外壁や屋根の雨漏り修理は自分でできる?応急処置やDIY補修の方法を紹介
2024/09/13
雨漏りは、放置すると建物の劣化が進むだけではなく、健康被害にもつながる問題です。
そのため早急な対応が必要ですが、雨漏りは窓・屋根・外壁など様々な部分で起こるため、適切な補修方法を選んで対応しなくてはなりません。
また、DIYで補修できるのは比較的軽微な雨漏りであり、陸屋根にある防水層の劣化や瓦屋根からの雨漏りなどの専門的な知識や技術が必要な雨漏りは、業者への依頼が必要です。
まずは応急処置を行えると良いですが、どのように対応すれば良いのでしょうか。
この記事では、雨漏りの種類や放置した場合の危険性、DIYに関する内容を解説します。
雨漏りの知識を深め、適切に対処できる内容を掲載していますので、ぜひ参考としてお役立てください。
雨漏りについて
雨漏りは、建物の寿命や人の健康にも影響を与えるため、雨漏りを見つけたら早急に原因を特定して補修を行います。
しかし、雨漏りとはどのような症状と対応が必要なのでしょうか。
あらゆる箇所から発生する可能性があり、原因や対処法はよって異なりますので、こちらで紹介します。
雨漏りの種類
雨漏りは、建物の様々な箇所から発生します。
代表的な雨漏りは、以下の通りです。
窓からの雨漏り
窓枠・サッシの隙間・窓ガラスの破損などによって発生します。
雨水が建物の内部に侵入すると、壁・天井・床の腐食・カビの発生など、深刻な被害をもたらす恐れがあります。
窓からの雨漏りを発見した場合、応急処置として雨漏り箇所をビニールシートなどで覆い、雨水の侵入を防ぎます。
その後は、専門業者に修理を依頼しましょう。
屋根の雨漏り
屋根からの雨漏りは、建物でも起こりやすい問題です。
主な原因としては以下が挙げられます。
- 屋根材の劣化や損傷:瓦のひび割れや剥がれ、スレートの劣化など
- 防水シートの劣化:経年変化による防水性能の低下
- 屋根の接合部の隙間:棟や谷、ケラバなどの接合部での隙間
- 雪や氷の堆積:積雪地域での雪解け水による浸水
屋根からの雨漏りを発見したら、雨漏り箇所の下に容器を置いて水を受け、天井や床への被害を最小限に抑えます。
その後、専門業者に連絡して詳細な調査と修理を依頼しましょう。
また、定期的な屋根の点検とメンテナンスを行うことで、雨漏りを未然に防ぐことができます。
外壁からの雨漏り
外壁からの雨漏りは、屋根からの雨漏りに比べて発生頻度は低いものの、放置すると建物の構造を損傷させる恐れがあります。
外壁からの雨漏りの原因としては、以下のものが挙げられます。
- 外壁のクラックやひび割れ
- サイディングの目地部分の劣化
- シーリング材の劣化
- 外壁材の破損
これらの原因により、雨水が外壁内部に侵入し、建物の構造を傷めることがあります。
掃き出し窓下と防水層の隙間から雨漏り
掃き出し窓下と防水層の隙間からの雨漏りは、特定の難しい問題です。
雨漏りの原因となる隙間は非常に小さく、目視で確認するのが難しい場合があります。
また、この部分は他の部分よりも雨水が浸入しやすく、放置しておくと建物の躯体に大きなダメージを与える可能性があります。
掃き出し窓下と防水層の隙間からの雨漏りを防ぐには、以下の方法が有効です。
- コーキングの打ち直し
- 防水シートの貼り直し
- 防水テープの貼り付け
これらの作業は、専門業者に依頼するのが確実です。
作業に慣れていない方が行うと、かえって雨漏りを悪化させてしまう可能性があります。
屋根の雨どいがオーバーフローして雨漏りが発生
屋根の雨どいがオーバーフローすることで、雨漏りが発生する場合があります。
これは、主に以下の原因で起こります。
- 雨どいの詰まり:落ち葉や小枝などのゴミが蓄積し、排水を妨げる
- 雨どいの勾配不良:適切な勾配がなく、水がスムーズに流れないことで溢れる
- 雨どいの容量不足:大雨時に雨どいの排水能力を超えてしまう
- 雨どいの破損や劣化:亀裂や穴があり、そこから水が漏れ出す
オーバーフローによる雨漏りを防ぐには、定期的な雨どいの清掃と点検が必要です。
また、必要に応じて雨どいの修理や交換、あるいは容量の大きいものへの取り替えを検討しましょう。
大雨が予想される際は、事前に雨どいの状態を確認し、必要な対策を講じることが大切です。
雨漏りを放置する危険性について
雨漏りを放置していると、建物に多くの問題が発生する可能性を高めます。
安心して生活できる環境を守るためにも、雨漏りを放置した場合に起こる問題を紹介します。
虫が発生する
雨漏りを放置すると、害虫が発生する可能性があります。
雨漏りによって湿った環境は、ゴキブリ・シロアリ・ダニなど、害虫にとって繁殖しやすい場所です。
特にシロアリは木材を食べてしまうため、木造住宅にとっては大きな脅威です。
雨漏りで湿った木材は格好の餌となり、建物構造を弱らせてしまう可能性があります。
害虫が発生すると建物への被害だけでなく、健康被害も引き起こすこともあるため、雨漏りを発見したら、早急に修理や補修を行いましょう。
雨漏りは漏電の危険性がある
雨漏りを放置すると、壁の中や天井裏の電気配線に水が浸入し、漏電の可能性が高くなります。
コンセントやスイッチ付近で雨漏りが発生した場合には、漏電のリスクが高く危険です。
また、漏電が発生すると以下の様な症状が現れることがあります。
- 電化製品が正常に動作しなくなる
- コンセントやスイッチ付近からパチパチ音がする
- 触るとビリビリする
- ブレーカーが落ちる
これらの症状が現れた場合は、すぐに漏電の可能性を疑い、電気のブレーカーを落として専門業者に連絡しましょう。
感電すると命に関わるため、慎重に対応することが大切です。
雨漏りで建物の根幹部分が腐食してしまう
雨漏りを放置すると、外壁・屋根・基礎など建物の根幹部分が腐食する場合があります。
また、腐食した建材はシロアリの巣や餌になるため、被害の範囲も広がる可能性もあります。
腐食の進んだ建物は強度が低下するだけではなく、最悪の場合倒壊する恐れもあるため、早急に対応しましょう。
雨漏りをDIYで補修することは可能?
雨漏りは建物の様々な場所で起こる可能性があり、原因もしっかり調べたうえで判断できます。
雨漏りは、ホームセンターで購入できる補修キットや防水材を使用し、自分で補修することが可能です。
しかし、場合によっては専門業者への依頼が必要な雨漏りもあります。
原因が複雑であったり高所作業が必要であったりすると、安全かつ正確に対応するための専門的な知識と技術が必要です。
無理にDIYで補修しようとすると、かえって被害を拡大させてしまう恐れがあります。
雨漏りを見つけたらすぐに応急処置を行い、専門業者に修理を依頼しましょう。
また応急処置としては、雨漏りの箇所を防水シートなどで覆い、雨水の侵入を防ぐことが有効です。
漏電の恐れがある場合は、ブレーカーを落として感電を防ぎましょう。
DIY可能な雨漏りの種類について
雨漏りは、放置しておくと建物の構造や住環境に深刻な影響を及ぼすため、早期に対処することが重要です。
しかし、すべての雨漏りが自分で補修できるわけではなく、専門業者による修理が必要なケースも多々存在します。
そこでまずは、DIYで可能な雨漏りの種類について理解しましょう。
主にDIYで可能な雨漏りは、以下の通りです。
- コーキングの劣化
コーキングは外壁や窓枠の隙間を埋める防水材ですが、経年劣化によってひび割れや剥がれが生じると雨水が侵入します。
コーキングの打ち換えは比較的簡単な作業なので、DIYで補修することが可能です。
- 屋根の棟板金や雨樋の破損
棟板金は屋根の頂点を覆う金属板、雨樋は屋根から流れた雨水を排水する樋です。
これらの破損によって雨漏りが発生する場合は、応急処置として防水テープや補修スプレーを使って補修できます。
- 窓枠からの雨漏り
窓枠の隙間やパッキンの劣化によって雨漏りが発生する場合は、コーキングの打ち換えやパッキンの交換で対応します。
これらの雨漏りは、比較的簡単な作業で補修することができ、DIYで挑戦することも可能です。
ただし、高所作業が必要となる場合や、構造的な問題が原因となっている可能性がある場合は、無理に自分で対処せず、専門業者に相談しましょう。
DIYできない雨漏りの種類とは
専門的な知識と技術が必要な雨漏りは、DIYで修理できないケースもあります。
少しでも疑わしい症状があれば、無理をせず早急に専門業者へ相談することが大切です。
陸屋根の防水層劣化
陸屋根とは、傾斜がほとんどなくフラットに近い形状の屋根を指します。
しかし、陸屋根は防水層の劣化が原因で雨漏りを引き起こすケースがあります。
水層は経年劣化によって性能が低下し、ひび割れや破れが発生することがあります。
放置しておくと建物の躯体にも雨漏りによる被害が及ぶ可能性がありるため、早急に補修を行うことが大切です。
陸屋根の防水層劣化による雨漏りの補修方法は、防水層の状態によって異なります。
軽度の劣化であれば、防水層の表面を補修材で覆うことで補修できますが、防水層が大きく破損している場合は防水層の全面改修が必要です。
陸屋根の防水層は構造が複雑なため、適切な補修を行うためには専門的な知識と技術が必要です。
瓦屋根からの雨漏り
瓦屋根からの雨漏りは、経年劣化や地震などの衝撃によって瓦が割れたり、漆喰が剥がれたりすることで発生します。
瓦屋根は複雑な構造をしているため、雨漏りの原因を特定するのが難しく、応急処置やDIYでの補修は難しいです。
また、瓦屋根の雨漏り修理は瓦の交換・漆喰の詰め直し・屋根の塗装など、原因によって異なります。
雨漏りを予防するには、定期的な点検とメンテナンスを行うことが大切です。
点検では屋根に上って瓦や漆喰の状態を確認し、必要に応じて補修を行います。
建物内部にある配管からの雨漏り
建物内部にある配管からの雨漏りは、DIYでは対応できないケースがほとんどです。
配管の経年劣化・破損・接続部分の緩みなどが原因で発生することがあり、専門的な知識と技術が必要なため、防水業者に依頼する必要があります。
雨漏りの箇所が特定できない場合や、天井裏や壁の中などで手が届かない場所、調査が必要です。
防水業者は、赤外線カメラや内視鏡などを駆使して雨漏りの原因を究明し、適切な補修方法を提案してくるでしょう。
特に給水管や排水管などの雨漏りは、早急に修理しなければ二次被害につながる恐れもあります。
また、保証制度のある業者も多いため、事前に確認しましょう。
オススメの雨漏り補修方法
外壁や屋根の雨漏りは、早急な対応が必要です。
しかし、業者に依頼すると、高額な費用が発生するケースも少なくありません。
そこでこちらでは、外壁や屋根の雨漏り修理を自分で行う方法を紹介します。
防水テープ
雨漏りの箇所に防水テープを貼るなど、応急処置を行って雨水の侵入を防ぎます。
ただし、防水テープはあくまで応急処置であり、本格的な修理には向かず、雨漏りがひどい場合は、防水テープでは効果が期待できません。
雨漏りを未然に防ぐには、日頃から雨漏りの原因となる箇所をチェックし、メンテナンスを行うことが大切です。
特に、屋根や外壁は定期的に点検し、ひび割れや破損があればすぐに補修しましょう。
また、雨樋の詰まりも雨漏りの原因となるため、定期的に掃除することが必要です。
補修スプレー
補修スプレーとは、外壁や屋根の小さなひび割れや穴を塞ぐために使用するスプレーです。
ホームセンターなどで購入でき、比較的簡単に施工できます。
補修スプレーは、ひび割れや穴に直接吹き付けるだけなので、作業が簡単かつ速乾性があることですぐに効果が現れます。
ただし、大きな穴やひび割れには不向きなため、注意が必要です。
補修スプレーを使用する際には、以下の手順を参考にしましょう。
- ひび割れや穴の周囲をきれいに掃除します。
- スプレー缶をよく振ります。
- ひび割れや穴に直接スプレーします。
- スプレーが乾くまで待ちます。
補修スプレーは応急処置に適していますが、あくまで一時的な解決策です。
本格的な補修が必要な場合は、専門業者に依頼しましょう。
コーキング
外壁の隙間やひび割れに充填し、防水性や気密性を高める補修方法です。
ホームセンターなどで手軽に購入でき、DIYで補修することも可能です。
コーキングの補修手順は、以下の通りです。
- 補修箇所の清掃
雨漏りの原因となっているひび割れや隙間をブラシなどで清掃します。
- プライマーの塗布
必要に応じてプライマーを塗布します。
プライマーはコーキングの密着性を高める役割があります。
- コーキング材の充填
コーキングガンにコーキング材をセットし、隙間やひび割れに充填します。
- ヘラでならす
ヘラでコーキング材をならし、表面を平滑にします。
- 乾燥
コーキング材が完全に乾燥するまで待ちます。
コーキングは、比較的簡単な補修方法ですが、施工方法を誤ると雨漏りの原因になることもあります。
不安な場合は、専門業者に依頼しましょう。
壁紙の接着
壁紙の接着は、雨漏りによって剥がれてしまった壁紙を補修する方法です。
比較的簡単な作業ですが、適切に行わないと再び剥がれる可能性があります。
以下に、壁紙の接着による雨漏り補修の手順を示します。
- 準備
まず、剥がれた壁紙の周囲をきれいに掃除します。
カビや湿気が残っている場合は、完全に乾燥させてから作業を始めます。
- 壁紙用接着剤の準備
市販の壁紙用接着剤を用意します。
使用前に説明書をよく読み、適切な使用方法を確認しましょう。
- 接着剤の塗布
剥がれた壁紙の裏側と壁面の両方に薄く接着剤を塗ります。
均一に塗ることが重要です。
- 壁紙の貼り付け
接着剤が適度に乾いたら、壁紙をゆっくりと元の位置に貼り付けます。
気泡が入らないよう、中心から端に向かって丁寧に押さえていきます。
- 仕上げ
壁紙ローラーなどを使用して、全体をしっかりと押さえます。
余分な接着剤が出てきた場合は、湿った布で拭き取ります。
- 乾燥
接着剤が完全に乾くまで、その部分に触れないようにします。
壁紙の接着は一時的な解決策であり、根本的な雨漏りの原因を解決するものではありません。
雨漏りの原因を特定し、適切な修理を行うことが大切です。
また、頻繁に壁紙が剥がれる場合は、湿気や結露の問題がある可能性があるため、専門家に相談すると良いでしょう。
塗装
外壁や屋根の雨漏り補修には、塗装が効果的です。
塗装には防水効果があり、雨水が浸入するのを防げます。
塗装には様々な種類があり、雨漏り補修にはウレタン系塗料やシリコン系塗料が適しています。
塗装はDIYでも行うことができますが、ある程度の技術が必要なため、自信がない場合は専門業者に依頼しましょう。
塗装による雨漏り補修の手順
- 雨漏りの原因となっている箇所を特定する
- 原因箇所を中心に塗装を行う
- 塗料の説明書に従って適切に作業を行う
普段からできる雨漏りの対策について
普段から対策をしておくことで、雨漏りを防ぐことが可能です。
定期的に屋根の点検を行い、傷んだ部分や劣化がないかを確認しましょう。
また、雨樋の掃除・外壁のひび割れ補修・換気・塗装なども大切です。
雨漏りを発見したら、すぐに専門業者に修理を依頼しましょう。
雨漏りは応急処置まで行って修理は防水専門業者へ
雨漏りの修理は、自分でできる場合と、専門業者に依頼する必要がある場合があります。
自分で修理できる雨漏りは、屋根や外壁の小さな穴やひび割れなどです。
これらの場合は、防水テープや補修スプレーなどで簡単に修理できます。
しかし、陸屋根の防水層の劣化による雨漏りや、瓦屋根からの雨漏り、建物内部の配管からの雨漏りなどは、専門業者への依頼が必要です。
これらの雨漏りは、原因が複雑なため専門性の高い知識と技術が求められます。
雨漏りを放置すると、被害が広がることで修理費用がかかることもあるため、雨漏りを発見したらすぐに専門業者へ相談しましょう。
DIYできない雨漏りを業者に依頼した場合の費用相場は?
雨漏りを放置すると、建物の躯体の腐食・カビの発生・シロアリの被害など、多大な被害をもたらします。
また、雨漏りの原因によっては、DIYで修理することが難しい場合もあります。
そこで、DIYできない雨漏りを業者に依頼した際の費用相場について紹介します。
雨漏りの修理費用は、雨漏りの原因・規模・施工方法などによって異なりますが、一般的には以下の通りです。
- 屋根からの雨漏り: 程度によって1万~200万円ほど
- 外壁からの雨漏り: 程度によって5万~150万円ほど
- 窓からの雨漏り: 3万~25万円ほど
また、雨漏りの調査費用は別途必要となり、1万~3万円程度が相場です。
雨漏りの修理費用は、あくまで参考価格であり、実際には現地調査を行ったうえで決定します。
正確な費用を把握したい場合は、まず業者へ見積もりの依頼を行い、現状を確認してもらいましょう。
まとめ
雨漏りは放置すると建物に深刻な被害をもたらすため、早期の対応が不可欠です。
建物の寿命を縮めるだけでなく、漏電やシロアリの発生など、様々な問題を引き起こします。
気が付かないうちに被害が拡大し、修理費用も高額になるケースもあるため、早期の発見と対応が重要です。
自分でできる雨漏りの補修方法はいくつかあり、防水テープ・補修スプレー・コーキング剤などを用いて応急処置を行うことも可能です。
しかし、全ての雨漏りがDIYで解決できるわけではありません。
陸屋根の防水層の劣化や瓦屋根からの雨漏り、建物内部の配管からの雨漏りなどは、専門業者に依頼する必要があります。
雨漏り修理の費用は、被害の程度や施工方法によって異なります。
一般的には、軽微な雨漏りであれば数万円程度から、大規模な雨漏りであれば数十万円から数百万円程度かかります。
雨漏りの被害は適切な対応によって最小限に抑えられるため、正しい知識をもとに自分でできる応急処置を行い、状況に応じて専門業者に相談しましょう。