東京都千代田区のマンション大規模修繕に利用できる助成金・補助金や施工会社の選び方
2024/09/10
ビルやマンションなどの建物は、年数の経過とともに美観や耐久性が下がってしまいます。
そのままにしておくと、建物の安全性や資産価値などにも影響を与えるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
長期的に状態の維持や回復をするためには、計画的に工事を進めるだけではなく、費用の負担を抑えながら信頼できる会社を選ぶことも大切です。
そこで今回は、東京都千代田区でマンションの大規模修繕に利用できる助成金・補助金、施工会社を選ぶポイントなどを解説します。
また、基礎知識をはじめ、工事内容・会社の選び方・費用の目安など、大規模修繕工事を進めるにあたって必要な内容も掲載していますので、参考としてご覧ください。
大規模修繕工事の基礎知識
大規模修繕工事は、マンションや集合住宅の長期的な維持管理に欠かせない役割を果たします。
一般的に10年から15年ごとに実施され、建物の外壁・屋上・共用部分などの補修や改修を行います。この工事の目的は、建物の劣化を防ぎ、資産価値を維持することにあります。
工事の内容は多岐にわたり、外壁塗装・防水工事・設備の更新などが含まれます。実施にあたっては、事前の調査や計画立案を立てたうえで、専門家による診断や管理組合での合意が必要です。
費用面では、修繕積立金を活用するのが一般的ですが、工事の規模によっては追加の費用負担が発生することもあります。
居住者の生活への影響を最小限に抑えるため、工事期間中の騒音・振動・立ち入り制限などについても十分な配慮が求められます。
大規模修繕工事は建物の寿命を延ばし、快適な住環境を維持するために必要な取り組みです。
大規模修繕で行う工事内容を解説
大規模修繕工事は、建物の長寿命化と居住環境の改善を目的として行い、主に以下の工事が含まれます。
足場工事
足場工事は、工事を安全に行うための環境づくりを目的とした作業です。建物の外周に足場を組み立てることで、作業員が安全に高所作業を行えます。同時に、落下物防止ネットの設置や養生シートの取り付けをし、工事中の安全確保と周辺環境にもしっかり配慮します。足場の種類は、建物の形状や工事内容によって異なり、枠組足場やくさび緊結式足場などが一般的です。
屋上防水工事
屋上は雨風や紫外線などの影響により、建物の中で劣化しやすい部分です。屋上防水工事では、既存の防水層を撤去し、新しい防水層を施工します。一般的にはウレタン防水やシート防水などが用いられますが、建物の構造や環境に応じて最適な工法を選択します。また、雨水の適切な排水を確保するため、排水設備の改修も同時に行われることも多いです。近年では、断熱性能を高めた防水材料の使用も増えており、省エネ効果も期待できます。
外壁改修工事
外壁改修工事は、建物の美観を維持するだけでなく、雨から外壁材を保護する役割を果たします。具体的には、ひび割れや浮きの補修・塗装の塗り替えなどが行われます。近年では、断熱性能を高める外壁塗料の使用も増えており、省エネ効果も期待できます。外壁材は様々な種類があり、モルタルやALC、など多く存在し、よく使用されるタイルなどの場合はタイルの補修や張り替えを行います。
タイル工事
タイル工事は、建物の美観維持と防水性能の向上を目的として行われます。経年劣化によるタイルの浮きや剥落を防ぐために補修工事や必要に応じて新しいタイルに張り替えなどを行います。工事では、まず既存タイルの打診調査を行い、損傷の見られる箇所を特定します。その後は、浮いたタイルの接着・破損タイルの交換・目地の補修などを実施します。近年では、より耐久性の高い接着剤や目地材を使用することで、タイルの長寿命化を図る工法も採用されています。
鉄部塗装工事
鉄部塗装工事は、建物の金属部分の錆び防止と美観の維持を目的としています。主な対象は、手すり・ドア枠・非常階段・ルーバーなどです。工事では、まず既存の塗膜を剥がし、錆びを除去します。その後、下地処理を行い、防錆塗料を塗布し、仕上げ塗装を行います。近年では、環境に配慮した塗料や耐候性に優れた製品の使用が増えています。適切な塗装を行うことで、金属部分の寿命を延ばし、建物全体の美観を向上させることが可能です。
共用部改修工事
共用部の改修は、建物の資産価値向上と居住者の利便性改善を目的としています。エントランスホールの内装更新・集会室のリニューアル・駐車場や駐輪場の整備などが含まれます。また、バリアフリー化の一環として、スロープの設置や手すりの取り付けなども行われます。近年では、宅配ボックスの設置やオートロックシステムの導入など、現代のライフスタイルに合わせた改修も増加傾向です。共用部を改修すると、建物の印象を向上させながら居住者の満足度を高められます。
これらの工事は、建物の状況や管理組合の方針によって優先順位が決められ、一度に全ての工事を行うケースや複数回に分けて実施されることもあります。また、工事の内容や範囲は、事前の建物診断結果・修繕積立金の状況・居住者の要望などを総合的に考慮して決定されます。大規模修繕工事を適切に行うことで、建物の長寿命化・資産価値の維持や向上を図れるため、計画的かつ効果的な実施が必要です。
大規模修繕工事会社の選び方のポイント
施工実績と信頼性を重視する
大規模修繕工事会社を選ぶ際、まず注目すべきは実績と信頼性です。長年の経験を持つ会社は、様々な建物や状況に対応できる技術力を持っています。過去の施工例や顧客の評判を調べることで、依頼先の会社が信頼できるか判断できます。また、業界団体への加盟や各種資格の保有状況も、会社の信頼性を示す重要な指標です。施工の実績が豊富な会社を選ぶことで、質の高い工事と安心感を得られるでしょう。
提案内容と見積もりの内容を確認する
優良な工事会社であれば、建物の状況を詳細に調査したうえで、必要な工事内容を明確に説明します。また、見積もりにおいては、工事の内訳・使用する材料・工期などを具体的に示してあるとわかりやすいです。複数の会社から見積もりを取って比較することで、適正な価格と内容を見極め、検討することができます。もしも不明点や疑問点がある際は、納得いくまで説明を求めることが大切です。
施工業者の対応やサポート体制で判断する
大規模修繕工事は長期にわたるため、居住者との良好な関係を維持することが大切です。説明会の開催や工事進捗の定期報告など、情報をしっかり提供する姿勢も評価にあたります。工事中は色々な形で管理者や住民と関わることも多くなり、トラブルなども起きることのある修繕工事では丁寧かつスムーズな工事の進行を行える業者を選ぶことも大切になります。
大規模修繕工事でかかる費用目安
大規模修繕工事には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
令和3年に国土交通省が実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」をもとに、費用の目安をいくつか紹介します。
大規模修繕工事でマンション1戸あたりの費用目安
国土交通省によると、マンションの大規模修繕工事にかかる費用は、1戸あたり約75万円~125万円が平均とされています。
また、工事は数回に分けて実施するため、回数によって以下のように変動する傾向があります。
- 1回目…約100万円~125万円/1戸
- 2回目…約75万円~100万円/1戸
- 3回目以降…約75万円~100万円/1戸
工事内容は築年数の経過によって異なり、長いほど手を加える場所も多くなります。
1回目の大規模修繕では主に外壁塗装や防水工事が中心ですが、2回目以降では設備の更新や耐震補強などが加わることがあります。
大規模修繕工事全体での平均費用とは?
大規模修繕工事では、半数以上が一戸あたり75万円以上の費用を負担しています。
例えば100戸の大規模なマンションで修繕工事を行う場合、中央値で7,600万円〜8,700万円程度が必要な計算です。規模に比例して一度で大きな費用が発生するため、事前に資金の準備を行う必要があります。またこの費用には、外壁塗装・屋上防水工事の更新など、一般的な大規模修繕工事の項目を含んでいます。
大規模修繕はビルなどの場合になると数千万円から数億円規模の大きな工事になるために、費用については事前の計画や資金準備が大切です。
大規模修繕時に追加で費用がかかる場合について
マンションの大規模修繕では、建物調査や見積もりの際には見つけられなかった細かな破損や不具合が施工時に判明することで発生します。通常の大規模修繕では施工前に建物調査を行い、マンションの状況や修繕箇所を把握します。しかし、死角確認しづらい部分や調査不足で発見の遅れた修繕箇所が判明すると、施工時に追加費用が発生します。どれだけ優良な業者に依頼しても、追加費用の発生が発生する可能性があるため、余裕を持った費用の準備が必要です。
千代田区の大規模修繕で利用できる助成金
千代田区の大規模修繕では、現在以下の助成金制度を利用できます。
マンション再生計画検討助成
助成対象
主に築後35年を経過した分譲マンションで、「再生推進決議」が議決されている管理組合
助成額
対象経費の1/2かつ、年間30万円まで
期間
助成を受けた年度から「再生決議」が議決されるまで。ただし、3年間を上限とする
劣化診断調査費助成
制度概要
国土交通省のマンション管理適正化指針にもあるように、建物を良好な状態で維持していくための大規模修繕工事に向け、自分のマンションの現状把握が必須となります。そのための建物の劣化診断調査費用の一部を助成(対象経費の2/3、上限50万円)し、調査後に国土交通省のガイドラインに基づき長期修繕計画の作成、見直しを行った場合にかかる費用(対象経費の2/3、上限80万円)の一部を助成しています。また、旧耐震基準で建てられたマンションで、耐震診断の事前調査としての簡易診断の実施についても助成しています(対象経費の2/3、上限20万円)。
助成対象
- 千代田区内の分譲マンションの管理組合等
- 千代田区内の賃貸マンションの所有者
助成額
- 調査に要する費用の2/3で、かつ上限50万円
- 調査後、国土交通省のガイドラインに基づき、長期修繕計画の作成、見直し、変更を行った場合、かかる費用の2/3で、かつ上限80万円
- 簡易耐震診断実施にかかる費用の2/3で、かつ上限20万円
- 長期修繕計画の作成、見直し、変更を行った場合、かかる費用の2/3で、かつ上限30万円(ただし、調査に要する費用の助成金をすでに交付されている場合に限る。)
対象物件
築8年を経過した千代田区内のマンション(現に住宅として使用されていること)
対象項目
- マンション共用部分で、建物の防水・壁面・鉄部の塗装・給排水設備・電気設備などの調査に要する経費
- 長期修繕計画の作成、見直しにかかる費用
- 簡易耐震診断実施に要する費用
分譲マンション共用部修繕工事債務保証料助成
制度概要
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の共用部リフォーム融資を受け、(公財)マンション管理センターに債務保証を委託した際にかかる手数料の一部を助成しています。
助成対象
千代田区内の分譲マンションの管理組合
助成額
債務保証料もしくは、100万円のどちらか低い額
対象物件
千代田区内の分譲マンション
対象項目
マンションの共用部分工事に関して、住宅金融支援機構から「共用部リフォーム融資」を受け、(公財)マンション管理センターに債務保証を委託した際にかかる手数料の一部
問い合わせ先 |
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公益財団法人まちみらい千代田 住所:
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21 ちよだプラットフォームスクウェア4階 TEL:
03-3233-7555 FAX:
03-3233-7557 |
千代田区の街並みや代表的な建物
東京都の中心に位置する千代田区は、日本の政治・経済・文化の中枢を担う地域です。皇居を中心に、歴史的建造物と近代的な高層ビルが共存する、独特の景観を形成しています。
区の中心には、天皇家の居住地である皇居があり、その周辺には広大な緑地が広がっています。皇居外苑や北の丸公園は、都心にありながら豊かな自然を楽しめる憩いの場です。
政治の中心地である永田町には、国会議事堂や首相官邸があり、日本の政治の舞台です。一方で大手町・丸の内・霞が関には、多くの官公庁や大企業のオフィスビルが立ち並び、日本経済の中心地としての顔を持ちます。
文化的側面も豊かで、神田神保町は古書店街として知られ、学問の街としての伝統を今に伝えています。また、秋葉原は電気街として世界的に有名で、アニメやゲームなどのサブカルチャーの発信地としても人気です。
歴史的な建造物も多く、江戸城の名残である石垣や明治時代の洋風建築など、様々な時代の建築物を見られ、東京駅の赤レンガ駅舎は区を代表する景観の一つです。
交通の要所でもあり、東京駅を中心に複数の鉄道路線が集中し、日本全国へのアクセスの起点でもあります。また、地下鉄網も充実しており、区内の移動も便利です。
マンション・建物名 | 住所 |
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千代田タワーマンション | 東京都千代田区岩本町2丁目10-10 |
東京ミッドタウン日比谷 | 東京都千代田区有楽町1-1-2 |
坂下門 | 東京都千代田区千代田1 |