一軒屋はいくらで建つの?平均価格・建築費の内訳や費用を抑える方法を解説

一軒家とは

一軒家とは、1つの建物が独立して建てられた住宅を指し、隣接する住宅と壁を共有しないのが特徴です。
マンションやアパートとは異なり、専有の土地を持ち、自由に設計やリフォームができるという利点があります。一般的には庭や駐車スペースを備えた戸建て住宅を指しますが、都市部では狭小地に建てられた3階建ての一軒家も増えています。
注文住宅・建売住宅・ローコスト住宅など、さまざまな種類があり、予算やライフスタイルに応じて選択できます。

住宅の種類｜注文住宅・建売住宅・ローコスト住宅の特徴

ここでは主な住宅の種類について解説します。それぞれの特徴やメリットについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

注文住宅（木造）

注文住宅（木造）は、施主の希望に合わせて設計・施工される自由度の高い住宅で、日本で最も一般的な建築スタイルです。木材を使用することでコストを抑えつつ、断熱性や調湿性に優れた住環境を実現できます。工務店やハウスメーカーによって設計の自由度や価格が異なりにで注意が必要です。

また、鉄骨造やRC造に比べると耐火性や耐久性がやや劣るため、定期的なメンテナンスが必要になります。

注文住宅（鉄骨造・RC造）

鉄骨造やRC（鉄筋コンクリート）造の注文住宅は、耐震性・耐火性・耐久性に優れた住宅で、高層建築や都市部の住宅にも適しています。鉄骨造は柱や梁に鋼材を使用し、開放的な空間設計が可能です。
RC造はコンクリートで建築され、耐震・遮音性に優れますが、木造よりも建築費用が高く、メンテナンス費用もかかりますが、長期的に見れば資産価値が高い住宅といえます。

建売住宅

建売住宅は、すでに設計・施工された住宅を土地付きで販売する住宅のことです。すぐに入居できる点がメリットで、注文住宅に比べて価格が抑えられるのが特徴です。設計の自由度は低いものの、ローン審査が通りやすく、購入手続きがスムーズなのも魅力です。
ただし、同じ間取りの住宅が並ぶことが多く、デザインや構造にこだわりたい人には不向きな場合もあります。

ローコスト住宅

ローコスト住宅は、必要最低限の機能や設備に抑えることで、建築費を抑えた住宅です。規格化された間取りや、コストを抑えた建材・設備を使用することで、2,000万円以下で建築できるケースもあります。主に若年層や予算を抑えたい家庭向けに提供され、短期間での施工が可能です。
ただし、断熱性や耐久性が劣る場合があり、将来的なメンテナンスコストがかかることもあるため、品質と価格のバランスを考慮することが重要です。

一軒家はいくらで建つ？平均価格と費用相場

一軒家を建てる際にかかる費用は、地域や建築プラン、土地の条件によって大きく異なります。
ここでは、日本全国の平均的な建築費用や、地域ごとの価格相場について詳しく解説します。

全国的な一軒家の平均価格

国土交通省が発表する「住宅市場動向調査」や、住宅金融支援機構のデータによると、一軒家（注文住宅）の建築費用の全国平均は約3,500万円～4,500万円程度とされています。これは、建物本体の工事費用だけでなく、土地代や諸費用を含んだ総額です。

住宅の種類別の建築費用相場（全国平均）

※ 上記の価格は目安であり、仕様や地域によって変動します。

地域ごとの価格相場

一軒家の建築費用は、土地の価格や建築コストの違いによって地域ごとに大きく変動します。

都道府県別の建築費用の傾向

都心部では建築費用が高くなる傾向があり、特にRC造（鉄筋コンクリート造）や鉄骨造の住宅は建築コストが上がりやすいです。一方で、地方では木造住宅が多く、全体のコストを抑えやすい傾向にあります。

一軒家を建てる際の総額は、全国平均で約3,500万円～4,500万円程度ですが、地域や仕様によって大きく変動します。特に都市部では土地代が高額になるため、土地と建物のバランスを考えた資金計画が必要です。

一軒家の建築費用の内訳

一軒家の建築費用は、大きく以下の4つに分けられます。

• 本体工事費
• 付帯工事費
• 土地代
• 諸費用

建築費用の内訳について詳しく解説します。

本体工事費（70～80%）

建築費用の大部分を占めるのが、本体工事費です。これは、家の構造やデザイン、使用する素材によって変動します。

一般的に、坪単価は約50～80万円程度が相場ですが、ハウスメーカーや工務店の仕様によって変わります。

付帯工事費（10～15%）

本体工事以外に発生する費用で、以下のようなものが含まれます。

特に地盤改良費は、地盤の状態によって約50万円～200万円程度かかることがあります。

土地代（エリアによる）

注文住宅を建てる場合、土地代が別途発生します。都市部では土地の価格が建築費以上に高額になることが多く、東京都23区では平均4,000万円～6,000万円というケースもあります。

土地の選び方によっては、建築費よりも土地代が大きな負担になるため、エリアごとの価格相場を考慮することが重要です。

諸費用（5～10%）

住宅ローンの手続き費用や、登記関連の費用も発生します。

これらは見落としがちですが、合計すると約100万円以上になることもあるため、事前に計画しておくことが重要です。

一軒家の建築費用には本体工事費以外にも付帯工事費や諸費用が発生するため、予算を考える際は全体のコストを把握することが重要です。

坪単価から考える一軒家の建築費用の目安

一軒家の建築費用は、坪単価 × 延床面積（坪数） で計算するのが一般的です。坪単価は、使用する建材や設備、工法によって異なりますが、一般的には50万円～100万円/坪程度が相場となります。

ここでは、坪単価ごとの建築費用の目安や、具体的なシミュレーションを紹介します。

坪単価とは？

坪単価とは、1坪（約3.3㎡）あたりの建築費用のことを指します。住宅の規模や仕様、設備のグレードによって大きく変動し、以下のような価格帯があります。

坪単価別の建築費用シミュレーション

建築する家の広さ（延床面積） に坪単価を掛けることで、目安の建築費用が算出できます。一般的な住宅の広さは以下のようになります。

• 30坪（約99㎡） → 小規模な2LDK～3LDKの一軒家
• 35坪（約115㎡） → 標準的な3LDK～4LDKの一軒家
• 40坪（約132㎡） → ゆとりのある4LDK以上の一軒家

建築費用の目安（延床面積 × 坪単価）

このように、坪単価が20万円違うだけで、最終的な建築費用に数百万円の差が出るため、予算に合わせた坪単価の選択が重要になります。

坪単価に含まれる費用と含まれない費用

坪単価には、建物本体の工事費 が含まれていますが、以下のような費用は別途発生する場合があります。

坪単価に含まれるもの

• 本体工事費（基礎・構造・屋根・内装・外装など）
• 設備工事費（キッチン・トイレ・浴室・給湯設備など）
• 電気・給排水工事（コンセント・照明・配管など）

坪単価に含まれないもの（別途費用）

• 土地購入費
• 地盤改良費
• 外構工事費（フェンス・駐車場・庭など）
• 諸費用（住宅ローン手数料・登記費用など）

そのため、坪単価で計算した建築費用に加えて、土地代や外構工事費、諸費用を含めた総予算を考えることが重要です。

坪単価を抑えるコツ

建築費用を抑えつつ、快適な一軒家を建てるためには、以下のポイントを意識するのがおすすめです。

1. シンプルな間取りにする
   　→ 凝ったデザインや複雑な間取りは施工費が高くなるため、四角い総2階建てがコストを抑えやすい。
2. ローコスト住宅を検討する
   　→ ハウスメーカーや工務店の規格住宅を利用すると、坪単価50万円前後で建築できるケースもある。
3. オプションを厳選する
   　→ 標準仕様で満足できる部分はそのまま活用し、後から追加可能なオプションは必要最小限に。
4. 施工会社を比較する
   　→ ハウスメーカー・工務店・設計事務所によって坪単価が異なるため、複数社の見積もりを取ることが大切。

坪単価を基準に一軒家の建築費用を計算すると、建物の広さに応じた目安がわかりやすくなります。一般的には坪単価50万円～100万円の範囲で、30坪なら1,500万円～3,000万円程度が建築費の目安となります。
ただし、坪単価には含まれない費用もあるため、土地代や外構工事、諸費用も考慮したトータルの資金計画を立てることが重要です。

一軒家を安く建てる方法｜コストダウンのポイント

一軒家を建てる際、建築費用をできるだけ抑えながらも、快適で満足できる家を建てることが理想です。建築費は、設計や間取り、設備の選び方によって大きく変動します。

ここでは、費用を抑えるための具体的な方法とコストダウンのポイントを解説します。

シンプルな間取りにする

建築コストを抑える最も効果的な方法の一つは、無駄のないシンプルな間取りを採用することです。複雑な形状の家や吹き抜けを多用すると、施工費が高くなるため、次のような間取りを意識するとコスト削減につながります。

コストダウンできる間取りのポイント

• 総2階建てを選ぶ：1階と2階の形状を同じにすると、基礎や屋根のコストが抑えられる。
• 部屋数を最適化する：必要最低限の部屋数にすることで、施工面積を減らせる。
• 廊下を減らす：廊下を少なくすると、使用する壁や床材が減り、建築コストが下がる。
• 水回りをまとめる：キッチン・浴室・トイレを近くに配置すると、給排水工事費が抑えられる。

ローコスト住宅を検討する

ローコスト住宅とは、規格化されたプランを活用し、建築コストを抑えた住宅です。大手ハウスメーカーや地元の工務店が提供していることが多く、建築費を1,500万円～2,500万円程度に抑えられるケースもあります。

ローコスト住宅の特徴

• 規格プランを活用することで、設計費用を削減
• 大量仕入れされた建材・設備を使用し、コストダウン
• 施工期間が短く、人件費が抑えられる

ただし、キッチンなどの水回りや建具など標準仕様のグレードが低い場合があるため、追加オプションに注意が必要です。

外装・内装の仕様を見直す

使用する建材や設備の選び方によって、建築コストは大きく変わります。グレードの高い建材やデザイン性の高い仕様を選ぶと、費用が増加するため、コストパフォーマンスの良い素材を選ぶことが重要です。

コストダウンできるポイント

「こだわる部分」と「コストを抑える部分」を明確に分けることで、無駄な出費を防げます。

建築会社・工務店を比較する

同じ仕様・間取りでも、依頼する建築会社によって費用が大きく異なることがあります。そのため、複数の工務店やハウスメーカーから見積もりを取り、比較することが重要です。

費用を抑えるための比較ポイント

• 地元の工務店も検討する：大手ハウスメーカーよりもコストを抑えられることが多い。
• 過去の施工実績を確認する：安すぎる業者は手抜き工事のリスクがあるため注意。
• 一括見積もりサービスを活用する：複数の業者から見積もりを取ることで、最適な価格帯がわかる。

「安いから」という理由だけで選ぶのではなく、品質・価格・施工実績を総合的に判断することが大切です。

補助金や減税制度を活用する

新築住宅には、国や自治体からの補助金制度や減税措置が利用できる場合があります。これらを上手に活用することで、実質的な建築費用を抑えることが可能です。

活用できる補助金・減税制度

地域によっては、独自の補助金制度があるため、自治体の窓口で事前に確認するのがおすすめです。

施工時期を調整する

建築業界には、繁忙期と閑散期があり、閑散期（1月～3月）に着工すると工事費が安くなることがあります。また、資材価格の高騰が予想される時期を避けることで、コストを抑えることが可能です。

コストを抑える施工時期のポイント

• 繁忙期（4月～6月、9月～12月）を避ける
• 資材価格の動向をチェックし、適切なタイミングで契約する
• 長期的な視点で、価格が落ち着くまで待つのも選択肢

一軒家を安く建てるためには、間取りや建材の選定、施工会社の比較、補助金の活用など、さまざまな工夫が必要です。シンプルな間取りにする、ローコスト住宅を検討する、外装や内装の仕様を見直すことで、数百万円単位でコストカットが可能になります。建築前にしっかりと比較・検討し、最適な方法で予算を抑えながら理想の家を建てましょう。

住宅ローンと自己資金｜一軒家購入時の資金計画の立て方

一軒家を購入する際、多くの人が住宅ローンを利用しますが、自己資金（頭金）の準備や借入可能額の見極めが重要です。適切な資金計画を立てることで、無理のない返済計画を組み、安心して住宅を購入できます。

住宅ローンの種類

住宅ローンには、大きく分けて民間ローンと公的ローンの2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選びましょう。

① 民間ローン（銀行や信用金庫のローン）

② 公的ローン

頭金（自己資金）の目安

頭金とは、住宅購入時に自己資金で支払う金額のことです。一般的に、住宅価格の20％程度が理想とされています。

頭金を多く入れるメリット

• 住宅ローンの借入額が減り、総返済額が少なくなる。
• 低金利のローンを組みやすくなる。
• 住宅ローン審査に通りやすくなる。

頭金を少なくするメリット

• 早めに住宅を購入できる。
• 手元資金を残せるため、万が一の出費に備えられる。

頭金なしでもローンを組める場合もあるため、ライフプランに合わせて判断することが大切です。

借入可能額の決め方

住宅ローンは、無理のない返済計画を立てることが重要です。一般的に、年収の5～7倍が借入可能額の目安とされていますが、月々の支払額から逆算する方法もあります。

住宅ローンの適正借入額の計算方法

例えば、年収500万円の人が住宅ローンを組む場合、

• 借入可能額の目安：500万円 × 6倍 ＝ 3,000万円
• 月々の返済額の目安（金利1.5％、35年ローン）：約9万円

ただし、将来的な収入の変動やライフイベントを考慮し、余裕をもった資金計画を立てることが大切です。

一軒家はいくらで建つ?一軒家の建築費を知って賢く家を建てよう！まとめ

この記事では、一軒家はいくらで建つのか？という疑問について解説しました。

一軒家を建てる際の費用は、全国平均で約3,500万円～4,500万円が目安ですが、土地の価格や建物の仕様によって大きく変わります。建築費は、本体工事費・付帯工事費・諸費用などで構成され、坪単価50万円～100万円が一般的な相場です。

また、コストを抑えるには、シンプルな間取りを採用する・標準仕様を活用する・複数の業者を比較することが有効です。こどもエコすまい支援事業やZEH補助金などの補助制度を活用すれば、さらに補助が受けられる可能性があります。適切な資金計画を立て、ローンの借入額や月々の返済額を慎重に計算することも重要です。

補助金・減税制度・ローンの仕組みを理解し、無理のない計画で理想のマイホームを実現しましょう。