめです。
さらに、ベランダの形状やサイズによっては、防水工事を行うこと自体が見た目に悪影響を与えることがあります。
その場合は、工事期間が短く、施工に手間がかからないシートタイプの防水材がおすすめです。
デザインや見た目にこだわりたい場合は、防水工事の業者に相談して、自分の希望に合った防水材を選ぶようにしましょう。
ベランダ防水工事の注意点
ベランダ防水工事を行う際には、いくつかの注意点があります。以下のような事項の確認を行うことで、より効果的な防水工事を行うことができます。
施工前の点検
ベランダの防水工事を行う前には、ベランダの現状を正確に把握するために点検を行うことが重要です。
変色・ひび割れ
まず床材や隙間に劣化や変色、ひび割れなどがないかを確認します。床材に劣化が見られる場合は、補修や張り替えが必要になることがあります。
また、隙間に変形やひび割れが見られる場合は、シーリングの補修が必要になることがあります。
ベランダの下の水たまりや排水溝の詰まり
次に、ベランダの下に水がたまっていないか、排水溝の詰まりがないかを確認します。
ベランダの下に水がたまっている場合、防水工事を行っても水がたまり続けるため、工事効果が得られません。
また、排水溝が詰まっている場合は、水が流れずに溜まり、ベランダに水がたまる原因になります。
柱や手すりの確認
最後に、ベランダの柱や手すりに腐食や傷みがないかを確認します。柱や手すりに腐食が見られる場合は、補修や交換が必要になることがあります。
また、傷みが見られる場合は、塗装などのメンテナンスが必要になることがあります。
施工中の注意事項
まずは、正確な施工方法を確認し、防水材の厚みや施工方法を正確に把握して適切に施工することが重要です。
また、下地の清掃や平坦化をしっかりと行い、防水材を施工する前に下地を整えることで防水効果を高めることができます。
施工中は、周囲の環境や天候にも注意し、雨や風などが防水材に影響を与えないようにすることが求められます。
施工後のメンテナンス
ベランダ防水工事を行っても、定期的なメンテナンスを怠ると劣化が進み、雨漏りの原因になることがあります。
そのため、ベランダ防水工事後は、年に1回程度の定期的な点検を行うことが望ましいでしょう。
点検の際には、シーリング材の状態やシートのヒビ割れ、水はけの確認などを行い、早期に劣化が発見できるようにしましょう。
また、ベランダの床や手すりなどには、雨水や風によって汚れがたまります。
これらの汚れがたまると、排水が悪くなるだけでなく、劣化の原因にもなります。そのため、ベランダのクリーニングも定期的に行うことが重要です。
定期的な点検やクリーニングは、自分で行うこともできますが、専門業者に依頼することもおすすめです。
専門業者による点検やメンテナンスは、劣化の早期発見や適切な対策を行うことができるため、ベランダの寿命を延ばすことができます。
ベランダの防水材は、長期間にわたって使用することで劣化し、防水性能が低下することがあります。
定期的な点検で劣化が確認された場合は、早急に防水材の交換を検討しましょう。
基本的なベランダ防水工事の流れ
ここでは、ベランダ防水工事の一般的な流れを紹介します。確認しておきましょう。
現地調査・お見積もり
まずは、業者に現地調査を依頼し、ベランダの状況を把握します。その上で、防水工事の方法や費用を見積もってもらいます。
複数の業者から見積もりを取り、比較することで、より適切な業者を選ぶことができます。
契約
業者を決定したら、正式な契約を結びます。契約書には、工事内容や期間、工事費用などが明確に記載されています。契約書に不明点があれば、事前に確認しておくことが大切です。
工事の準備
工事前には、工事現場の準備が必要です。ベランダの上に置かれた家具や植木鉢などを移動させ、作業スペースを確保します。
また、ベランダの掃除や下地の整備など、工事に必要な準備を行います。
防水工事の施工
防水工事の施工は、業者によって方法が異なりますが、一般的には以下のような手順で進められます。
- 下地の清掃・整備
- 下地に適した防水材を選定し、施工
- 防水材の乾燥・硬化
- 必要に応じてトップコートや塗り直しを行う
完了検査
防水工事が完了したら、業者が工事内容の確認を行います。検査に合格したら、工事完了となります。検査で問題が発生した場合は、業者が修正を行い、再度検査を行います。
工事費用の支払い
工事費用の支払いは、工事完了後に行います。契約書で定められた金額を確認し、支払いを行います。
ベランダ防水工事にかかる費用
一般的なベランダ防水工事の費用相場としては、1平米あたり3,000円~5,000円程度が目安とされています。
ただし、上記の要素によって費用は大きく異なりますので、業者による見積もりを依頼することが重要です。
また、安価な業者に頼むと工事の品質に問題が生じる場合があるため、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
防水方法 | 費用相場(1平米あたり) | 耐用年数 |
ウレタン防水 | 4,000円~7,000円 | 10~12年 |
FRP防水 | 5,000円~7,000円 | 10~12年 |
シート防水 | 5,000円~8,000円 | 10~15年 |
タイル防水 | 15,000円~20,000円 | 20~25年 |
ベランダ防水工事にかかる費用は、以下のような要素によって異なります。
面積
ベランダの面積が広ければ広いほど、材料や工事費用が増えるため、費用も高くなります。
防水材の種類
防水材には、シート防水、塗膜防水、ウレタン防水など種類があります。それぞれの特性によって費用が異なります。
下地の状態
下地の状態が良好であれば、費用は比較的安くなります。しかし、下地が劣化している場合は、下地の補修が必要になるため費用が高くなります。
施工業者の料金設定
業者によって、料金設定は異なります。また、地域差や季節によっても異なるため、比較検討することが大切です。
ベランダ防水工事の周期
一般的に、ベランダの防水工事は10〜15年ごとに実施することが推奨されています。
ただし、使用する塗料によっても耐用年数は異なるため、新築や修繕から10〜15年目を目安にすることが一般的です。
また、マンションの外壁なども10年程度で劣化が見られることから、12年程度を目安に大規模修繕を実施することが勧められています。
その際、ベランダの防水工事も一緒に行うことが多いようです。ベランダの防水工事では、トップコート部分の塗装も併せて行うことが一般的です。
トップコート部分はベランダの表面にあたり、耐用年数は約5年とされています。トップコート部分に劣化やひび割れが見られた場合は、すぐに塗り替える必要があります。
また、防水層の耐用年数は約10年とされており、大きなひび割れや天井・壁からの雨漏りが生じた場合は、補修を行う必要があります。
これらの点を適宜メンテナンスすることで、ベランダの寿命を延ばすことができます。
ベランダ防水工事の業者選び
ベランダ防水工事には、プロの業者による施工が望ましいでしょう。しかし、大切なベランダ防水工事を任せる業者を選ぶ際には、注意が必要です。
以下は、業者を選ぶ際に考慮すべきポイントです。
業者選びのポイント
業者選びのポイントは以下の4つです。
- 実績と評判
- 対応力とアフターサービス
- 見積もりとコストパフォーマンス
- 業者の保険加入状況
実績と評判
業者の施工実績や信頼性を確認することは非常に重要です。ベランダ防水工事は、施工が不十分だと雨漏りなどの問題が生じる可能性があるため、信頼性の高い業者を選ぶことが大切と言えます。
また、施工実績が豊富であればアフターサポートも充実していることが多く、安心して任せることができます。
業者選びの際には、業者の評判や口コミを調べることも有効です。インターネットなどで、業者の口コミや評価を調べることができます。
身近な人が過去に利用したことがある業者については、直接話を聞いてみることも良いでしょう。
ただし、口コミはあくまでも一部の意見であるため、客観的な評価を行うためにも、複数の業者を比較検討することが大切です。
対応力とアフターサービス
業者を選定する際には、対応力やアフターサービスにも注意が必要です。施工後にトラブルが発生した場合、対応力がある業者であれば、無料での修理や補修などの対応が可能です。
また、アフターサポートが充実している業者は、問い合わせに対して迅速かつ適切な対応ができるため、安心して工事を任せることができます。
保証内容は業者によって異なりますが、多くの業者は施工後1年から10年程度の保証期間を設けています。
保証期間内にトラブルが発生した場合は、無料で修理や補修が行われます。また、保証期間後でも、アフターサポートを利用することができる場合があります。
業者によっては、有料でアフターサポートを提供する場合もあります。保証やアフターサポートについては、契約前に必ず確認しましょう。
特に、保証内容については、保証期間や対象範囲、保証金額などを詳しく確認することが重要です。
見積もりとコストパフォーマンス
業者によって、料金は異なります。安い業者には魅力を感じるかもしれませんが、料金だけで業者を選ぶのは危険です。
安価な業者は、工事の品質や材料の品質が低く、長期的に見ればコストがかかる場合があります。
また、見積もりを出す際に、工事の内容や品質についてもしっかりと説明してくれる業者を選ぶことが大切です。
業者の保険加入状況
業者が保険に加入しているかどうかを確認することは、万が一の事故に備えるためにも重要です。
保険に加入していない業者や、加入していても保険金が不十分な場合もあるため、業者選びの際には、保険加入状況を確認することをおすすめします。
業者が保険に加入していれば、工事中に何らかの事故が発生した場合にも被害を受けた側には補償が受けられます。
業者が保険に加入しているかどうかは、業者に直接確認するか、業者のウェブサイトなどで確認することができます。
保険には、労災保険や賠償責任保険、建設業共済などがあります。業者がどのような保険に加入しているかによって、補償内容が異なるため、確認しておくようにしましょう。
業者選びの注意点
業者選びの注意点もあります。契約する前には、以下の2点を再確認するようにしましょう。
- 信頼性の確認
- 契約内容の確認
信頼性の確認
業者が防水工事に必要な資格や経験を持っていて信頼できるかどうかも、選定のポイントです。資格や経験を持った業者であれば、工事の品質が高くなることが期待できます。
資格や経験に関する情報は、業者のウェブサイトやパンフレット、口コミサイトなどで確認するようにしてください。
資格は、防水施工管理技士や防水施工技能士、一級建築士などがあります。これらの資格を持っている業者は、防水工事の専門家として、高い品質で工事を行うことができます。
また、実際に過去に行ってきた工事の実績や施工経験も、業者選びのポイントとなります。これらの情報を確認し、資格や経験の有無を考慮して業者を選ぶことが大切です。
契約内容の確認
契約内容の確認も怠らないようにしましょう。適当にチェックして任せてしまうと、後になってトラブルが起こる可能性があります。
特に、業者が工事内容を説明してくれるかどうかの確認は大切です。工事内容や費用が明確になっていれば、工事の品質や期間、費用内訳などが正確に把握できます。
また、工事の進捗状況を把握できるため、安心して工事を任せることができます。
適切な工事内容の説明は、業者との信頼関係を築くためにも必要です。工事の内容が明確になっていれば、工事中にトラブルが起きた場合も対応がスムーズになるでしょう。
工事内容を明確にするためには、以下の点について確認することが重要です。
また、業者が提供する見積もりには、工事内容や費用だけでなく、アフターサポートや保証についても記載されています。
- 工事の手順や方法
- 使用する材料や工具
- 工期や予定日程
- 費用や支払い方法
見積もりを比較する際には、これらの点についても注意深く確認しましょう。工事内容については、口頭での説明だけでなく、契約書に明確に記載することが望ましいです。
また、工事前に業者との打ち合わせを行い、細かな要望や疑問点を解消しておくようにしましょう。
不明点が残ったまま工事を依頼すると、後々トラブルにつながる可能性があります。
おわりに
今回は、ベランダ防水工事について、工事の主な方法や選定方法、注意点について解説してきました。
ベランダは屋外に面しているため、日々の風雨や紫外線の影響を受け、劣化が進みます。
そのため、ベランダの防水工事は、劣化を防ぎ、雨漏りを防止するために重要な役割を担っています。
また、適切な業者を選ぶことも大切です。業者の実績や信頼性、保証やアフターサポートなど、さまざまなチェックポイントを考慮して、選定することが欠かせません。
さらに、防水工事後も定期的なメンテナンスが必要です。定期的な点検や清掃により、早期発見や予防ができ、ベランダの寿命を延ばすことができます。
皆さんの快適な生活のために、ベランダの防水工事を適切に行い、定期的なメンテナンスを心がけましょう。