5 min

シリコン材による防水とは?コーキング・シーリングとの違いも解説

建物の寿命を延ばすために欠かせないのが、防水対策です。特に屋根や外壁などの「すき間」に雨水が入り込むのを防ぐために用いられるのが、シリコン材を中心としたシーリング材・コーキング材です。

シリコン材による防水は、塗膜で面を覆う防水工法とは異なり、線状・点状の隙間を柔軟に保護するという特性があります。

この記事では、防水工事におけるシリコン材の役割と特性、他のシーリング材との違い、そして屋根防水工事での具体的な使用例や施工上の注意点まで詳しく掘り下げていきます。また、経年劣化による補修のタイミングや、よくある誤解、素材ごとの比較なども丁寧に紹介します。

防水メンテナンスの知識を深めたい方にとって実践的なっているので、ぜひ参考にしてみてください。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装なら
新東亜工業へ!

マンション修繕の顧客満足度98%

マンション・アパート・ビルの大規模修繕や防水工事の最適な工法を提案し、プロの技術で安心した施工をお約束!

新東亜工業が選ばれる理由!
  • 自社施工で高品質な仕上がり
  • 中間マージンを排除、適正価格を実現
  • 大規模修繕・防水工事の豊富な実績
  • 最長10年の保証付、安心のアフターフォロー
  • 関東エリアを中心に幅広い地域へ対応

\中間マージン0だから他社よりも低コスト/

シリコン材とは?主に屋根や外壁目地などの隙間を埋める防水材料

シリコン防水材とは、シリコン樹脂を主成分とした高弾性の充填材で、建物の屋根や外壁の目地などに使用される防水材料です。この記事では、このシリコン材が持つ性能や特徴を詳しく掘り下げ、防水の現場でどのように活用されているのかを実務的な視点で解説していきます。

シリコン材は乾燥するとゴム状になり、建物の動きにも柔軟に追従できるため、ひび割れや隙間からの雨水侵入を防ぐのに有効です。

主な特徴は以下の通りです

  • 高い撥水性と耐候性がある
  • 紫外線に強く、長期間の屋外使用に適している
  • 弾性があり、目地の動きに追従できる

このシリコン材は単体で防水層を形成するわけではありませんが、外壁材のつなぎ目や屋根板金の端部など、局所的な防水処理において重要な役割を担っています。屋根防水の仕上げや補修工程でもシリコン系のシーリング材が活躍する場面は多く、防水工事における「すき間対策」として欠かせない材料です。

コーキングとシーリングの違いとは?シリコン防水と何が違うの?

シリコン防水の文脈でよく混同されがちな「コーキング」と「シーリング」。どちらも建物の屋根や外壁などの隙間や目地を防水する目的で使われますが、言葉の使われ方や施工対象に若干の違いがあります。

「コーキング」と「シーリング」は、実はほとんど同じ意味で使われている建築用語です。どちらも隙間を塞ぐための充填材を指し、建物の防水・気密性を高めるために使われます。

  • コーキング:主にDIYや簡易施工で使われる表現(目地充填材の総称)
  • シーリング:建築現場などで使われる正式な用語(プロの施工)

いずれも使用する素材としてはウレタン系・変成シリコン系・シリコン系などがあります。とくに屋根防水工事や外壁補修では、シリコン系のコーキング材・シーリング材が採用されることが多く、耐久性と柔軟性に優れている点が評価されています。

また、シリコン材によるシーリングは、建物の経年変化や振動に対してしなやかに対応できる点が、防水材として選ばれる大きな理由となっています。コーキングとの表現の違いは地域や業者によっても異なりますが、施工内容としては本質的に同じものと考えてよいでしょう。

シリコンなどシーリング材・コーキング材の種類|防水性や耐久性はどのくらい?

シーリング材・コーキング材にはいくつかの種類があり、それぞれに異なる特徴と用途があります。選ぶ材料によって防水性・耐久性・塗装との相性などが大きく変わるため、目的や施工部位に合わせた適材選定が重要です。

下記の表で、主要な素材の違いを比較して確認しましょう。

材料の種類特徴主な用途耐用年数の目安
シリコン系撥水性・耐候性に優れるが再塗装に不向き外壁目地・窓枠周囲など約10〜15年
変成シリコン系塗装との相性◎・汎用性高い外壁全般・屋根部補修など約7〜10年
ウレタン系弾力性あり・密着力が高い防水層端部・屋根の接合部など約5〜10年
アクリル系安価・屋内使用向け室内の隙間埋め、仮補修約3〜5年

シリコン防水材が使われる代表的な場所|屋根やサッシの周囲など用途一覧

シリコン防水材が使われる場所は非常に多岐にわたります。ここでは、住宅やビルなどの建物で代表的な適用箇所について、具体例を挙げて解説します。

シリコン材の適用箇所と用途一覧表

シリコン防水材は建物のさまざまな箇所に使用され、その機能と役割は施工対象によって異なります。この表では、屋根や外壁を含む代表的な適用箇所ごとに、用途と推奨されるシーリング材の種類をまとめています。防水対策を検討する際の参考にしてください。

適用箇所用途と目的推奨材料の種類
外壁材の継ぎ目(目地)雨水の侵入防止・揺れへの追従シリコン系・変成シリコン系
サッシ・窓枠の周囲雨仕舞い・結露防止シリコン系
屋根板金の端部・取り合い部雨漏り防止・板金間の防水補強シリコン系・ウレタン系
ベランダ・バルコニー立ち上がり防水層の端部保護・補助防水処理変成シリコン系・ウレタン系
屋上防水のディテール部分通気部や立ち上がりの補助防水ウレタン系・シリコン系
  • 外壁材の継ぎ目や目地:外壁パネル間の隙間やコンクリートの目地部には、温度差や構造の動きによってひび割れが起こりやすくなります。シリコン系のシーリング材は、このような目地部分に柔軟に対応し、防水性と気密性を保持します。
  • サッシ・窓枠の周囲:サッシ周辺は雨水が集中しやすい部分です。ここにシリコンコーキングを施すことで、雨の侵入や結露水の漏れを防ぐことができます。
  • 屋根板金と外壁との取り合い部:屋根と外壁の境界には雨仕舞いの工夫が必要です。金属板金の重なり部分や取り合い部にもシリコン材による防水処理が行われ、雨水の侵入リスクを最小限に抑えます。
  • ベランダ・バルコニーの立ち上がり部:雨水が溜まりやすく、防水層の端部が傷みやすい箇所では、補助的にシリコンシーリング材を用いることで、防水効果を強化することが可能です。

これらの箇所は、いずれも建物の構造的な隙間が生じやすく、水の侵入経路となるリスクがあるため、シリコン防水の施工がとても有効とされます。

屋根などのシリコン防水の費用相場

シリコン材を使用した防水処理やシーリング工事の費用は、施工面積や施工箇所、使用する材料の種類によって大きく異なります。ここでは、一般的な住宅や小規模施設での施工例をもとに、おおよその価格帯とポイントを紹介します。

一般的な費用目安(住宅1棟あたり)

施工内容単価・費用目安(税込)備考
外壁目地のシーリング打ち替え約800円~約1,500円/m築10年以上の建物で全体打ち替えが必要になることが多い
サッシ廻りのシーリング補修約1,000円~約2,000円/箇所劣化が軽微な場合は部分補修で済むケースもあり
屋根板金の取り合い部補修約15,000円~約30,000円程度(部分施工)雨仕舞いの処理や下地補修を伴うと費用が高くなる傾向
屋上・バルコニー立ち上がり部補修約20,000円~約50,000円程度防水層端部やドレン廻りなど、重点的な補強が必要な箇所
足場設置(必要な場合・30坪目安)約100,000円高所作業を伴う場合は安全確保のため設置が必須

費用が変動する主な要因

  • 施工箇所の数量・形状:複雑な取り合い部や高所作業では人件費が上がる傾向にあります。
  • 材料の種類:シリコン系、変成シリコン系、ウレタン系など、使用するシーリング材によって価格と耐用年数が変わります。
  • 劣化状況:既存のコーキング材の劣化が激しい場合、撤去作業や下地処理に時間とコストがかかることがあります。

シリコン材による防水処理は、比較的安価で局所的な施工が可能であるため、部分補修や外壁メンテナンスに適した選択肢です。とはいえ、劣化が広範囲に及ぶ場合は全面的な打ち替え工事が必要となり、トータルで10万円〜30万円を超えるケースも少なくありません。

施工を依頼する際には、見積書の内容が明確であるか、使用するシーリング材の種類や施工範囲が詳細に記載されているかを必ず確認しましょう。

シリコン材の注意点と定期点検の必要性|屋根防水は劣化しやすいって本当?

シリコン材は万能ではなく、劣化や施工不良によって防水機能が失われることもあります。ここでは、シリコン系防水材を使う上での注意点と、長期的な性能維持のためのメンテナンスの重要性について解説します。

  • 表面が硬化・ひび割れを起こす
  • 密着力が低下して剥がれてくる
  • 劣化により防水機能が失われる

そのため、10年程度を目安に打ち替えや増し打ちなどの補修が必要になります。特に屋根防水のように直射日光や風雨を受け続ける箇所では、劣化スピードが早まる傾向があります。

また、シリコン材は一部の塗料と相性が悪く、上から再塗装する際に密着しないことがあります。そのため、塗装工事と併せて行う場合は、変成シリコン系への変更や、専用プライマーの使用が推奨されます。

定期的な点検とメンテナンスを行うことで、建物全体の防水性能を長期間維持することが可能です。施工後は業者による点検を数年ごとに実施し、劣化サインを見逃さないようにしましょう。

シリコン材を使った屋根防水でよくある質問(FAQ)

ここでは、シリコン材を使った屋根防水工事でよくある質問について、まとめました。ぜひ、チェックしてみてください。

Q

シリコン防水材は屋根全体に使えますか?

A

基本的にシリコン材は屋根全体の防水層としては不向きです。屋根の板金や取り合い部分など「すき間」の補修に使用され、面全体の防水にはウレタン防水やシート防水が適しています。

Q

シーリングとコーキングはどう違うのですか?

A

本質的には同じもので、使い分けは現場や業界習慣によるものです。プロの施工では「シーリング」、DIYや簡易補修では「コーキング」という表現がされることが多いです。

Q

シリコン材の上から塗装できますか?

A

シリコン系シーリング材は塗料の密着が悪いため、基本的には塗装できません。塗装が必要な場合は「変成シリコン系」や「ウレタン系」など、上塗り対応の素材を選ぶ必要があります。

Q

シーリングの劣化はどのように確認できますか?

A

硬化や剥がれ、ひび割れ、痩せ(肉やせ)などが見られた場合は劣化のサインです。目視点検で判断しにくい場合は、業者に診断を依頼しましょう。

Q

定期点検や打ち替えはどのくらいの頻度で必要ですか?

A

一般的には10年前後での打ち替えが推奨されますが、立地や環境条件によって劣化スピードは異なります。5〜7年ごとの点検で状況を確認し、必要に応じて増し打ち・打ち替えを行いましょう

まとめ|シリコン材は建物の“すき間防水”に欠かせない存在

シリコン材は、屋根や外壁の継ぎ目といった「すき間」を防水するために欠かせない材料です。塗膜防水やシート防水といった“面”を防ぐ工法とは異なり、点や線の防水に特化しているのが特徴です。

コーキングやシーリングといった施工によって、その力を最大限に発揮します。建物の防水性能を維持するためにも、シリコン材の役割と寿命を理解し、適切な補修計画を立てることが重要です。

特に屋根防水や外壁改修といった建物の防水工事において、シリコン系シーリング材は「最前線の防水守備」ともいえる存在。見えない部分だからこそ、定期的なメンテナンスと正しい施工が求められます。

今後のメンテナンス計画やリフォームの際には、「シリコン材による防水処理」がどう活用されているかをチェックする視点を持つことが、建物の長寿命化につながります。

施工実績344件突破!WEB割キャンペーン実施中!