「FRP防水のトップコートって何を選べばいいの?」と、感じている方もいらっしゃるでしょう。市販されている塗料は種類が豊富で、それぞれに特性や適した使用環境があります。
そのため、正しい施工手順を理解しないまま工事を進めてしまうと、防水性が十分に発揮されず、雨漏りや劣化を引き起こす可能性が高まります。
後悔しないためには、塗料の特性を理解したうえで適切なものを選び、施工の流れや注意点についてもしっかり把握しておくことが重要です。
FRP防水のトップコートによる防水工事を行えば、雨漏りや劣化のリスクを抑え、長く安心して暮らせる住まいが手に入るでしょう。
ここでは、FRP防水によるトップコートの種類や塗り替えに適したタイミングを詳しく解説します。また、FRP防水とトップコートの利点や欠点についてもまとめていますので、ぜひご覧ください。
建築確認申請は、私たちの生活空間を形作る建物が安全でありながら、快適かつ法的な基準に適合していることを保証するためのものです。
新しい家を建てる夢・築年数のたったマンションを改修する計画・ビジネスのための商業施設を構築する際には、この手続きが必ず必要になります。
しかし、多くの人にとって建築確認申請は複雑で手間がかかるものと捉えらていますが、しっかり内容を把握しておけばスムーズに進められます。
そこで本記事では、建築確認申請の基本からその目的や必要性や基準など、わかりやすく解説していきます。
多くの方が住むマンションの安全を維持しながら入居者が安心して暮らし続けられるように「よくわからなくて不安だ」という方は、建築確認申請について学んでいきましょう。
建築確認申請とは
建築確認申請は、建築基準法に適合した建物を建築する際に必要な重要な手続きです。
この手続きを通じて、安全性や品質の確保が図られます。
建築確認申請
建築確認申請は、建築基準法に適合した建築物を建設するために、都道府県や市区町村の建築主事に対して提出する申請書類です。
この申請書類には、建築計画概要書や図面などが含まれ、建物が基準法に準拠していることを証明します。
審査と確認済証の発行
申請書類が提出されると、都道府県や市区町村の建築主事が審査を行います。
審査の結果、建築物が基準法に適合していることが確認されれば、確認済証が発行されます。
この確認済証は、工事を始める際に必要不可欠な書類です。
変更や届け出の必要性
建築確認申請が完了したからといって、すべてが終わるわけではありません。
工事内容の変更や工期の延長が必要な場合は、変更届や延長届を提出する必要があります。
建築確認申請は、建物の安全性と品質を確保するために重要であり、その過程での正確な届け出が求められます。
リフォームで建築確認申請をする目的
リフォームで建築確認申請を行う主な目的は、以下のような点が挙げられます。
法令遵守の確保
リフォーム工事によって建物の構造や間取りが変更される場合、地方自治体の建築基準法に則って適切な基準を満たしていることを確認する必要があります。
建築確認申請を行うことで、法令遵守の義務を果たし、安全かつ適切なリフォームを行うことができます。
建築物の安全性の確保
リフォーム工事によって建物の構造が変更される場合、耐震性や耐火性などの安全性が損なわれる可能性があります。
建築確認申請を通じて、建物の安全性を確保するための必要な対策や補強が適切に行われることが期待されます。
保険やローンの利用
建築確認申請が行われたリフォーム工事は、一定の基準を満たしているため、保険やローンの利用がしやすくなります。
金融機関や保険会社は、建築確認申請が行われたリフォームに対して、より信頼性を持って取引を行う傾向があります。
将来の売却や賃貸に対する影響
建築確認申請が行われたリフォーム工事は、将来の売却や賃貸においても査定や評価が高まる可能性があります。
建築確認申請によって、工事内容や建物の状態が正確に記録され、信頼性のある情報として活用されることが期待されます。
マンションのリフォームにおける建築確認申請の対象
マンションのリフォームにおける建築確認申請の必要性は、工事の規模や内容によって変わります。
リフォームの際に建築確認申請が必要かどうかを判断する際には、以下のポイントに留意することが重要です。
リフォームの規模と建築確認申請
大規模なリフォーム
建物の大規模修繕工事に関わるような変更・増築・用途変更などの場合には、建築確認申請が必要です。
主要構造部分の修繕や模様替えも該当します。
小規模なリフォーム
木造2階建て以下の住宅で、増築を伴わない限り建築確認申請は不要です。
屋根の葺き替えや外壁の改修などの軽微なリフォームは、確認申請の対象外となります。
確認申請の対象と例外
対象
大規模なリフォームには必ず確認申請が必要です。
これには、増改築や大規模な構造部分の修繕が含まれます。
特に、準防火地域内での増築や増改築は、面積にかかわらず確認申請が必要です。
例外
木造2階建て以下の住宅や特定の建物において、一部の小規模なリフォームは確認申請の対象外となります。
ただし、これらの例外にも増改築や構造変更が含まれる場合、確認申請が必要です。
リフォーム計画を立てる際には、建築確認申請の有無や手続きについても十分に調査し、適切な対応を行うことが重要です。
建築確認申請の判断基準
建築確認申請は、建築物の計画や構造が法令に適合していることを確認する重要な手続きです。
申請の際には、特定の基準に従って審査が行われます。それらの判断基準について解説します。
建築基準法の適合性
建築確認申請が受理されるためには、建築基準法に則った建物であることが必要です。
これは、耐震性、耐火性、建物の構造など、法律で定められた基準を満たしているかどうかを意味します。
建物の用途と規模
建築確認申請の判断基準には、建物の用途と規模も含まれます。
住宅、商業施設、工場など、それぞれの用途に応じた基準があります。また、建物の規模や階数も、申請の審査に影響を与えます。
安全性と公共性
建築確認申請は、建物の安全性と公共の利益を考慮して審査されます。
建物が周囲の環境や安全基準に適合し、周辺住民や利用者に対するリスクを最小限に抑える必要があります。
環境への配慮
近年では、環境への配慮も建築確認申請の重要な要素となっています。
省エネルギー、再生可能エネルギーの利用、廃棄物の処理など、建物が持続可能な形で環境に配慮しているかどうかが判断されます。
地域の都市計画
地域の都市計画や建築制限区域に応じて、建物の外観や高さなどが規定されています。
建築確認申請では、これらの地域規制に準拠しているかどうかも重要な判断基準です。
FRP防水のトップコートとは?種類や塗り替え時期など徹底解説
FRP防水は、耐久性と強度を兼ね備えた防水方法で、トップコートを施すことでさらに防水性能が向上します。まずは特性を解説します。
トップコートの特性
トップコートは、FRP防水層を紫外線や化学物質、摩耗から守るために使用されます。コートは、紫外線防止剤や柔軟性を保つ成分を含んでおり、防水層の劣化を遅らせ、長期にわたって性能を維持します。また、トップコートには耐摩耗性も備わっているため、歩行や機械的な刺激からも防水層をしっかり保護します。
FRP防水の特性
FRP(繊維強化プラスチック)は、軽量でありながら非常に高い強度を持ち、耐薬品性や耐候性に優れています。接着力が高く、継ぎ目が少ないため、屋上やベランダなどの外部構造でも高い防水効果を発揮します。また、FRPは速乾性があり、作業時間の短縮やコスト削減に役立ちます。
FRP防水の利点
FRP防水には、軽量性、高強度、耐摩耗性、硬化の速さなど、多くの利点があります。それらを詳しく見ていきましょう。
軽量で強力
FRPは、軽量であるため屋根やベランダなどの構造に余計な負担をかけずに済みます。それにもかかわらず、繊維強化プラスチック特有の高い強度を持つため、構造物の耐久性を高めます。
継ぎ目ない仕上がりに
FRP防水は、継ぎ目がほとんどないため、一体感のある仕上がりが実現します。これにより、外部からの水分侵入を効果的に防ぎ、防水性能を高めることができます。
耐摩耗性に優れている
FRPは摩耗や擦り傷に強く、頻繁に歩行する場所や機械的な衝撃が加わる場所でも長期にわたって防水機能を発揮します。したがって、屋上やベランダ、駐車場などの防水工事に適しています。
硬化が速い
FRPの硬化速度が速いため、施工時間を大幅に短縮できます。これにより、施工コストの削減や、短期間での施工が必要な現場でも適用可能です。
FRP防水の欠点
FRP防水は多くの利点を持ちながらも、特有の欠点がいくつかあります。ここでは、その主な欠点を説明します。
紫外線に弱い
FRPは、紫外線に長期間さらされると劣化しやすいです。これにより防水層が弱くなり、ひび割れや劣化を引き起こす可能性があります。そのため、トップコートでしっかりと保護する必要があります。
ベランダやバルコニーなど広い場所に向かない
FRPは熱膨張や収縮が大きいため、広範囲に適用するとひび割れが発生しやすくなります。したがって、広い屋根全体の防水などには不向きで、狭い面積や特定の箇所に向いています。
コストが高い
FRPの材料費は他の防水方法に比べて高く、施工にも技術が必要なため、初期コストが高くなる傾向があります。しかし、長期的な耐久性や耐候性を考慮すれば、そのコストに見合った効果が得られます。
トップコートの種類
トップコートには主に3つの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
トップコートの種類1.ウレタン系のトップコート
ウレタン系のトップコートは、柔軟性と耐候性に優れているため、FRP防水層の保護に適しています。これにより、温度変化や外部からの衝撃を受けても防水性能を維持できるため、特に人の出入りが多い屋上やベランダでよく使われます。耐用年数は約5年で、定期的な再塗装が必要です。
トップコートの種類2.ポリエステル系のトップコート
ポリエステル系トップコートは、FRP防水層と同じポリエステル素材であるため、高い接着力を持ちます。耐摩耗性が高く、摩擦や歩行が多い場所でも長持ちするのが特徴です。しかし、紫外線に弱いため、屋外での使用では定期的なメンテナンスが欠かせません。耐用年数は約5年です。
トップコートの種類3.フッ素系のトップコート
フッ素系のトップコートは、非常に高い耐候性と防汚性を持ちます。紫外線や化学薬品の影響に強く、長期間にわたり防水層をしっかりと保護します。耐用年数は約10年と他の種類よりも長いですが、その分コストが高くなります。長期的に耐久性を求める場合に適しています。
ウレタン系トップコートの劣化で起こる症状|おすすめ塗り替えの時期・目安は?
時間が経ってくると様々な影響がおよび、トップコートが劣化してきます。よくあるトップコートの劣化による兆候は以下になります。
トップコートの劣化による兆候
ウレタン系トップコートの劣化による兆候には、表面に白い粉が吹くチョーキング現象、ひび割れ、剥がれなどがあります。これらの症状は、トップコートが紫外線や化学物質によって劣化していることを示し、防水性能が低下しているサインです。放置すると防水層へのダメージが進行し、雨漏りや大規模な修繕が必要になる可能性があります。
チョーキング現象とは?
チョーキング現象とは、屋上やベランダの防水面に施された塗装やトップコートが劣化して、表面に白っぽい粉が浮き出る現象です。これは、塗膜が長期間の紫外線や風雨の影響で分解され、粉状の粒子として表面に現れる状態を指します。塗装面を指で触ると、白い粉が付着するのが特徴です。
チョーキング現象が起こると、防水層を保護する機能が低下し、防水性が損なわれるリスクが高まります。そのまま放置すると防水層が直接紫外線や雨水にさらされてしまい、ひび割れや剥がれが生じる可能性があります。こうした状況が続くと、雨漏りなどの深刻な被害につながるため、チョーキング現象が確認されたら、早めのトップコート再塗装が重要です。
塗り替えのタイミング
ウレタン系トップコートは、通常5年ごとの塗り替えが推奨されています。しかし、環境や使用状況によっては劣化が早まる場合もあるため、定期的な点検が重要です。劣化の兆候が見られた場合は速やかに塗り替えを行うことで、防水層の寿命を延ばすことができます。
FRP防水のトップコートおすすめの塗り替え時期
FRP防水のトップコートは、一般的に5年〜7年を目安に塗り替えを行うことが推奨されています。これは、トップコートが紫外線や天候の影響を受け、次第に劣化していくためです。使用状況や気候によっては、もう少し早めに塗り替えが必要となることもあります。
FRP防水のトップコートが早期に塗り替えが必要な場合
トップコートが剥がれたり、色褪せやひび割れが見られる場合は、早期に塗り替えを検討するべきです。また、屋上やバルコニーなど、日当たりが強い場所では、劣化が早く進むため、早めの対応が重要です。定期的な点検を行い、トップコートの状態をチェックし、必要に応じて塗り替えを行いましょう。
トップコートの塗り替えは、FRP防水層の寿命を延ばし、建物の保護に役立つため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
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FRP防水トップコート塗り替えの手順
FRP防水トップコートの塗り替えは、防水層を長持ちさせるためにプロの業者に依頼することが重要です。
適切な手順で塗り替えを行えば、FRP防水の性能を最大限に引き出し、建物を長く守れます。ここでは、FRP防水トップコートの塗り替えを業者に依頼する際の手順を紹介します。
手順1: 表面の清掃と準備
まず、業者はFRP防水面の表面を徹底的に清掃します。高圧洗浄機などを使い、既存のトップコートの剥がれた部分や汚れを取り除き、均一な下地を整えます。必要に応じて、ひび割れや損傷部分の補修も行います。
手順2: 下塗り材の塗布
清掃後、トップコートの密着性を高めるためにプライマーやシーラーといった下塗り材を塗布します。薄く均一に塗布し、完全に乾燥させます。下塗り材の選択は、FRP防水面の状況や環境に合わせて行われます。
手順3: トップコートの塗布
下塗りが乾燥したら、ローラーや刷毛を使い、トップコートを均等に塗布します。まず1回目を薄く塗り、乾燥後に2回目を塗布します。これにより、耐久性と防水性を確保します。トップコートの種類は、業者が建物の使用目的や予算に合わせて最適なものを提案します。
手順4: 硬化を確認し検査
塗布作業が終了したら、トップコートが完全に硬化するまで待ちます。乾燥時間は製品により異なるため、業者は製品ごとの指示に従います。硬化後、業者は表面の仕上がりや均一性を最終確認し、不具合があれば追加の処置を行います。
専門の業者に塗り替えを依頼することで、FRP防水トップコートは適切にメンテナンスされ、建物の防水層が長期的に保護されます。業者の提案に従い、最適な塗り替えプランを立てていきましょう。
FRP以外のトップコート塗装の種類
FRP防水のトップコート以外にも、さまざまな種類のトップコート塗装があります。それぞれ異なる素材や特性を持つため、環境や使用目的に適したものを選ぶ必要があります。以下では、FRP以外の代表的なトップコート塗装の種類について解説します。
ウレタン防水用トップコート
ウレタン防水用トップコートは、ウレタン防水工法で使われるトップコートです。柔軟性と伸縮性に優れており、温度変化や構造の動きに対してもしなやかに対応できます。屋上やベランダ、バルコニーなどで使用され、紫外線や摩耗への耐性を持つため、足元の歩行や物理的な摩擦にも強いです。耐用年数はおおよそ5~7年です。
アスファルト防水用トップコート
アスファルト防水のトップコートは、アスファルト防水の仕上げ材として使用されます。アスファルトの防水層を紫外線や熱、湿気から保護し、耐久性を高めます。アスファルト防水層は通常複数の層で構成されているため、トップコートの塗布により全体の防水機能を強化します。定期的なメンテナンスと再塗装で、10年以上の耐用年数を期待できます。
塩ビシート防水用トップコート
塩ビシート防水は、塩化ビニル樹脂をシート状に加工し、防水面に固定する防水工法です。この防水層の保護には、専用の水性トップコートが使用されます。塩ビシートは紫外線に強く、トップコートを塗布することで劣化をさらに遅らせることが可能です。また、汚れを防ぎ、防水層の寿命を延ばします。シートの素材に影響が出ないよう、専門の塗料を使い5年ごとの再塗装が理想的です。
これらのトップコート塗装は、それぞれ異なる特性と利点があるため、環境や防水工法に応じて適切なものを選び、適切なタイミングでメンテナンスすることが重要です。
まとめ
FRP防水のトップコートは、防水層の劣化を遅らせるだけでなく、摩耗や紫外線から守り、長期的な耐久性を確保するうえで重要な役割を果たします。
ウレタン系、ポリエステル系、フッ素系の各トップコートには特性があり、適用する場所や条件に合わせた選択が不可欠です。特にウレタン系トップコートは約5年ごとの塗り替えが必要なため、劣化の兆候を見逃さず定期的な点検を心がけましょう。
多くの人が居住して生活を送るマンションは、さまざまな資材を用いることによって形作られています。
なかでも、マンションの鉄部はさまざまな場所で見受けられ、日常的に使用されています。
鉄部にあたる部分は、駐輪場・玄関の扉や枠・手すり・防火扉・給水管などが挙げられます。
長きにわたって良い状態で鉄部を使用していくためには、鉄部の塗装工事が必要です。
鉄部における塗装工事は頻繁に行うものではありませんが、定期的なメンテナンスを必要とし、適切な処置を行わなければさまざまなリスクに見舞われます。
そこで今回は、マンションの鉄部塗装工事における適切な周期をはじめ、工事の必要性や工事の流れなどの詳細についてご説明いたします。
鉄部とは?なぜ鉄部塗装工事が必要なの?
マンションにおける鉄部と聞いて、どのような箇所を思い浮かべますか。
基礎に使用されている鉄筋は鉄で作られていますが、鉄部には含まれません。
鉄部と言われる箇所は、下記のものが挙げられます。
- エレベーターに使用されている扉や枠
- 鉄や鋼で作られていた外階段
- 玄関に使用されている扉や枠
- 非常階段の扉
- 鉄製の駐輪場や駐車場
- 鉄や鋼製の手すり
- 防火扉
- 電気・水道・ガスなどの設備を収納したメーターボックス
- 消火栓設備を収納した消火栓ボックス
- 各家庭に飲料水を供給する役割を持つ給水管
- 屋上や屋根に設置された避雷針
名称のとおり、鉄部は鉄または鋼で作られているものを指します。
ほとんどのものが室内ではなく屋外に設置されており、風や雨などの影響を受けやすい点が特徴です。
マンションの新築当初は、鉄部に塗装が施されているため、見た目や機能において問題がありません。
しかし、風や雨などの影響を長年にわたって受け続けると鉄や鋼は色あせ・汚れ・塗膜の浮きや剥がれ・ひび割れなどを引き起こします。
さらに劣化した部分に雨水が浸入すると、さびで劣化します。
鉄部のさびは機能や耐久性に問題が生じるさせるだけでなく、美観にも影響するでしょう。
機能性や美観が損なわれてしまうとマンションの資産価値は下がり、入居を希望される方が減る原因になる可能性があります。
そのため、マンションを良い状態で保ち続けるためには、鉄部の塗装を定期的に行うことが大切です。
鉄部の劣化を放置するリスク
マンションにおいて、外階段の色あせや玄関扉の塗膜浮きなどが起こっていませんか。
そのような症状が見られる場合は、塗装工事を検討しましょう。
もし鉄部の劣化を放置してしまうと、下記のようなリスクが想定されます。
さびによる機能性の低下
「鉄製の扉がさびによって開きにくくなった」「開閉するたびに扉から異音がする」という経験はありませんか。
鉄部は雨や空気によってさび発生し、機能性を低下させます。
火事の際に消火栓ボックスがなかなか開かないという事態が引き起こしてしまうと、居住者の生命にも関わる可能性も考えられるでしょう。
各箇所における機能をしっかりと果たすためには、定期的な塗装工事が必要です。
美観が損なわれる
新築当初は鉄部への塗装工事が行われているため、見た目がきれいです。
しかし、時がたつほどに劣化は進みます。
定期的な塗装工事を行わない場合、色あせが進んで見た目が悪くなるでしょう。
手入れされていない建物は居住者や居住希望者へ悪い印象を与えてしまい、資産価値が下がる原因です。
多くの方に居心地の良さで選ばれる快適な場所を維持するには、定期的な塗装工事が欠かせません。
鉄部の耐久性が損なわれる
色あせや塗膜浮きを放置していると、鉄部の耐久性は損なわれてしまいます。
鉄部は風や雨の影響を受けやすく、サビが発生した部分は対応しなければ、より範囲を広げ内部まで進行します。
振動や接触によってボロボロと鉄部の一部がとれたりする状態になると、鉄部は安全な状態とはいえません。
見た目だけではなく、耐久性の問題で居住者へ不安を与えてしまうでしょう。
また、鉄部の取り換えや補修には、多くの時間や費用が掛かります。
コストを抑えながら安全に使用し続けられる環境を整備するためには、鉄部のメンテナンスが重要です。
鉄部が劣化する症状
マンションの鉄部が劣化する症状として、どのようなものが見られるかご存じでしょうか。
塗装工事を検討する際には、建物の劣化状況を踏まえておくことが必要です。
劣化の症状は、段階的に起こります。
以下のような劣化の症状がみられる場合は、注意しましょう。
艶がなくなる・色があせる
鉄部が劣化することによってまず艶がなくなり、色あせが生じます。
劣化によって塗膜表面に目に見えないほどの凹凸が生じ、光の反射が均一にならないことが原因です。
艶落ちや色あせなどの症状が現れる目安としては、前回の塗装工事から約3年と言われています。
チョーキング現象の発生
鉄部に触れてみて手に塗料の色がついた場合、チョーキングが起こっています。
チョーキング現象とは塗料に含まれる樹脂が太陽の光・熱・雨水によって劣化し、塗料のなかにある顔料が表面に出てしまう症状です。
症状が現れる目安としては、前回の塗装工事から約3〜5年といわれています。
ひび割れ・剥がれ
鉄部の劣化が進むと、ひび割れや剥がれが生じます。
ひび割れや剥がれは耐久性を損ねてしまうため、注意が必要です。
前回の塗装工事より、7年前後が症状の現れる目安とされています。
鉄部塗装工事の周期目安
マンションの鉄部を良い状態で保つには、鉄部の塗装工事が欠かせません。
しかし、どのような周期で行うのかについて、悩まれる方も多くいらっしゃいます。
一般的な周期の目安としては、前回の工事から約3〜6年が目安です。
前回の工事から年数が経って劣化の症状が見られる場合は、鉄部の塗装工事について検討してみましょう。
また、前回の工事から年数が経過していなくても、著しい劣化の症状が見られる場合は、施工を行う会社への相談が賢明です。
日々における劣化の状況を見極めるためには、定期的な点検を怠らないように行いましょう。
定期的な点検を行うことで劣化の状況をいち早く把握し、早急に対応できます。
鉄部塗装工事の流れ
マンション鉄部の塗装工事は、どのような流れで行われるのでしょうか。
施工を依頼する前に、進め方について知っておくことが大切です。
鉄部における塗装工事は、下記のような流れで行われます。
- STEP
ケレン
サンドペーパーや専用の電気工具を使い、鉄部に付着している古い塗膜やさびを落とす作業がケレンです。
ケレンによる下処理を行った後は、鉄部の表面を傷つける目粗しをして塗料を密着させやすい状態をつくります。
- STEP
養生
塗装箇所以外は塗装の必要がないため、周囲を養生します。
マスキングテープやビニールテープを使い、塗料の飛散や塗り間違いを防ぎます。
- STEP
下塗り
下塗りでは、さび止めの塗料を塗ります。
油性タイプ・エポキシ樹脂タイプ・ウレタン樹脂タイプなどの種類があり、さびの状況に応じたものを使用します。
- STEP
中塗り・上塗り
下塗りが乾燥したら、中塗りと上塗りです。
中塗りは下塗りしたさび止め塗料を保護する効果があり、重要な工程です。
乾燥した中塗りの上に上塗りを行い、乾燥したら完了です。
住民が気をつけるポイントとは
鉄部の塗装工事は、居住者から了承や協力を得なければ、進めていくことが難かしい場合もあります。
居住者の理解を得るためには、下記のポイントを押さえておきましょう。
十分な換気
鉄部における塗装工事では、さまざまな塗料を使用します。
塗料にはにおいがあり、換気が必要です。
玄関の扉を塗装する際は、室内の換気をしっかりと行いましょう。
また、外階段や消火栓ボックスなどの共有部分で塗装が行われる際は、工事の時間帯や施行場所について把握しておくことが重要です。
塗ったばかりの部分に触らない
塗料を塗ったばかりの部分は、塗料が乾いておらず取れやすいです。
手についてしまうと、なかなか取れない場合がありえます。
また、歩いている際にバッグや服についてしまうことも考えられるため、できるだけ触れないように注意を促しましょう。
車両における養生を依頼する
駐輪場や駐車場での塗装工事は、養生を行わないと自転車・バイク・自動車などを汚してしまいます。
塗料は取れにくいため、大切な車両を守るためにも養生が必要です。
養生には養生シートやビニールなどが使われており、取り外すには時間がかかります。
そのため、外出時には養生を外す時間も含め、余裕を持った行動が必要です。
在宅待機
玄関の扉を塗装する場合、在宅待機が必要なことがあります。
その際は、事前に在宅についてのアンケートが取られることがほとんどです。
指定した時間に作業員が訪問しますので、塗装作業が終わるまでは家で待機しましょう。
もし指定の時間帯で外出してしまうと、工事のスケジュールにズレが生じてしまい、スムーズに施工できない場合があります。
また玄関扉の塗装では、周辺の私物が汚れないように移動が必要になることも考慮しましょう。
まとめ
- マンションの鉄部は、外部階段・扉・手すりなどに使われ、風雨などの影響を受けやすい。
- 劣化すると見た目や機能に問題が生じ、さびによる機能低下や美観の損傷、耐久性の低下が起こる可能性がある。
- 鉄部の劣化の症状には、艶落ち・色あせ・チョーキング現象・ひび割れや剥がれなどがあり、定期的な点検が必要である。
- 一般的な塗装工事の周期は前回の工事から約3〜6年であり、劣化の症状や建物の状況に応じて検討されるべきである。
- 塗装工事の流れは古い塗膜やさびを落とすケレン・塗装箇所以外を保護する養生・下塗り・中塗り・上塗りの順で行われる。
- 塗装工事の施行中は、換気・塗料の触れ方・車両の養生・施行中の在宅待機など、住民へのお願いと協力を呼びかけ、工事の円滑な進行と安全を確保する必要がある。
マンションでの生活において、鉄部は日常の生活に欠かせない部位であり、機能性を保つことが大切です。
定期的なメンテナンスをしっかり行い、安全で快適な環境を整備しましょう。