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大規模修繕

屋上防水層の劣化原因や耐用年数とは?マンションや屋根のシート防水・ウレタン防水の寿命やメンテナンスを解説

建物の屋上や屋根を守る屋上防水の代表的な工法には、シート防水・ウレタン塗膜防水・アスファルト防水などがあります。

これらの防水層は雨漏りを防ぎ、建物を保護する重要な役割を果たしています。
しかし時間の経過とともに劣化は避けられません。
コンクリートのひび割れ・防水シートの浮きや膨れ・塗膜防水の剥がれなど、さまざまな原因で防水機能が低下していきます。

防水工法にはそれぞれ耐用年数や寿命があり、適切なメンテナンスが欠かせません。
定期的な点検と補修を行うことで建物の寿命を延ばし、大きな損傷を防ぐことができます。
今回は各防水工法の特徴や劣化の兆候・効果的なメンテナンス方法について紹介しておりますので、参考にしてみてください。

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屋上防水の劣化症状

屋上の防水層は、時間の経過とともに劣化してしまいます。

しかし、普段目にしない場所のため、どのような症状が出るのかご存じない方も多いでしょう。

屋上防水が劣化した際に出る症状には、以下に挙げる5点があります。

  • チョーキング現象
  • 防水層のひび割れや剥がれ
  • 防水層の消耗
  • 防水層の膨張
  • 水たまりや雨漏りの発生

これらの症状が発生した際、どのような影響が発生するのでしょうか。

それぞれの原因について、詳しく説明します。

チョーキング現象

チョーキング現象とは、防水層が劣化することでチョークのような白い粉が発生してしまう現象です。

屋上の床を触った際に、手に白い粉が付いてしまうことがありますが、これは屋上防水が劣化しているサインです。

風や雨で流れることもありますが、防水層の表面に残ってしまうとカビやコケの発生といったリスクが生じてしまいます。

美観を損なうだけではなく、防水層の劣化によって建物全体の老朽化につながる可能性が高まってしまうでしょう。

防水層のひび割れや剥がれ

防水効果を長持ちさせるため、防水層にはトップコートが施されていますが、紫外線や雨などの外的環境による影響で劣化していきます。

トップコートが剝がれると防水層に汚れが付着するだけではなく、より雨や紫外線の影響を受けやすくなるため、ひび割れや剥がれの発生リスクが高まるでしょう。

防水層のひび割れや剥がれが見られた場合は、防水層が劣化していると判断できるため、早めのメンテナンスが必要です。

防水層の消耗

防水層の表面にツヤがなく、擦れたような状態になっている場合、防水層の劣化が進んでいる可能性があるでしょう。

本来、屋上防水における防水層は一定の厚さを保って施工されていますが、使用状況によって防水層が薄くなってしまい、消耗してしまうケースが該当します。

防水層が薄くなってしまうと、ひび割れや剥がれの発生原因になってしまい、防水効果も低下してしまうため、早急な対処が必要です。

防水層の膨張

屋上の防水工事にはいくつか種類がありますが、シート防水が施されているケースでは、劣化の際にシートが膨らんでしまうことがあります。

これはシートの内側に雨や湿気が入り込んでしまうことにより、シートが膨張してしまうためです。

膨張したまま放置すると、やがて破裂し隙間から雨水が浸入してしまうため、そのままにせず必ず対処しましょう。

水たまりや雨漏りの発生

屋上防水の劣化が進むと、表面のトップコートが剥がれてひび割れや剥がれが発生しやすくなります。

ひび割れた部分が凹凸になってしまうと、雨水がたまり防水効果に影響を及ぼします。

また、たまった雨水がひび割れた隙間から入り込み、雨漏りの原因になってしまうため注意が必要です。

雨漏りが発生すると建物全体に影響を及ぼしてしまうため、水たまりや雨漏りの発生には十分気をつける必要があります。

屋上防水が劣化するのはなぜ?

屋上防水は、年数の経過によって劣化してしまいますが、その理由についてご存じでしょうか。

外的環境や使用状況に左右されますが、さまざまな要因によって劣化が進んでしまうのです。

主な劣化原因については、以下の5点が当てはまるでしょう。

  • 外的環境によるもの
  • 日差しや設備から発生する熱によるもの
  • 施工不良
  • 損傷
  • 経年劣化によるもの

それぞれの原因について、詳しく解説します。

外的環境によるもの

台風や豪雪・強い日差しなどの外的環境によって、屋上防水は少しずつ劣化していきます。

気象条件によって劣化速度は異なるため、地域によって劣化速度に差が発生するでしょう。

豪雪地帯や台風が多い地域などは、劣化スピードが速い傾向にあります。

日差しや設備から発生する熱によるもの

建物の屋上は、直射日光による熱や屋上設備から発生する熱により、膨張や収縮が発生します。

膨張と収縮が繰り返されると、防水層にひび割れが発生するケースも多く、屋上防水の劣化につながるでしょう。

特に屋上は直射日光が当たる場所のため、定期的な点検が欠かせません。

施工不良

屋上防水の施工時に、適切な工事が行われていないケースがあります。

施工不良によって十分な防水機能が保てないと、屋上防水の劣化につながってしまうでしょう。

このような場合は施工した会社へ連絡し、対応を相談することが大切です。

損傷

人の往来や荷物の運搬が頻繁に行われる場合、使用状況によって屋上防水の劣化も早まります。

使用時に発生した細かな傷や穴が少しずつ広がり、屋上防水のひび割れや剥がれが発生しやすくなるでしょう。

経年劣化によるもの

屋上防水で使われる材料には、耐用年数が定められております。

耐用年数を超えてしまった場合は、経年による劣化が認められるケースも多いでしょう。

しかし、耐用年数を超えていない場合であっても、気象条件によって劣化が早まる可能性もあります。

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屋上防水の種類と適した対処方法

屋上の防水工事は、以下に挙げる4つの種類に分類されます。

それぞれに劣化時の症状やや対処方法が異なりますので、詳しく見ていきましょう。

ウレタン防水

液状のウレタン樹脂を使用する屋上防水です。

耐用年数は8~10年ほどとされており、よくある劣化時の症状は、以下に挙げる2点が多いでしょう。

  • 防水層のひび割れや剥がれ
  • チョーキング現象

これらの劣化が見られた際は、防水層のトップコートを再塗装する・防水層の再形成を行う必要があります。

また、傷んだ防水層を取り除き、部分的に施工を行う「かぶせ施工」を行うケースもあります。

シート防水

合成ゴムや塩化ビニルシートで作られた防水シートを使用する防水施工であり、耐用年数は15年前後と長めです。

劣化時は、以下に挙げる4点の症状がみられるでしょう。

  • シートの破れや穴あき
  • シートつなぎ目の劣化や剥がれ
  • シートの膨張
  • 水たまり

対処方法としては、密着工法や機械的固定工法・パッチ補修などでメンテナンスを行います。

アスファルト防水

シート状のルーフィング材をアスファルトで接着する防水工事で、耐用年数は20年前後と高い耐久性を持っています。

しかし、劣化の際は砂落ちや接合部分の口開きなどの症状に注意が必要です。

このような症状が見られた場合、全面改修法や撤去法によって対策を行います。

FRP防水

ポリエステル樹脂にガラス繊維を組み合わせた防水工事で、耐用年数は13年前後とされています。

FRP防水では経年劣化により、防水層のひび割れ・剥がれ・色褪せなどの症状が発生するため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

これらの症状が発生した際は、トップコートの塗り替えや防水層の張替えによって対処していきます。

屋上防水を長持ちさせるには?

屋上防水の劣化が進んでしまうと、雨漏りが発生し建物全体の強度が低下してしまいます。

そのため、屋上の防水効果が低下しないよう、定期的な点検・修繕が欠かせません。

しかし、短いスパンでメンテナンスを行うには、金銭的負担も大きくなってしまいます。

できれば、1度の施工で長く防水効果を持続させたいですよね。

今回は、屋上防水の効果を長持ちさせるための方法について、詳しく解説します。

定期的なメンテナンスと点検を行う

屋上は目につきにくい場所のため、劣化が進んでもわかりにくいケースが多くあります。

そのため定期的に点検を行い、劣化が見られた際は早い段階でメンテナンスを実施しましょう。

早期メンテナンスにより、建物寿命を長く保てます。

破損部分は放置しない

屋上防水は、小さなひび割れや傷であっても放置してはいけません。

雨や風・紫外線によって劣化が進み、ひび割れ部分から雨が浸入してしまいます。

雨漏りの原因になってしまうため、小さな破損であっても早急に対処しましょう。

防水層を補強する

屋上防水の耐用年数が過ぎてしまう前に、防水層を補強し防水効果を持続させましょう。

防水工事で施すトップコートは年数が経過するごとに劣化するため、こまめに塗り替えが必要です。

また防水層を補強することによって、防水効果が持続します。

排水部分の定期清掃を行う

屋上に溜まった水は、排水管を伝って排出されます。

排水管にゴミや汚れが付着していると、詰まりの原因になってしまうため、定期的な清掃を行いましょう。

屋上防水の効果を維持するために、防水層だけではなく排水部分のメンテナンスも必要です。

屋上設備の改善

屋上は、貯水槽の設置や駐車場として活用されるケースが多く、使用状況によって劣化スピードも早まります。

屋上防水を長持ちさせるためには、設備の重量や重量物の移動によってかかる負荷を、分散させる必要があるでしょう。

屋上の利用状況を見直すことで、防水効果の維持につながります。

屋上防水が劣化についてまとめ

屋上防水が劣化した際の症状や原因、防水効果を維持するコツについては以下の通りです。

  • チョーキング現象や防水層のひび割れ・剥がれや膨張が見られた際は、防水層の劣化が進んでいるサインである
  • 屋上に水が溜まりやすくなる、雨漏りが発生している場合は、すでに劣化が進んでいる状態である
  • 外的環境や直射日光による紫外線、施工不良や年数の経過によって劣化が引き起こされる
  • 屋上防水にはさまざまな種類があり、それぞれに劣化症状や原因・対処法が異なるため事前の確認が必要
  • 屋上防水を長持ちさせるためには、屋上全体の定期的なメンテナンスや破損部の修繕・排水部分の清掃が欠かせない
  • 屋上の使用状況によって劣化スピードも異なるため、屋上設備の見直しや負荷の分散を検討する必要がある

屋上は普段目にしない場所のため、劣化の状態を確認するためには定期的なメンテナンスが重要です。

屋上防水における劣化症状や原因をしっかり把握したうえで、適切なタイミングで対処しましょう。

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