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屋上防水工事の目的とは?防水工事の種類・費用相場や施工方法など基礎知識を解説!屋上防水業者を選ぶポイントも紹介

建物のメンテナンスを考える上で避けて通れないのが「屋上の防水工事」です。屋上の防水は建物を雨水や湿気から守り、構造体の寿命を延ばすために欠かせません。屋上防水工事の種類や屋上防水工事の相場、屋上防水工事の値段など、知っておくべき基本知識から工法選びまで徹底解説します。

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屋上防水工事の基礎知識|目的と重要性について

屋上の防水工事は、建物の最上部である屋上から雨水や湿気が侵入するのを防ぐための重要な施工です。マンションやアパートの屋上防水工事においても同様で、防水層は建物の「傘」のような役割を果たし、下部構造を水害から守ります。屋上のコーティングによって形成されるこの防水層が建物全体を保護するのです。

屋上は建物の中でも最も過酷な環境にさらされる場所です。四季を通じて直射日光や風雨、温度変化などの影響を直接受けるため、他の部位と比較して劣化が早く進みます。適切な防水対策を施さないと、以下のような深刻な問題が発生するリスクがあります。

  • 構造体の腐食: 鉄筋コンクリートの鉄筋が錆び、強度が低下
  • 内部結露: 壁内部での結露によるカビや腐敗の発生
  • 断熱性能の低下: 断熱材が湿気を含むことによる断熱効果の減少
  • 漏電リスク: 天井内の配線への水漏れによる漏電や火災危険
  • 室内環境の悪化: カビやダニの繁殖による健康被害

屋上防水工事は単なる雨漏り対策ではなく、建物全体の安全性、耐久性、快適性を維持するための基本的であり重要なメンテナンスなのです。

防水工事のタイミングと予防メンテナンス

防水層の寿命は一般的に10〜20年程度と言われていますが、使用している防水材の種類や施工品質、建物の立地環境などによって大きく変わります。屋上防水工事の修繕費を抑えるためにも、定期的な点検を行い、小さな劣化サインを見逃さないことが大規模な修繕を防ぐ鍵となります。

予防的なメンテナンスとして、5年ごとの目視点検と、必要に応じた屋上コーティングやトップコートの塗り直しを行うことで、防水層の寿命を延ばすことが可能です。屋上の防水を定期的にメンテナンスすることは、将来的な屋上防水工事の費用削減にもつながる重要な取り組みです。特に屋上防水工事(ウレタン)の場合は、トップコートの定期的な塗り替えが効果的です。

屋上防水工事の劣化サインとは?

屋上防水工事の劣化は、見た目のわずかな変化から始まることが多く、早期発見が長寿命化の鍵となります。ここでは代表的な劣化サインをご紹介します。

外部から確認できる劣化サイン

屋上の防水層に現れる劣化の兆候には、以下のようなものがあります。

  • ひび割れ(クラック): 小さなひび割れから雨水が侵入する可能性があります
  • 膨れ(ブリスター): 防水層内に水分や空気が入り込み、膨らんでいる状態
  • 剥がれ(フクレ): 防水層が下地から剥離している状態
  • チョーキング現象: 防水材が粉状になって表面に浮き出る現象
  • 表面の変色: 防水材の老化によって色が変わる現象
  • 水たまり(滞水): 排水不良により屋上に水たまりができる状態

それぞれ詳しくみていきましょう。

ひび割れ(クラック)

防水層に細かいひび割れが発生する現象です。経年劣化や紫外線・温度変化などの外的要因により、柔軟性を失った防水層がひび割れを起こします。このクラックから雨水が浸入すると、下地や構造体の腐食につながる恐れがあります。特に鉄筋コンクリート造の場合、内部の鉄筋が錆びて耐久性が低下するリスクがあるため、小さなひびでも早期発見と補修が重要です。

膨れ(ブリスター)

防水層の一部が盛り上がっている状態で、内部に空気や水分が閉じ込められていることが原因です。施工中に水分が残っていたり、下地の処理が不十分な場合に発生しやすく、内部での蒸発や膨張により防水層が浮き上がります。放置すると膨れが破れて雨水の浸入口になり、さらなる劣化を招くため、適切な補修が必要です。

剥がれ(フクレ)

防水層が下地から浮いて剥がれてしまう現象です。接着不良や経年劣化、下地の湿気・水分の影響が主な原因です。剥がれが進行すると、防水層が本来の役割を果たせなくなり、雨水の浸入リスクが高まります。また、部分的なフクレが広がって全体に及ぶ可能性もあるため、早期に専門業者による点検と補修を行うことが重要です。

チョーキング現象

防水材が劣化し、表面が粉を吹いたような状態になる現象です。紫外線や風雨の影響により、塗膜の樹脂が分解されて顔料が浮き出てきます。チョーキング自体は直ちに雨漏りにつながるわけではありませんが、防水層の劣化が進行しているサインであり、トップコートの再塗装や全面改修の検討時期といえます。

表面の変色

防水層の表面が色あせたり、シミのような模様が現れることがあります。これは、紫外線や酸性雨、気温変化などの外的要因により、防水材が劣化・酸化している証拠です。変色は美観の問題だけでなく、防水性能の低下を示すサインでもあり、放置すればひび割れや剥がれに発展する恐れがあります。

水たまり(滞水)

屋上に常に水が溜まっている状態は、排水設備の不備や勾配不良、ゴミ詰まりなどが原因です。防水層が長時間水に浸されることで、加速度的に劣化が進行し、雨水の浸入を許してしまうリスクが高まります。また、凍結・膨張による損傷の可能性もあるため、排水口の清掃や勾配修正など、早急な対応が必要です。

これらの現象が見られた場合、防水性能が低下している可能性が高いため、専門家による詳細な点検を検討すべきです。

内部に現れる劣化サイン

建物内部にも防水層の劣化を示すサインが現れます。

  • 天井のシミ: 茶色や黄色のシミは雨水の侵入を示しています
  • 壁紙の膨れや剥がれ: 壁内部への水分侵入のサイン
  • 異臭: カビや腐敗による異臭
  • 結露の増加: 断熱性能の低下による結露の発生
  • 内壁の亀裂: 躯体の動きによる亀裂(水の侵入が原因の場合も)

それぞれ詳しくみていきましょう。

天井のシミ

天井に茶色や黄色のシミができている場合、雨水が防水層を通り抜け、室内へ浸入している可能性が高いです。特にシミの範囲が広がっていたり、再発を繰り返している場合は、屋上防水の機能が著しく低下していると考えられます。漏水が進行すると、天井材の腐食や落下のリスクもあるため、早急な点検と修繕が必要です。

壁紙の膨れや剥がれ

室内のクロス(壁紙)が浮いたり剥がれたりする現象は、壁内部に水分が浸入しているサインです。湿気が壁材に染み込み、糊の接着力が低下することで発生します。見た目の問題だけでなく、内部でカビや腐敗が進行しているケースも多く、早めの対処が求められます。発見した際は、防水層の状態確認も行いましょう。

異臭

カビや腐敗による異臭は、建物内部の湿気や水分の滞留が原因です。特に天井裏や壁内部など目視で確認できない場所に湿気がこもると、胞子や雑菌が繁殖し、空気環境が著しく悪化します。長期間放置すれば、住人の健康被害につながることもあります。異臭を感じた場合は、防水層の劣化を疑い、点検を依頼しましょう。

結露の増加

冬場に窓や壁に結露が頻繁に発生する場合、防水層の劣化によって断熱材が湿気を吸収し、断熱性能が落ちている可能性があります。これにより室内外の温度差が大きくなり、空気中の水蒸気が冷えた表面に凝縮して結露になります。結露が増えるとカビやダニの原因にもなり、住環境が悪化するため注意が必要です。

内壁の亀裂

内壁に細かな亀裂が入る場合、建物の構造的な動きのほかに、防水不良による水分浸入が影響しているケースもあります。水が壁内部に浸入すると、躯体が膨張・収縮を繰り返し、そのストレスによって亀裂が発生するのです。放置すれば、さらに広がり、構造体への影響や雨漏り悪化の可能性があるため、早期対応が求められます。

内部に劣化サインが現れた時点では、すでに防水層の機能が著しく低下している可能性が高いため、早急な対応が必要です。

屋上防水工事の種類と特徴

屋上防水工事の種類は多岐にわたります。防水屋上の種類によって最適な工法は異なり、建物の構造や用途、予算などに応じて適切な選択が必要です。主な屋上の防水工事の種類や特徴と耐用年数などを以下の表にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

各工法の比較表

以下の表で各工法の特徴を比較してみましょう。

工法平均費用(1m²あたり)耐用年数重量施工期間特徴
ウレタン防水4,000〜7,000円約10〜12年軽量中程度複雑な形状に対応、継ぎ目なし
シート防水3,500〜6,500円約10〜15年軽量短い均一品質、早期施工可能
アスファルト防水6,000〜10,000円約15〜25年重い長い高耐久、高防水性、実績が多い
FRP防水5,000〜8,000円約8〜10年中程度短い高強度、歩行可能

屋上防水の種類の特徴やメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。

屋上防水の種類|ウレタン防水

屋上ウレタン防水工事は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。複雑な形状にも対応できる柔軟性が特徴で、改修工事に適しています。屋上防水工事(ウレタン)は国内でも広く採用されている一般的な工法です。

特徴:

  • 工法の種類: 塗膜防水
  • 耐用年数: 約10〜12年
  • 平均費用(1㎡あたり): 4,000〜7,000円(屋上防水工事の単価としては比較的リーズナブル)
  • 厚さ: 2〜3mm

メリット:

  • 継ぎ目がなく一体化した防水層を形成できる
  • 複雑な形状や細部の施工に適している
  • 既存防水層の上からの重ね塗りも可能
  • 比較的軽量で建物への負担が少ない
  • 低臭・低音で環境への影響が少ない

デメリット:

  • 塗布の厚みにムラが出やすい
  • 職人の技術によって品質差が出やすい
  • 紫外線による劣化が比較的早い
  • 耐久性がアスファルト防水より劣る

適している建物: 戸建て住宅、マンションのバルコニー、複雑な形状の屋上、軽量化が必要な建物

屋上防水の種類|シート防水(塩ビ・ゴム系)

工場で製造された防水シートを現場で貼り付ける工法です。均一な品質と施工の早さが特徴です。

特徴:

  • 工法の種類: シート防水
  • 耐用年数: 約10〜15年
  • 平均費用(1㎡あたり): 3,500〜6,500円
  • 厚さ: 1.5〜2mm

メリット:

  • 工場製品のため品質が安定している
  • 施工期間が比較的短い
  • 低臭で環境負荷が小さい
  • 均一な厚みが確保できる

デメリット:

  • シート同士の接合部が弱点になりやすい
  • 複雑な形状への対応が難しい
  • 下地の凹凸や清掃不足で密着不良が起きやすい
  • 穴あきやカットに弱い

適している建物: 大型商業施設、工場、平坦な広い屋上を持つ建物

屋上防水の種類|アスファルト防水

アスファルトを熱で溶かして防水層を形成する伝統的な工法で、高い耐久性が特徴です。

特徴:

  • 工法の種類: 防水層形成
  • 耐用年数: 約15〜25年
  • 平均費用(1㎡あたり): 6,000〜10,000円
  • 厚さ: 10mm程度

メリット:

  • 非常に高い耐久性と防水性
  • 複数の層による高い安全性
  • 熟練工による確かな技術
  • 自己修復性がある程度ある

デメリット:

  • 施工時に煙や臭いが発生する
  • 施工期間が長い
  • 重量があるため建物への負担が大きい
  • 施工費用が高い

適している建物: 大規模公共施設、オフィスビル、長期使用を前提とした建物

屋上防水の種類|FRP防水

ガラス繊維と樹脂を組み合わせた硬質の防水層を形成する工法です。高い強度が特徴です。

特徴:

  • 工法の種類: 塗膜防水
  • 耐用年数: 約8〜10年
  • 平均費用(1㎡あたり): 5,000〜8,000円
  • 厚さ: 2〜4mm

メリット:

  • 硬化後の強度が高い
  • 施工期間が短い
  • 階段状の複雑な形状にも対応可能
  • 軽量で建物への負担が少ない

デメリット:

  • 伸縮性に乏しくひび割れしやすい
  • 紫外線による劣化が比較的早い
  • 下地との接着性が弱い場合がある
  • 大面積での施工には向かない

適している建物: ベランダ、バルコニー、小規模な屋上、歩行利用が多い屋上

屋上防水工事の施工手順と期間の目安

防水工事は一般的に以下のような流れで進行します。工事の規模や工法によって期間は変動しますが、参考の目安をご紹介します。

屋上防水の一般的な防水工事の流れ

  1. STEP

    現地調査・劣化診断(1〜2日)

    • 現状の防水層の状態確認
    • 下地のひび割れや劣化状況の確認
    • 排水状況の確認
    • 必要に応じた水漏れ検査の実施
  2. STEP

    工法選定・見積もり提出(3〜7日)

    • 調査結果に基づく最適な工法の提案
    • 詳細な見積書の作成と提出
    • 工事内容と期間の説明
    • 契約締結
  3. STEP

    既存防水層の撤去(1〜3日)

    • 劣化した既存防水層の除去
    • 下地の状態確認
    • 必要に応じた下地補修
  4. STEP

    下地処理・清掃(1〜2日)

    • 下地のクラック補修
    • 表面の清掃・乾燥
    • プライマー塗布(下地との密着性を高める処理)
  5. STEP

    防水層の施工(3〜7日)

    • 選定した工法による防水層の形成
      • ウレタン防水:数回に分けて塗り重ね
      • シート防水:シート敷設と接合部処理
      • アスファルト防水:数層に重ねて施工
      • FRP防水:ガラスマット敷設と樹脂含浸
  6. STEP

    トップコート塗布(1〜2日)

    • UV保護のための仕上げ塗装
    • 必要に応じた防滑処理
    • 乾燥・硬化
  7. STEP

    完了検査・引き渡し(1日)

    • 施工品質の確認
    • 水張り試験などによる防水性確認
    • 施主への説明と引き渡し

工事期間の目安

工事期間は建物の規模や工法、天候条件などによって変動します。以下は一般的な目安です。

  • 小規模(〜50m²): 約5〜7日間
  • 中規模(50〜100m²): 約7〜10日間
  • 大規模(100m²〜): 約10〜15日間以上

天候に左右されやすい工事のため、雨天時は作業ができません。そのため、実際の工期は天候状況によって延長される可能性があります。特に梅雨時期や台風シーズンは工期の余裕を持った計画が必要です。

屋上防水工事の費用相場

屋上の防水工事の相場は、工法だけでなく、建物の状態や施工面積、アクセス条件などによっても大きく変動します。屋上防水工事の値段や屋上防水工事はいくらかかるのかという点は、多くの方が気になる部分です。以下では屋上の防水工事費用の一般的な相場を紹介します。

工法別の費用相場(1m²あたり)

工法施工内容費用相場(円/m²)備考
ウレタン防水新規施工約4,000〜7,000一般的な新築・改修向け
ウレタン防水カバー工法約3,000〜5,000既存層を活かして施工時間短縮
ウレタン防水トップコート再塗装約1,500〜3,000表面保護目的で耐久性を延長
シート防水新規施工約3,500〜6,500汎用性が高くコスパ良好
シート防水重ね貼り約3,000〜5,000工期短縮に有効なメンテナンス法
シート防水部分補修約2,000〜4,000小規模な劣化箇所に対応可能
アスファルト防水新規施工(密着)約6,000〜10,000高耐久・高価格。公共施設などに多い
アスファルト防水新規施工(絶縁)約7,000〜12,000通気性確保・断熱材併用向き
アスファルト防水改修工事約5,000〜8,000築年数が長い建物の改修向け
FRP防水新規施工約5,000〜8,000ベランダや小面積の屋上向き
FRP防水重ね塗り約4,000〜6,000軽補修・簡易な延命処置
FRP防水部分補修約3,000〜5,000局所的なひび割れや剥離補修

上記の表に加え、より詳細な費用内訳を解説します。

ウレタン防水

  • 新規施工:4,000〜7,000円/m²
    液体状のウレタン樹脂を塗布し、防水膜を形成する工法。複雑な形状や段差のある屋上にも施工でき、継ぎ目がなく高い防水性を発揮します。
  • カバー工法:3,000〜5,000円/m²
    既存の防水層がある程度健全な場合、その上からウレタンを塗布して再防水します。廃材が少なく、コストと工期を抑えられるのが特徴です。
  • トップコート再塗装:1,500〜3,000円/m²
    紫外線や風雨による劣化を防ぐために、防水層表面のトップコートを定期的に塗り替えます。ウレタン防水の寿命を延ばすメンテナンスとして重要です。

シート防水

  • 新規施工:3,500〜6,500円/m²
    塩ビまたはゴム製の防水シートを接着剤や機械的固定で貼り付ける工法。均一な厚みで施工品質が安定しやすく、短工期・中価格帯で人気です。
  • 重ね貼り:3,000〜5,000円/m²
    既存のシート防水の上に新しいシートを重ねて施工する方法。防水性を回復しつつ、廃材処理や撤去費用を削減でき、効率的です。
  • 部分補修:2,000〜4,000円/m²
    端部の剥がれや穴あきなど、局所的な不具合がある場合に限定的に補修します。広範囲の劣化には不向きで、あくまで応急処置的な手法です。

アスファルト防水

  • 新規施工(密着工法):6,000〜10,000円/m²
    アスファルトを熱で溶かして複数層を重ね、下地と密着させる伝統的な工法。強靭で長寿命ですが、施工時に臭気や煙が発生します。
  • 新規施工(絶縁工法):7,000〜12,000円/m²
    アスファルト層と下地の間に絶縁シートを挟むことで、湿気の逃げ場を確保し、下地の影響を抑えます。主に湿気の多い場所に有効です。
  • 改修工事:5,000〜8,000円/m²
    既存のアスファルト防水層を部分的に撤去・再施工します。工法や下地状況によって費用は上下し、熟練の技術が求められます。

FRP防水

  • 新規施工:5,000〜8,000円/m²
    ガラス繊維マットに樹脂を含浸させて塗布し、硬化させて強固な防水層を作る工法。強度・耐薬品性に優れ、ベランダや陸屋根に多く使われます。
  • 重ね塗り:4,000〜6,000円/m²
    既存のFRP防水層に不具合がない場合、その上から再度樹脂を塗り重ねて性能を回復します。比較的安価で工期も短く、手軽な延命策です。
  • 部分補修:3,000〜5,000円/m²
    小さなひび割れやピンホールなどの局所的な不具合を補修する方法。研磨・下処理の後、補修箇所を再成形することで防水性を取り戻します。

建物規模別の総工事費用例

実際の屋上防水工事の値段の目安として、建物規模別の事例を紹介します。

戸建て住宅の屋上(30m²)の場合

工法総費用の目安(万円)備考
ウレタン防水約12〜21万円コストと柔軟性のバランスが良く、戸建て向けに人気
シート防水約10.5〜19.5万円費用を抑えたい場合におすすめ。施工もスムーズ
アスファルト防水約18〜30万円耐久性は高いが、施工時の臭いや騒音に注意
FRP防水約15〜24万円軽量で強度もあり、バルコニーや狭小屋上に最適

    マンションの屋上(200m²)の場合

    工法総費用の目安(万円)備考
    ウレタン防水約80〜140万円マンション・アパートにおいて最も採用されやすい工法
    シート防水約70〜130万円コストパフォーマンスに優れ、短工期にも対応可能
    アスファルト防水約120〜200万円高耐久・高価格。中〜大規模施設に適している
    FRP防水約100〜160万円軽量かつ強度が高く、劣化箇所の補修にも柔軟に対応

    屋上防水工事のマンション・アパートでの実施は、区分所有者の共有部分として扱われるため、管理組合での合意が必要です。

    商業施設の屋上(500m²)の場合

    工法総費用の目安(万円)備考
    ウレタン防水約200〜350万円比較的安価で大面積にも対応しやすい
    シート防水約175〜325万円工期短縮と費用バランスの良さが魅力
    アスファルト防水約300〜500万円大規模施設に多く採用される耐久性最重視の工法
    FRP防水約250〜400万円軽量で強度のある高機能防水。設備周りにも適応

    屋上防水工事の追加費用が発生するケース

    屋上防水工事工事の費用に関して、見積もり時に想定していなかった追加費用が発生するケースを知っておくことも重要です。

    • 下地の補修が必要な場合: コンクリートの劣化が進行していると補修費用が発生
    • 既存防水層の完全撤去が必要な場合: 想定以上の層が重なっている場合など
    • 排水設備の改修が必要な場合: ドレンの交換や勾配調整が必要なケース
    • パラペット(立ち上がり部分)の修繕: 防水層の立ち上げ高さの確保が必要なケース
    • 仮設費用: 足場や養生、廃材処理などの費用
    • 特殊な部位の処理: 設備貫通部や複雑な形状の処理
    • 防水屋上補修の範囲拡大: 調査後に防水不良箇所が広範囲に及ぶことが判明した場合

    見積もり段階で、これらの可能性について業者に確認し、契約書に追加費用の取り扱いについて明記してもらうことが望ましいでしょう。

    屋上防水工事業者の選び方と注意点

    屋上防水工事を成功させるためには、信頼できる業者選びが欠かせません。同じ工法でも、施工品質や対応力によって仕上がりや耐久性に大きな差が出ることがあります。また、見積もり内容や保証の有無、過去の施工実績なども重要な判断材料です。

    ここでは、後悔しない業者選びのポイントと、依頼時に注意すべき点について詳しく解説します。

    屋上防水工事の優良業者を見極めるポイント1.資格と実績の確認

    信頼できる防水工事業者を選ぶには、まず公的な資格や許可の有無を確認しましょう。「防水施工技能士」などの国家資格保有者が在籍しているか、または「防水工事業」の建設業許可を取得しているかは、一定の技術と経験がある証です。さらに、過去の施工実績が豊富かどうかも重要です。とくに自社で施工事例を公開している業者は、実力に自信を持っている傾向があります。

    また、会社の設立年数も長いほど、地域や顧客からの信頼を継続的に得ている証となります。

    屋上防水工事の優良業者を見極めるポイント2.見積内容の透明性

    見積もりの内容がどれだけ明確かは、業者の誠実さを見極める大きなポイントです。工事内容が詳細に書かれておらず、「一式」とだけ記載された見積もりは注意が必要です。また、防水材のメーカー名や製品名、規格が明記されていれば、使用材料の品質や適正価格を判断しやすくなります。

    追加費用の発生条件についても事前に説明があるかを確認しましょう。各工程の単価や数量がしっかり分かれている見積もりは、適正価格であることが多く、トラブル防止にもつながります。

    屋上防水工事の優良業者を見極めるポイント3.アフターサポート体制

    施工後のトラブルに備えた保証やサポート体制も、業者選定の重要な基準です。保証期間が明記されているだけでなく、その内容(どこまで無償修理が含まれるか)も確認しましょう。

    • 保証期間の長さと内容(無償修理の範囲など)
    • 定期点検サービスの有無
    • 緊急時の対応体制
    • 施工後のメンテナンス方法の説明

    また、定期点検サービスが用意されている業者であれば、長期的な防水性能の維持が期待できます。さらに、万一の緊急時に迅速な対応が可能かどうか、施工完了後に日常のメンテナンス方法を説明してくれるかといった点も、利用者の安心感を高める要素です。

    屋上防水工事の優良業者を見極めるポイント4.コミュニケーション能力

    専門的な施工内容を依頼する上で、業者とのコミュニケーションは非常に重要です。質問に対して誠実で丁寧な回答をするかどうかは、信頼関係を築くうえでの基本条件です。

    • 質問に対して丁寧で分かりやすい回答をするか
    • 専門用語をかみ砕いて説明できるか
    • 現場調査の際の対応が丁寧か
    • 連絡や対応がスピーディーか

    複数の見積もりを比較するポイントとは?

    相見積もりを取る際には、単に価格だけで判断するのではなく、以下の点も比較することが重要です。

    • 工法の適切さ: 建物の状態や要望に合った工法を提案しているか
    • 使用材料の品質: 採用している防水材のグレードやメーカー
    • 施工範囲の違い: 同じ面積でも細部の処理範囲が異なる場合がある
    • 施工手順の詳細さ: どの程度丁寧な下地処理を行うか
    • 保証内容の違い: 保証期間と保証範囲
    • 施工実績: 同種の工事の施工例や実績数

    契約時の注意点

    契約時には以下の点に注意しましょう。

    • 契約書の詳細確認: 工事内容、使用材料、保証内容などが明記されているか
    • 工事スケジュール: 着工日、完成予定日、天候不良時の対応
    • 支払い条件: 前払い、中間払い、完了払いの割合と時期
    • 追加費用の取り扱い: 予期せぬ状況での追加工事の承認プロセス
    • トラブル時の対応: 施工不良や事故発生時の責任範囲
    • 検収条件: 完了検査の方法と基準

    屋上防水工事でよくある質問(FAQ)

    防水工事を検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。

    Q

    屋上防水工事は何年ごとにすべきですか?

    A

    防水工法や使用環境によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

    • ウレタン防水:10〜12年
    • シート防水:10〜15年
    • アスファルト防水:15〜25年
    • FRP防水:8〜10年

    ただし、5年程度での点検と、必要に応じたトップコートの塗り直しなど、予防的なメンテナンスを行うことで、防水層の寿命を延ばすことができます。早期に劣化サインを発見することが重要です。

    Q

    屋上防水工事中に建物を使用できますか?

    A

    基本的には建物の使用は可能ですが、以下のような制限があります。

    • 屋上への立ち入りはできません
    • 工事の振動や騒音が発生します(特にはつり作業時)
    • 一部の工法では臭いが発生する場合があります(アスファルト防水など)
    • 最上階の天井に水漏れがある場合、その部屋の使用に制限がかかる可能性があります

    工事期間中の生活への影響については、事前に業者と相談し、必要な対策を講じておくことをおすすめします。です。

    Q

    屋上防水工事に火災保険や助成金は使えますか?

    A

    条件によっては活用できる可能性があります。

    火災保険の適用条件

    • 台風や豪雨などの自然災害による雨漏りであること
    • 経年劣化ではなく、突発的な事故による損害であること
    • 保険の契約内容に「水災補償」が含まれていること

    自治体の助成金・補助金

    • 省エネルギー性能の向上を伴う改修工事の一環として行う場合
    • 耐震改修と併せて行う場合
    • 高断熱仕様の防水工事を行う場合

    具体的な適用可能性は、加入している保険会社や居住地域の自治体に確認することをおすすめします。

    Q

    屋上防水工事は、DIYでの防水施工は可能ですか?

    A

    部分的な防水屋上補修や小規模なベランダなどであれば、DIY用の防水材(主に屋上ウレタン防水工事用の材料)で対応できる場合もありますが、以下の理由から屋上の防水工事は専門業者への依頼をおすすめします。

    1. 専門知識と技術を要する(下地処理、勾配調整、ドレン周りの処理など)
    2. 安全面のリスク(高所作業による転落事故の危険)
    3. 適切な材料選定と施工手順の複雑さ
    4. 施工不良による二次被害のリスク(雨漏りによる建物内部の損傷)
    5. 保証が得られない(DIY施工には保証がない)
    6. 屋上コーティングの品質が専門業者と比べて劣る

    小規模な補修でも迷った場合は、まず専門業者に相談することをおすすめします。

    Q

    雨の多い時期は、屋上防水工事を避けるべきですか?

    A

    基本的には乾燥した天候が続く時期が施工に適しています。以下の理由から、雨の多い時期(梅雨時期や台風シーズン)は避けることが望ましいです。

    1. 下地が十分に乾燥していないと防水材の密着性が低下する
    2. 施工中に雨が降ると工事が中断され、工期が延長する
    3. 湿度が高いと一部の防水材の硬化に影響がある
    4. 工事の質が低下するリスクがある

    計画的に工事を行う場合は、晴天が続きやすい時期を選ぶことをおすすめします。ただし、緊急の雨漏り対応の場合は、応急処置を行った上で、適切な時期に本格的な工事を検討するのが良

    Q

    複数の防水層を重ねることはできますか?

    A

    条件によっては既存の防水層の上に新たな防水層を施工する「カバー工法」が可能です。メリットとデメリットは以下の通りです。

    メリット

    • 既存防水層の撤去費用と廃棄物処理費用が削減できる
    • 工期を短縮できる
    • 建物内部への影響を最小限に抑えられる

    デメリット

    • 既存の不具合(水たまりなど)が解消されない場合がある
    • 建物への荷重が増加する
    • 既存層の状態が悪い場合、新しい防水層の性能に影響する

    既存防水層が2層以上ある場合や著しく劣化している場合は、撤去して新規に施工する「葺き替え工法」が推奨されます。適切な工法は現地調査の結果に基づいて判断する必要があります。

    屋上防水工事のまとめ

    屋上の防水工事は建物の寿命と安全性に直結する重要なメンテナンスです。この記事のポイントを以下にまとめました。

    • 早期発見・早期対応が重要:劣化サインを見逃さず、小さな段階で対処することで大きな被害を防ぎます。屋上防水工事はいくらかかるかを考えると、早期対応が結果的にコスト削減につながります。
    • 建物に適した工法選択:建物の構造、用途、予算、環境条件に応じた最適な防水工法を選びましょう。屋上防水工事の種類は多様なので、専門家と相談して最適な方法を選択することが大切です。
    • 信頼できる業者選び:資格・実績のある業者を複数比較し、屋上防水工事の相場を把握した上で、見積内容と保証を重視して選定します。
    • 定期的なメンテナンス:施工後も定期点検を行い、屋上コーティングやトップコートの塗り直しなど予防的なメンテナンスを行うことで寿命を延ばせます。
    • 適切な時期の計画:天候の安定した時期に計画的に工事を行うことが重要です。マンション・アパートの屋上防水工事は特に計画性が求められます。

    屋上の防水工事は単なる雨漏り対策ではなく、建物全体を守るための重要な投資です。屋上防水工事の値段だけでなく、工事の質も重視して検討しましょう。適切な知識を持って計画的に対応することで、建物の資産価値を維持し、安心・安全な環境を守ることができます。信頼できる専門業者と相談しながら、最適な防水計画を立てましょう。

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