雨の日に建物を守る「雨樋(あまどい)」は、住宅や施設に欠かせない大切な設備のひとつです。その種類や素材によって、排水の効率や耐久性には大きな違いが出ます。住まいの立地条件や気候・外観デザインとの調和を考慮しながら、最適な雨樋を選ぶことが長く安心して暮らすための第一歩です。

形状にもさまざまな種類があり、用途に合ったものを選ぶことが重要です。誤った選択をすると、排水不良による雨漏りや外壁の劣化といった深刻なトラブルを招く恐れもあります。

この記事では雨樋の基本知識と種類ごとの特徴や、使用される素材などについて分かりやすく紹介します。また雨樋を構成する部品とその役割、メンテナンスのポイントについても詳しく解説します。

正しい知識を身につけ、建物を長持ちさせるための適切なメンテナンスにつなげていきましょう。

建築確認申請は、私たちの生活空間を形作る建物が安全でありながら、快適かつ法的な基準に適合していることを保証するためのものです。

新しい家を建てる夢・築年数のたったマンションを改修する計画・ビジネスのための商業施設を構築する際には、この手続きが必ず必要になります。

しかし、多くの人にとって建築確認申請は複雑で手間がかかるものと捉えらていますが、しっかり内容を把握しておけばスムーズに進められます。

そこで本記事では、建築確認申請の基本からその目的や必要性や基準など、わかりやすく解説していきます。

多くの方が住むマンションの安全を維持しながら入居者が安心して暮らし続けられるように「よくわからなくて不安だ」という方は、建築確認申請について学んでいきましょう。

建築確認申請とは

建築確認申請は、建築基準法に適合した建物を建築する際に必要な重要な手続きです。

この手続きを通じて、安全性や品質の確保が図られます。

建築確認申請

建築確認申請は、建築基準法に適合した建築物を建設するために、都道府県や市区町村の建築主事に対して提出する申請書類です。

この申請書類には、建築計画概要書や図面などが含まれ、建物が基準法に準拠していることを証明します。

審査と確認済証の発行

申請書類が提出されると、都道府県や市区町村の建築主事が審査を行います。

審査の結果、建築物が基準法に適合していることが確認されれば、確認済証が発行されます。

この確認済証は、工事を始める際に必要不可欠な書類です。

変更や届け出の必要性

建築確認申請が完了したからといって、すべてが終わるわけではありません。

工事内容の変更や工期の延長が必要な場合は、変更届や延長届を提出する必要があります。

建築確認申請は、建物の安全性と品質を確保するために重要であり、その過程での正確な届け出が求められます。

リフォームで建築確認申請をする目的

リフォームで建築確認申請を行う主な目的は、以下のような点が挙げられます。

法令遵守の確保

リフォーム工事によって建物の構造や間取りが変更される場合、地方自治体の建築基準法に則って適切な基準を満たしていることを確認する必要があります。

建築確認申請を行うことで、法令遵守の義務を果たし、安全かつ適切なリフォームを行うことができます。

建築物の安全性の確保

リフォーム工事によって建物の構造が変更される場合、耐震性や耐火性などの安全性が損なわれる可能性があります。

建築確認申請を通じて、建物の安全性を確保するための必要な対策や補強が適切に行われることが期待されます。

保険やローンの利用

建築確認申請が行われたリフォーム工事は、一定の基準を満たしているため、保険やローンの利用がしやすくなります。

金融機関や保険会社は、建築確認申請が行われたリフォームに対して、より信頼性を持って取引を行う傾向があります。

将来の売却や賃貸に対する影響

建築確認申請が行われたリフォーム工事は、将来の売却や賃貸においても査定や評価が高まる可能性があります。

建築確認申請によって、工事内容や建物の状態が正確に記録され、信頼性のある情報として活用されることが期待されます。

マンションのリフォームにおける建築確認申請の対象

マンションのリフォームにおける建築確認申請の必要性は、工事の規模や内容によって変わります。
リフォームの際に建築確認申請が必要かどうかを判断する際には、以下のポイントに留意することが重要です。

リフォームの規模と建築確認申請

大規模なリフォーム

建物の大規模修繕工事に関わるような変更・増築・用途変更などの場合には、建築確認申請が必要です。
主要構造部分の修繕や模様替えも該当します。

小規模なリフォーム

木造2階建て以下の住宅で、増築を伴わない限り建築確認申請は不要です。
屋根の葺き替えや外壁の改修などの軽微なリフォームは、確認申請の対象外となります。

確認申請の対象と例外

対象

大規模なリフォームには必ず確認申請が必要です。
これには、増改築や大規模な構造部分の修繕が含まれます。
特に、準防火地域内での増築や増改築は、面積にかかわらず確認申請が必要です。

例外

木造2階建て以下の住宅や特定の建物において、一部の小規模なリフォームは確認申請の対象外となります。
ただし、これらの例外にも増改築や構造変更が含まれる場合、確認申請が必要です。
リフォーム計画を立てる際には、建築確認申請の有無や手続きについても十分に調査し、適切な対応を行うことが重要です。

建築確認申請の判断基準

建築確認申請は、建築物の計画や構造が法令に適合していることを確認する重要な手続きです。

申請の際には、特定の基準に従って審査が行われます。それらの判断基準について解説します。

建築基準法の適合性

建築確認申請が受理されるためには、建築基準法に則った建物であることが必要です。

これは、耐震性、耐火性、建物の構造など、法律で定められた基準を満たしているかどうかを意味します。

建物の用途と規模

建築確認申請の判断基準には、建物の用途と規模も含まれます。

住宅、商業施設、工場など、それぞれの用途に応じた基準があります。また、建物の規模や階数も、申請の審査に影響を与えます。

安全性と公共性

建築確認申請は、建物の安全性と公共の利益を考慮して審査されます。

建物が周囲の環境や安全基準に適合し、周辺住民や利用者に対するリスクを最小限に抑える必要があります。

環境への配慮

近年では、環境への配慮も建築確認申請の重要な要素となっています。

省エネルギー、再生可能エネルギーの利用、廃棄物の処理など、建物が持続可能な形で環境に配慮しているかどうかが判断されます。

地域の都市計画

地域の都市計画や建築制限区域に応じて、建物の外観や高さなどが規定されています。

建築確認申請では、これらの地域規制に準拠しているかどうかも重要な判断基準です。

雨樋の重要性

雨樋は、建物の屋根から流れ落ちる雨水を効率的に地上まで導くための重要な設備です。雨樋がなければ、屋根から直接流れ落ちる雨水が建物の外壁や基礎にダメージを与える可能性があります。

特に、長期間にわたる雨水の浸食は、建物の劣化を加速させ、修繕費用の増加を招きます。雨樋は、雨水の流れをコントロールすることで、建物の耐久性を高め、快適な住環境を保つ役割を果たします。さらに、雨樋は庭や歩道への水の飛散を防ぎ、建物周囲の景観を保護する効果もあります。このように、雨樋は見た目の美しさだけでなく、建物の構造を守るためにも重要です。

雨樋の役割

雨樋の主な役割は、屋根から流れ落ちる雨水を地面まで安全に導くことです。これにより、雨水が建物の外壁や基礎に直接触れるのを防ぎ、建物の劣化を防ぎます。

また、雨樋は屋根からの水の流れをスムーズにすることで、雨の日でも建物の周囲が水浸しになるのを防ぎます。さらに、雨樋は雨水を一箇所に集めて排水するため、雨水を再利用するシステムとも連携しやすく、環境保護の観点からも優れています。特に都市部では、雨樋がないと道路に雨水が流れ込み、洪水の原因となることがあります。したがって、雨樋は都市環境の管理にも重要な役割を果たしています。

雨樋の種類について|形状と特徴

半丸型(丸型)

半丸型の雨樋は、最も一般的で伝統的な形状の一つです。この形状は、丸みを帯びた断面が特徴で、雨水を効率的に流すことができます。

半丸型の雨樋は、そのシンプルな形状から取り付けが容易で、メンテナンスも簡単です。また、流れやすさが高いため、豪雨時にも詰まりにくいという利点があります。この形状は、古い建物や和風の建築にもよくマッチし、景観を損なうことなく設置できます。素材も多様で、塩化ビニール樹脂や金属製のものまで様々です。

角型

角型の雨樋は、モダンなデザインの建物に適した形状です。直線的でシャープな印象を与えるため、現代建築や商業施設などに多く採用されています。

角型は、見た目のスタイリッシュさだけでなく、断面が広いため、雨水の流量が多い場所でも効果的です。また、屋根や外壁と一体化しやすく、目立たずに設置できるため、デザイン性を重視する建物におすすめです。メンテナンスの際も、角ばった形状が清掃しやすく、詰まりにくいという特徴があります。

リバーシブル型

リバーシブル型の雨樋は、その名の通り、どちらの面を上にしても使用できる両面仕様が特徴です。このタイプは、設置場所やデザインに合わせて柔軟に対応できるため、非常に便利です。

リバーシブル型は、一度設置してからのメンテナンスや交換が容易で、長期的なコスト削減にもつながります。特に、天候や使用環境に応じて、最適な面を選んで使用することで、雨樋の寿命を延ばすことができます。デザイン面でも多様性があり、建物のスタイルに合わせやすい点が魅力です。

特殊型

特殊型の雨樋は、特定のデザインや機能を持つオーダーで作成されるものが多いです。

例えば、伝統的な日本家屋に合わせた和風デザインの雨樋や、特定の気候条件に適した強化型の雨樋などがあります。特殊型は、建物の美観や特別な機能性を追求するために設計されており、他の形状にはない独自の魅力があります。設置には専門的な知識と技術が必要ですが、その分、建物に合わせた最適な雨水管理が可能となります。素材も多岐にわたり、耐久性や美観を重視した選択ができます。

雨樋に使われる素材の種類

塩化ビニール樹脂

塩化ビニール樹脂は、軽量で耐久性が高く、コストパフォーマンスに優れた素材です。耐食性が高いため、錆びる心配がなく、メンテナンスも比較的簡単です。

また、塩化ビニール樹脂製の雨樋は、色やデザインのバリエーションが豊富で、建物の外観に合わせた選択が可能です。この素材は、特に住宅や軽量建築物に適しており、DIYでの取り付けも容易です。加えて、環境への負荷が少なく、リサイクルも可能なため、エコロジーの観点からも優れています。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウムと亜鉛の合金をコーティングした素材で、耐食性と耐久性に優れています。ガルバリウム鋼板製の雨樋は、強度が高く、長寿命であるため、商業施設や大型の建築物に適しています。

この素材は、耐熱性も高く、直射日光や高温環境にも耐えることができます。また、メンテナンスが少なくて済むため、長期的なコストパフォーマンスも優れています。見た目もシンプルで、モダンなデザインの建物にもよく合います。

銅製の雨樋は、美しい外観と高い耐久性が特徴です。銅は、経年変化によって独特の風合いを持つ緑青色に変わり、これが建物に趣を与えます。また、銅は自然な抗菌性を持っており、苔やカビの発生を抑える効果があります。耐腐食性も高く、特に歴史的建造物や高級住宅に多く使用されています。ただし、素材のコストが高く、取り扱いには専門的な技術が必要です。しかし、その美観と耐久性から、長期的に見ると非常に価値のある選択となります。

ステンレス・アルミニウム

ステンレスとアルミニウムは、軽量でありながら高い耐久性を持つ素材です。特にステンレスは、錆びにくく、耐腐食性に優れているため、海沿いの建物や工業地帯など、過酷な環境でも使用可能です。

一方、アルミニウムは、加工が容易でデザインの自由度が高く、様々な建物に対応できます。これらの素材は、メンテナンスが少なくて済み、長期間にわたり美しさを保つことができます。さらに、リサイクル可能な素材であり、環境への配慮もされています。

雨樋の部品とその役割

軒樋(のきどい)

軒樋は、屋根の端に沿って設置される横方向の雨樋で、屋根から流れ落ちる雨水を受け止める役割を担います。軒樋は、建物全体の雨水管理において最初のステップとなり、ここで集められた雨水が他の部

品へと流れていきます。適切な設置とメンテナンスが必要で、詰まりやすい箇所でもあるため、定期的な清掃が重要です。また、軒樋のデザインや素材は建物の外観にも影響を与えるため、美観と機能性を両立させる選択が求められます。

集水器(しゅうすいき)

集水器は、軒樋から集めた雨水を一箇所に集めて縦樋へと導く役割を持っています。この部品は、雨水を効率的に流すための重要なポイントであり、詰まりやすい箇所でもあります。

適切なサイズと形状を選ぶことで、雨水の流れをスムーズに保つことができます。集水器は、デザイン面でもバリエーションが豊富で、建物の美観を損なわないような選択が可能です。また、雨水を再利用するシステムと連携する場合にも、集水器の性能が重要となります。

縦樋(たてどい)

縦樋は、集水器から流れてきた雨水を地面まで導く垂直方向の雨樋です。縦樋は、建物の壁面に沿って設置され、雨水を地面や排水システムへと確実に排出します。

この部分は、建物の構造上重要な役割を果たしており、詰まりや破損が発生すると建物全体の雨水管理に影響を与えるため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。縦樋の素材やデザインも多様で、建物の外観に調和するものを選ぶことが求められます。

エルボ

エルボは、雨樋の方向を変えるためのL字型の部品です。軒樋から縦樋への接続部分や、建物の角を通す際に使用されます。エルボは、雨水の流れをスムーズに保つための重要な役割を果たしており、適切なサイズと角度で取り付けることが必要です。

また、エルボは詰まりやすい箇所でもあるため、定期的な清掃が求められます。エルボのデザインや素材も多様で、建物の外観に合わせた選択が可能です。

呼び樋

呼び樋は、縦樋と排水口をつなぐ役割を持つ部品です。雨水を確実に地面や排水システムへと導くための重要な役割を果たしています。呼び樋は、雨水の流れを途切れさせずにスムーズに保つため、適切なサイズと形状で設置される必要があります。

また、呼び樋も詰まりやすい箇所であるため、定期的な点検と清掃が重要です。呼び樋の素材やデザインも多様で、建物の外観に調和するものを選ぶことが求められます。

雨樋のメンテナンスと選び方

メンテナンス

雨樋のメンテナンスは、建物の寿命を延ばすために非常に重要です。定期的に雨樋を点検し、詰まりや破損を早期に発見・修理することで、雨水によるダメージを防ぐことができます。

特に、落ち葉やゴミが溜まりやすい軒樋や集水器は、季節ごとに清掃を行うことが推奨されます。また、雨樋の素材や形状によってメンテナンスの頻度や方法が異なるため、適切なメンテナンスプランを立てることが重要です。専門業者による定期的な点検も効果的です。

選び方のポイント

雨樋の選び方には、いくつかのポイントがあります。まず、建物のデザインや外観に調和する素材や形状を選ぶことが重要です。次に、地域の気候や環境に適した耐久性の高い素材を選ぶことが求められます。

また、設置場所や雨水の流量に応じた適切なサイズや形状を選ぶことで、雨水のスムーズな流れを確保することができます。最後に、メンテナンスのしやすさも考慮に入れた選択をすることで、長期的に見た場合のコストパフォーマンスを向上させることができます。

雨樋の修繕と費用について

雨樋(あまどい)は、屋根に降った雨水を適切に排水するための重要な設備です。しかし、経年劣化や強風、台風などの影響で破損すると、雨水が適切に流れず、外壁や基礎部分の劣化を引き起こす原因になります。雨樋の修繕は、建物の耐久性を維持するために欠かせない工事のひとつです。

雨樋の修繕が必要な主な症状

雨樋の不具合は放置すると雨漏りや外壁の腐食、地盤沈下の原因になるため、定期的な点検と修繕が必要です。以下のような症状が見られたら、早めに対応しましょう。

1. ひび割れ・破損

  • 長年の紫外線や気温変化によって樹脂製の雨樋が劣化し、ひび割れや破損が発生することがあります。
  • 破損部分から水が漏れると、外壁や地面に水が落ち続け、劣化を早める原因になります。

2. 変形・歪み

  • 強風や積雪の重みで雨樋が曲がったり外れたりすることがあります。
  • 変形すると、適切に排水できず、水が溢れる原因になります。

3. 詰まり・水漏れ

  • 落ち葉やゴミが詰まることで、水がスムーズに流れなくなり、あふれることがあります。
  • 長期間放置すると、雨水が外壁や屋根に浸入し、カビや腐食の原因になります。

雨樋修繕の種類と工法

雨樋の修繕方法は、破損の程度や素材によって異なります。主な修繕方法を紹介します。

修繕方法内容費用相場(目安)
部分補修ひび割れや小さな破損部分を補修する1万円~3万円
雨樋の交換(部分的)破損した一部分を新しい雨樋に交換3万円~7万円
雨樋の交換(全体)劣化が激しい場合に雨樋をすべて交換10万円~30万円
清掃・メンテナンス落ち葉やゴミの除去、勾配の調整5,000円~2万円

※費用は建物の規模や使用する材料、業者によって異なります。

雨樋修繕の費用を抑えるポイント

雨樋の修繕は、適切なタイミングで行うことで、コストを抑えながら建物の耐久性を維持することができます。

  1. 定期的な点検と清掃を行う
     - 落ち葉やゴミが詰まると、破損や劣化の原因になるため、年に1~2回の清掃を実施するのが理想的です。
  2. 部分補修で対応できるうちに修理する
     - 軽微なひび割れや歪みは、早めに補修することで全交換のコストを回避できます。
  3. 複数の業者から見積もりを取る
     - 修繕費用は業者によって異なるため、相見積もりを取ることで適正価格で修理が可能になります。
  4. 大規模修繕と一緒に工事を行う
     - マンションの外壁塗装や屋根修繕と同時に行うことで、足場の設置費用を抑えることができます。

雨樋は、建物を雨水から守る重要な設備ですが、破損や詰まりを放置すると、雨漏りや外壁の劣化につながります。定期的な点検とメンテナンスを行い、必要に応じて適切な修繕を実施することが大切です。修繕の際は、部分補修で対応できるうちに対処することや、大規模修繕と合わせて工事を行うことで、コストを抑えることができます。早めの対応で、建物の耐久性を維持し、快適な住環境を守りましょう。

雨樋の種類についてのまとめ

雨樋は、建物の耐久性と快適な住環境を保つために不可欠な設備です。適切な形状と素材を選び、定期的なメンテナンスを行うことで、雨水によるダメージを防ぎ、建物の寿命を延ばすことができます。

また、雨樋のデザインや設置場所にこだわることで、建物の外観を美しく保つことも可能です。雨樋の役割や種類を理解し、最適な雨樋を選ぶことで、快適で安心な住環境を実現しましょう。

多くの人が居住して生活を送るマンションは、さまざまな資材を用いることによって形作られています。

なかでも、マンションの鉄部はさまざまな場所で見受けられ、日常的に使用されています。

鉄部にあたる部分は、駐輪場・玄関の扉や枠・手すり・防火扉・給水管などが挙げられます。

長きにわたって良い状態で鉄部を使用していくためには、鉄部の塗装工事が必要です。

鉄部における塗装工事は頻繁に行うものではありませんが、定期的なメンテナンスを必要とし、適切な処置を行わなければさまざまなリスクに見舞われます。

そこで今回は、マンションの鉄部塗装工事における適切な周期をはじめ、工事の必要性や工事の流れなどの詳細についてご説明いたします。

鉄部とは?なぜ鉄部塗装工事が必要なの?

マンションにおける鉄部と聞いて、どのような箇所を思い浮かべますか。

基礎に使用されている鉄筋は鉄で作られていますが、鉄部には含まれません。

鉄部と言われる箇所は、下記のものが挙げられます。

  • エレベーターに使用されている扉や枠
  • 鉄や鋼で作られていた外階段
  • 玄関に使用されている扉や枠
  • 非常階段の扉
  • 鉄製の駐輪場や駐車場
  • 鉄や鋼製の手すり
  • 防火扉
  • 電気・水道・ガスなどの設備を収納したメーターボックス
  • 消火栓設備を収納した消火栓ボックス
  • 各家庭に飲料水を供給する役割を持つ給水管
  • 屋上や屋根に設置された避雷針

名称のとおり、鉄部は鉄または鋼で作られているものを指します。

ほとんどのものが室内ではなく屋外に設置されており、風や雨などの影響を受けやすい点が特徴です。

マンションの新築当初は、鉄部に塗装が施されているため、見た目や機能において問題がありません。

しかし、風や雨などの影響を長年にわたって受け続けると鉄や鋼は色あせ・汚れ・塗膜の浮きや剥がれ・ひび割れなどを引き起こします。

さらに劣化した部分に雨水が浸入すると、さびで劣化します。

鉄部のさびは機能や耐久性に問題が生じるさせるだけでなく、美観にも影響するでしょう。

機能性や美観が損なわれてしまうとマンションの資産価値は下がり、入居を希望される方が減る原因になる可能性があります。

そのため、マンションを良い状態で保ち続けるためには、鉄部の塗装を定期的に行うことが大切です。

鉄部の劣化を放置するリスク

マンションにおいて、外階段の色あせや玄関扉の塗膜浮きなどが起こっていませんか。

そのような症状が見られる場合は、塗装工事を検討しましょう。

もし鉄部の劣化を放置してしまうと、下記のようなリスクが想定されます。

さびによる機能性の低下

「鉄製の扉がさびによって開きにくくなった」「開閉するたびに扉から異音がする」という経験はありませんか。

鉄部は雨や空気によってさび発生し、機能性を低下させます。

火事の際に消火栓ボックスがなかなか開かないという事態が引き起こしてしまうと、居住者の生命にも関わる可能性も考えられるでしょう。

各箇所における機能をしっかりと果たすためには、定期的な塗装工事が必要です。

美観が損なわれる

新築当初は鉄部への塗装工事が行われているため、見た目がきれいです。

しかし、時がたつほどに劣化は進みます。

定期的な塗装工事を行わない場合、色あせが進んで見た目が悪くなるでしょう。

手入れされていない建物は居住者や居住希望者へ悪い印象を与えてしまい、資産価値が下がる原因です。

多くの方に居心地の良さで選ばれる快適な場所を維持するには、定期的な塗装工事が欠かせません。

鉄部の耐久性が損なわれる

色あせや塗膜浮きを放置していると、鉄部の耐久性は損なわれてしまいます。

鉄部は風や雨の影響を受けやすく、サビが発生した部分は対応しなければ、より範囲を広げ内部まで進行します。

振動や接触によってボロボロと鉄部の一部がとれたりする状態になると、鉄部は安全な状態とはいえません。

見た目だけではなく、耐久性の問題で居住者へ不安を与えてしまうでしょう。

また、鉄部の取り換えや補修には、多くの時間や費用が掛かります。

コストを抑えながら安全に使用し続けられる環境を整備するためには、鉄部のメンテナンスが重要です。

鉄部が劣化する症状

マンションの鉄部が劣化する症状として、どのようなものが見られるかご存じでしょうか。

塗装工事を検討する際には、建物の劣化状況を踏まえておくことが必要です。

劣化の症状は、段階的に起こります。

以下のような劣化の症状がみられる場合は、注意しましょう。

艶がなくなる・色があせる

鉄部が劣化することによってまず艶がなくなり、色あせが生じます。

劣化によって塗膜表面に目に見えないほどの凹凸が生じ、光の反射が均一にならないことが原因です。

艶落ちや色あせなどの症状が現れる目安としては、前回の塗装工事から約3年と言われています。

チョーキング現象の発生

鉄部に触れてみて手に塗料の色がついた場合、チョーキングが起こっています。

チョーキング現象とは塗料に含まれる樹脂が太陽の光・熱・雨水によって劣化し、塗料のなかにある顔料が表面に出てしまう症状です。

症状が現れる目安としては、前回の塗装工事から約3〜5年といわれています。

ひび割れ・剥がれ

鉄部の劣化が進むと、ひび割れや剥がれが生じます。

ひび割れや剥がれは耐久性を損ねてしまうため、注意が必要です。

前回の塗装工事より、7年前後が症状の現れる目安とされています。

鉄部塗装工事の周期目安

マンションの鉄部を良い状態で保つには、鉄部の塗装工事が欠かせません。

しかし、どのような周期で行うのかについて、悩まれる方も多くいらっしゃいます。

一般的な周期の目安としては、前回の工事から約3〜6年が目安です。

前回の工事から年数が経って劣化の症状が見られる場合は、鉄部の塗装工事について検討してみましょう。

また、前回の工事から年数が経過していなくても、著しい劣化の症状が見られる場合は、施工を行う会社への相談が賢明です。

日々における劣化の状況を見極めるためには、定期的な点検を怠らないように行いましょう。

定期的な点検を行うことで劣化の状況をいち早く把握し、早急に対応できます。

鉄部塗装工事の流れ

マンション鉄部の塗装工事は、どのような流れで行われるのでしょうか。

施工を依頼する前に、進め方について知っておくことが大切です。

鉄部における塗装工事は、下記のような流れで行われます。

  1. STEP

    ケレン

    サンドペーパーや専用の電気工具を使い、鉄部に付着している古い塗膜やさびを落とす作業がケレンです。

    ケレンによる下処理を行った後は、鉄部の表面を傷つける目粗しをして塗料を密着させやすい状態をつくります。

  2. STEP

    養生

    塗装箇所以外は塗装の必要がないため、周囲を養生します。

    マスキングテープやビニールテープを使い、塗料の飛散や塗り間違いを防ぎます。

  3. STEP

    下塗り

    下塗りでは、さび止めの塗料を塗ります。

    油性タイプ・エポキシ樹脂タイプ・ウレタン樹脂タイプなどの種類があり、さびの状況に応じたものを使用します。

  4. STEP

    中塗り・上塗り

    下塗りが乾燥したら、中塗りと上塗りです。

    中塗りは下塗りしたさび止め塗料を保護する効果があり、重要な工程です。

    乾燥した中塗りの上に上塗りを行い、乾燥したら完了です。

住民が気をつけるポイントとは

鉄部の塗装工事は、居住者から了承や協力を得なければ、進めていくことが難かしい場合もあります。

居住者の理解を得るためには、下記のポイントを押さえておきましょう。

十分な換気

鉄部における塗装工事では、さまざまな塗料を使用します。

塗料にはにおいがあり、換気が必要です。

玄関の扉を塗装する際は、室内の換気をしっかりと行いましょう。

また、外階段や消火栓ボックスなどの共有部分で塗装が行われる際は、工事の時間帯や施行場所について把握しておくことが重要です。

塗ったばかりの部分に触らない

塗料を塗ったばかりの部分は、塗料が乾いておらず取れやすいです。

手についてしまうと、なかなか取れない場合がありえます。

また、歩いている際にバッグや服についてしまうことも考えられるため、できるだけ触れないように注意を促しましょう。

車両における養生を依頼する

駐輪場や駐車場での塗装工事は、養生を行わないと自転車・バイク・自動車などを汚してしまいます。

塗料は取れにくいため、大切な車両を守るためにも養生が必要です。

養生には養生シートやビニールなどが使われており、取り外すには時間がかかります。

そのため、外出時には養生を外す時間も含め、余裕を持った行動が必要です。

在宅待機

玄関の扉を塗装する場合、在宅待機が必要なことがあります。

その際は、事前に在宅についてのアンケートが取られることがほとんどです。

指定した時間に作業員が訪問しますので、塗装作業が終わるまでは家で待機しましょう。

もし指定の時間帯で外出してしまうと、工事のスケジュールにズレが生じてしまい、スムーズに施工できない場合があります。

また玄関扉の塗装では、周辺の私物が汚れないように移動が必要になることも考慮しましょう。

まとめ

  • マンションの鉄部は、外部階段・扉・手すりなどに使われ、風雨などの影響を受けやすい。
  • 劣化すると見た目や機能に問題が生じ、さびによる機能低下や美観の損傷、耐久性の低下が起こる可能性がある。
  • 鉄部の劣化の症状には、艶落ち・色あせ・チョーキング現象・ひび割れや剥がれなどがあり、定期的な点検が必要である。
  • 一般的な塗装工事の周期は前回の工事から約3〜6年であり、劣化の症状や建物の状況に応じて検討されるべきである。
  • 塗装工事の流れは古い塗膜やさびを落とすケレン・塗装箇所以外を保護する養生・下塗り・中塗り・上塗りの順で行われる。
  • 塗装工事の施行中は、換気・塗料の触れ方・車両の養生・施行中の在宅待機など、住民へのお願いと協力を呼びかけ、工事の円滑な進行と安全を確保する必要がある。

マンションでの生活において、鉄部は日常の生活に欠かせない部位であり、機能性を保つことが大切です。

定期的なメンテナンスをしっかり行い、安全で快適な環境を整備しましょう。