マンションやビルでは、さまざまな場所で防水工事が施されています。
なかでも屋上は風雨によって雨漏りを起こす可能性がありますので、防水工事は重要な役割を果たします。
しかし、一度施工すれば、永続的に効果が持続するわけではありません。
そこで本記事では、屋上防水の耐用年数について解説します。
メンテナンス時期・劣化症状・耐用年数を延ばす方法などさまざまな内容を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
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目次
屋上防水が必要な理由
屋上のある建物には防水工事が必要ですが、どのような理由があるのでしょうか。
主に2つありますので、以下で解説いたします。
建物を水の被害から守るため
屋上防水を行うのは、建物を水の被害から守るためです。
特に平らな屋上から水が浸入するケースは多いので、屋上防水は欠かせません。
木造の建物だけでなく鉄筋コンクリート造の建物も、内部に水が侵入すると劣化していきます。
症状が進行すると地震にも弱くなるので要注意です。
マンション・ビルでは、必ず屋上防水を行う必要があるでしょう。
建物の劣化を防ぐため
マンションやビルの減価償却を目安とした耐用年数は、40年以上あります。
しかし、建物の内部に水が侵入することで、劣化が進んで耐用年数は短くなります。
屋上防水によって適切なメンテナンスを行えば、建物を長い期間良い状態で保てます。
建物の資産価値を守るためにも、屋上防水は欠かせません。
屋上防水の耐用年数
屋上防水は次第に劣化して機能を損なうため、耐用年数が設けられています。
防水工事の種類によって耐用年数は異なるので、それぞれみてみましょう。
ウレタン防水
ウレタン防水の耐用年数は、12年前後です。
液体状のウレタン樹脂を塗っていくため、複雑な形状の場所にも施工できます。
シート防水
シート防水は、10~15年の耐用年数です。
塩ビシートまたはゴムシートが使われており、安価に施工できます。
アスファルト防水
アスファルト防水は、15~25年です。
費用が高く工期も長くなりやすいものの、耐用年数は長いです。
FRP防水
FRP防水の耐用年数は、10年前後です。
繊維強化プラスチックの層を形成する方法のため、定期的にトップコートの塗り替えが必要ですが、頑丈な防水層を形成します。
建物が雨漏りを起こす原因
建物の雨漏りは、どのような原因で発生するのでしょうか。
一般的には、次のような原因で雨漏りが発生します。
コンクリートの劣化
コンクリートに雨水が直接触れると、劣化を促して小さな亀裂を起こします。
またコンクリートは雨水の湿気だけではなく、空気・乾燥・温度差などの要因で劣化し、そこに内部へと雨水が侵入すると、骨材まで達してサビを引き起こします。
コンクリート表面の防水層は、経年により劣化しますので、定期的なメンテナンスが必要です。
排水口の詰まり・破損
排水口の詰まりや破損によって、建物の雨漏りが起こるケースがあります。
排水が機能しないと屋上には雨水が溜まるため、雨漏りが起こりやすくなるでしょう。
落ち葉やゴミなどが詰まっている場合は、取り除かなくてはなりません。
パラペットの劣化
パラペットとは、屋上にある端部の背の低い壁を指し、劣化によって雨漏りが発生します。
ひび割れやシーリングの劣化などが起こると、隙間から雨水が入り込んでしまいます。
外壁の内部を伝って建物内に雨水が浸入するため、定期的なメンテナンスが必要です。
笠木の劣化
パラペット上部に設置されている笠木は、金属・コンクリート・モルタルなどを材料として使います。
笠木の継ぎ目部分が強風でめくれると、その部分から雨水が侵入します。
またシーリング部分の劣化によっても、雨水が入り込むことがあります。
そのため、笠木はパラペットと一緒にメンテナンスが必要です。
屋根の劣化
経年劣化や台風などの影響で屋根がダメージを受けることによって、雨漏りが発生します。
屋根スレートのひび割れや漆喰の崩れ、瓦のズレなど、さまざまな屋根トラブルが、雨漏りの原因として考えられるでしょう。
外壁の亀裂
外壁の亀裂からも雨水が侵入する可能性があります。
わずかなひび割れ程度なら問題ないケースもありますが、大きな亀裂がある場合は専門業者にチェックしてもらいましょう。
ベランダのひび割れ
ベランダにひび割れが発生すると、そこから雨水が侵入して雨漏りを引き起こします。
小さなひび割れから雨水が侵入するケースもあるので、早めの対応が必要です。
天窓の劣化
天窓は、雨漏りが発生することもあります。
周囲には排水を促す板金が取付けられていますが、板金の劣化があると雨漏りが起こりやすいです。
また板金の継ぎ目のシーリングも劣化しますので、隙間ができて雨漏りが起こるケースもあるでしょう。
サッシ枠と防水シートの劣化
サッシ枠と防水シートに隙間ができると、雨水が侵入する場合があります。
経年劣化によってシーリングが割れることで起こるケースもあり、定期的なメンテナンスが必要です。
給排水管の隙間
給排水管が外壁や防水シートを貫通している場合、隙間から雨水が侵入するケースもあります。
給排水管の隙間は見落としやすいので、チェックすることをおすすめします。
防水工事の耐用年数を延ばす方法
どのような防水工事でも、施工後には耐用年数に沿った再施工が必要です。
しかし、やり方次第では耐用年数を伸ばすこともできます。
早めに補修をする
屋上防水工事は、一度劣化が始まると範囲が広がっていきます。
同じ劣化でも範囲が狭ければ、最低限の対応で補修が可能です。
トップコートを塗り替える
トップコートとは、防水施工の表面部分を指します。
定期的に塗り替えることで、防水層の耐用年数を延ばせます。
5年前後でトップコートを塗り替えると、常に良い状態を保てるでしょう。
台風・地震の後に点検する
台風や地震により、防水層がダメージを受けるケースがあります。
大きな揺れや強風を受けた後は、細かくチェックしてみましょう。
ルーフドレンを掃除する
ルーフドレンに落ち葉やゴミが詰まっていると雨漏りを起こしやすいので、定期的にルーフドレンを掃除することも必要です。
少なくとも3か月に1回、可能であれば2週間~1か月に1回は掃除を行いましょう。
優良業者を見つける
防水工事の品質は、技術力に比例します。
高い技術力で施工してくれる業者であれば、耐用年数を延ばすことにつながります。
業者選びでは、複数の業者を比較すると良いでしょう。
屋上防水にかかる費用
防水工事の種類によって、以下のように費用が異なります。
ウレタン防水 | シート防水 | アスファルト防水 | FRP防水 |
3,000~7,500円 | 4,000~8,000円 | 5,000~8,500円 | 5,000~7,000円 |
それぞれの工法によって特徴があるので、施工箇所や予算に合わせて防水工事の種類を選ぶ必要があります。
例えばシート防水は安価に施工できて工期が短く済みますが、傷に弱く複雑な形状の場所への施工はできません。
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屋上防水を依頼する業者選びのポイント
屋上防水の工事では、業者選びが重要です。
優良業者が見つかれば、高品質な工事を適正価格で行ってもらえます。
業者選びでは、以下のポイントに気をつけてみましょう。
複数の業者に見積もりを依頼する
屋上防水を依頼する際は、複数の業者に見積もりを出してもらいましょう。
1社のみだと費用相場が把握できず、工事内容も適切かどうか判断できません。
2~3社に依頼すると、見積内容を比較できます。
見積内容を入念にチェックする
見積内容は、入念にチェックすることも大切です。
作業内容・施工の範囲・材料の種類など、細かくチェックします。
また、工事一式とだけ書かれてあると、不透明でわかりづらいです。
可能な限り、具体的に明記されている見積書を提示してもらいましょう。
極端な値引きをする業者に気を付ける
業者による極端な値引きは、気を付けたいポイントです。
はじめから値引きすることを考え、高めの金額を提示している可能性があります。
また、適正価格でなければ高い品質を提供できない場合もあるため、安すぎる費用を提示する業者にも注意しましょう。
実績と信頼性を確認する
屋上防水の工事は高額になる場合が多いため、業者の実績と信頼性を確認することが重要です。
創業年数や確かな実績を持つ業者であれば、安心して依頼できるでしょう。
まとめ
今回の記事で紹介した内容をまとめると、以下の通りです。
- 建物の屋上は風雨にさらされ、雨漏りのリスクが高いため、防水工事が必要
- 屋上防水は建物を水の被害から守り、劣化を防ぐために不可欠
- 耐用年数は、ウレタン防水が12年前後・シート防水が10~15年・アスファルト防水が15~25年・FRP防水が10年前後と防水工事の種類によって異なる
- 雨漏りの原因には、コンクリートの劣化・排水口の詰まりや破損・パラペットや笠木の劣化・屋根や外壁の亀裂・ベランダや天窓の劣化などがある
- 防水工事の耐用年数を延ばすためには、早めの補修やトップコートの塗り替え・台風や地震の後の点検・ルーフドレンの掃除・優良業者の選定が重要
- 防水工事の費用は工法によって異なり、ウレタン防水が1平方メートルあたり3,000~7,500円・シート防水が4,000~8,000円・アスファルト防水が5,000~8,500円・FRP防水が5,000~7,000円
- 業者選びでは複数の業者に見積もりを依頼し、見積内容を入念にチェックすることが大切
- 極端な値引きをする業者には注意が必要
屋上防水は、建物の資産としての価値を守る大切な工事です。
耐用年数・適切な工事選定・優良業者選定など、さまざまな点に気を付ける必要があります。
依頼の際は、金額はもちろん作業内容や材料などの詳細を把握し、適正価格を提示する会社選びがポイントです。
今回の内容をもとに、安心できる防水工事を実施しましょう。
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