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大規模修繕

ウレタン防水の工程を完全解説!施工の流れ・期間・注意点までわかるガイド

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する防水工法で、住宅やマンションの屋上・ベランダをはじめ、多くの建物で採用されています。柔軟性が高く、凹凸のある面や複雑な形状にも対応できるのが大きな特長です。

しかし、実際の工事がどのように進むのか、どれくらいの期間がかかるのか、初めて施工を依頼する方にとっては分かりにくい点も多いでしょう。

本記事では、ウレタン防水工事の工程や各作業の目的と注意点、工期の目安などを解説します。
さらに、密着工法と絶縁工法の違いにも触れながら、安心して工事を任せるための知識もまとめてるので、防水工事を依頼する方や、改修計画を立てている方はぜひ参考にしてください。

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ウレタン防水とは?基本知識と特徴

ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。施工後に継ぎ目のないシームレスな仕上がりになるため、複雑な形状の屋上やベランダにも対応できます。

主な施工方法には、下地に直接塗布する「密着工法」と、通気緩衝シートを用いて下地と絶縁する「絶縁工法(通気緩衝工法)」があります。密着工法は工期が短く、費用も抑えられますが、下地の状態によっては膨れなどの不具合が出る場合もあります。一方、絶縁工法は下地の影響を受けにくく、耐久性にも優れています。

ウレタン防水の基本工程について解説|密着工法の場合

ウレタン防水工事は、調査から仕上げ、検査まで一連のステップで構成されています。各工程には防水性能や施工品質を左右する重要な役割があり、ひとつひとつが工事成功の鍵となります。ここでは、全体の流れを把握しやすいように、各ステップの目的や作業内容を順にご紹介します。

ウレタン防水工事の密着工法は、以下のような流れで進行します。

  1. 現地調査・劣化診断
  2. 高圧洗浄
  3. 下地処理(ひび割れ補修・段差調整など)
  4. プライマー塗布
  5. ウレタン防水材の1層目塗布
  6. ウレタン防水材の2層目塗布
  7. トップコート塗布
  8. 完了検査・引き渡し

それぞれの工程について、詳しく解説します。

ウレタン防水における各工程と作業内容1.現地調査・劣化診断

最初に行うのが現地の確認と既存防水層の劣化診断です。建物の構造、防水層の種類、ひび割れや剥がれ、浮きなどを確認し、最適な工法と材料を決定します。

ウレタン防水における各工程と作業内容2.高圧洗浄・下地処理

表面の汚れやカビを高圧洗浄で除去した後、ひび割れ補修や段差調整などの下地処理を行います。この作業が不十分だと防水材の密着性が落ち、施工不良の原因になります。

ウレタン防水における各工程と作業内容3.プライマー塗布

下地とウレタン樹脂の密着を高めるために、プライマー(接着剤)を塗布します。均一に塗り、適切な乾燥時間を取ることが重要です。

ウレタン防水における各工程と作業内容4.ウレタン防水材の1層目塗布

防水材の1層目をローラーやコテで塗布します。気泡やムラが出ないよう丁寧に作業し、適切な厚みを確保します。

ウレタン防水における各工程と作業内容5.ウレタン防水材の2層目塗布

1層目の硬化を確認した後、2層目を塗布して厚みを増し、防水性能を高めます。トータルで3mm前後の厚さが確保されるのが一般的です。

ウレタン防水における各工程と作業内容6.トップコートの施工

紫外線や摩耗からウレタン層を保護するために、トップコートを塗布します。グレーやグリーンなどの色が選べる場合もあり、意匠性も兼ね備えます。

ウレタン防水における各工程と作業内容7.完了検査・引き渡し

最終的に施工箇所を検査し、不具合がなければ引き渡しとなります。保証書の発行やアフターメンテナンスの説明も行われます。

今回解説したウレタン防水の工程は、「密着工法」をベースにした施工の流れです。下地に直接ウレタンを塗布するタイプで、一般的なベランダや屋上の防水改修で広く用いられています。ただし、前項でも触れているように、絶縁工法(通気緩衝工法)では一部工程が異なります(通気シート設置など)。

事項にて詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

ウレタン防水の基本工程について解説|絶縁工法(通気緩衝工法)の場合

ウレタン防水には、前項で紹介した下地に直接塗布する密着工法のほかに、通気緩衝シートを介して防水層と下地を絶縁する「絶縁工法(通気緩衝工法)」があります。絶縁工法は、下地に湿気が多い場合や、膨れリスクを避けたい場合に有効で、耐久性・安定性に優れるため、マンションの屋上や雨漏りリスクの高い箇所に採用されることが多いです。

ウレタン防水の絶縁工法の基本的な工程は以下のとおりです。

  1. 現地調査・劣化診断
  2. 高圧洗浄・下地処理
  3. 通気緩衝シートの貼付け
  4. 脱気筒(ベンチレーター)の設置
  5. プライマー塗布
  6. ウレタン防水材の1層目塗布
  7. ウレタン防水材の2層目塗布
  8. トップコート塗布
  9. 完了検査・引き渡し

それぞれの工程について、詳しく解説します。

現地調査・劣化診断

まず最初に行うのが現地調査と劣化診断です。建物の構造や既存防水層の種類、劣化状態(ひび割れ・膨れ・剥がれなど)を細かくチェックし、絶縁工法が適切かを判断します。この調査結果をもとに、使用する通気緩衝シートの種類や脱気筒の設置位置を決定します。

高圧洗浄・下地処理

下地に付着した汚れや藻、旧塗膜を高圧洗浄でしっかり落とし、施工面をきれいに整えます。その後、ひび割れや段差、脆弱部の補修などを行い、通気シートがしっかりと密着できるように下地の状態を万全にします。仕上がりや耐久性に直結する工程です。

通気緩衝シートの貼付け

防水層と下地を直接密着させないための専用シートを全面に貼り付けます。このシートには細かな通気孔があり、下地から発生する水蒸気を逃がす役割を持っています。シートの重ねしろや貼付方向にも注意し、密着不良が出ないよう慎重に施工します。

脱気筒(ベンチレーター)の設置

通気シート内の水蒸気や空気を外部に排出するための装置「脱気筒」を設置します。通常、一定面積ごとに設置され、屋上などでは特に重要です。設置位置が適切でないと通気効果が得られず、膨れなどの施工不良につながるため、経験に基づいた配置計画が重要です。

プライマー塗布

通気緩衝シートとウレタン防水材との密着性を高めるため、プライマーを均一に塗布します。シートの材質に合わせた専用プライマーを使用し、施工後はしっかり乾燥させます。乾燥不足は密着不良の原因となるため、気温・湿度に合わせた施工判断が必要です。

ウレタン防水材の1層目塗布

プライマーが十分に乾いたのを確認したうえで、ウレタン防水材の1層目を塗布します。ローラーやコテを使い、凹凸のない均一な厚みになるよう丁寧に仕上げます。この1層目が防水性能の土台となるため、施工者の技術が問われる重要な工程です。

ウレタン防水材の2層目塗布

1層目の硬化を確認したのち、さらに防水性を高めるために2層目を塗布します。目標とする防水層の厚み(約3mm前後)を均等に確保しながら、塗りムラやダレが出ないよう注意深く作業を進めます。最終的な耐久性・仕上がりに直結します。

トップコート塗布

ウレタン防水層を紫外線や摩耗から守るため、保護用のトップコートを塗布します。色はグレーやグリーンなどから選べ、意匠性も兼ねます。耐候性を高めると同時に、定期メンテナンス時の目視確認もしやすくなる重要な仕上げ工程です。

完了検査・引き渡し

すべての施工が完了したら、工程ごとのチェックや仕上がり確認を行い、問題がなければ引き渡しとなります。脱気筒や端部の仕上がり、防水層の厚みなどを細かく検査します。保証書の発行や今後のメンテナンス計画についての説明もあわせて行われます。

工程のポイント

  • 通気緩衝シートの貼付け:下地と防水層を密着させないことで、下地から発生する水蒸気を逃がしやすくし、膨れを防止します。
  • 脱気筒の設置:水蒸気を排出するためのパーツで、一定の面積ごとに設置されます。これにより通気性能が確保され、防水層の安定性が向上します。

密着工法と比べて材料費・手間が増えるため費用は高くなりますが、下地の状態に左右されにくく、長期的な安定性を重視する場面では非常に有効な工法です。

ウレタン防水の工程期間と目安日数

ウレタン防水工事は、使用する工法や施工箇所の広さ、気候条件によって所要日数が変わります。施工のタイミングやスケジュール調整に悩む方のために、一般的な期間の目安とその内訳を詳しく解説します。

戸建てのベランダからマンションの屋上まで、それぞれのケースで工期にどのような違いがあるのかを把握しておくことが大切です。

工程期間の目安と実際の流れ

ウレタン防水工事の平均的な工期は、戸建てベランダ(20〜30㎡)で4〜5日間が目安です。以下はその一例です。

  • 1日目:高圧洗浄・下地処理
    汚れや既存の劣化部を取り除く工程。下地の状態により所要時間は変動します。
  • 2日目:プライマー塗布・1層目塗布
    接着剤としてのプライマーを塗り、1層目のウレタン樹脂を均一に施工します。
  • 3日目:2層目塗布
    防水性能を高めるために厚みを確保しながら塗布。1層目の完全硬化後に施工されます。
  • 4日目:トップコート塗布・養生
    紫外線や摩耗対策のための保護仕上げ。作業後の乾燥養生が必要です。
  • 5日目:完了検査・引き渡し
    施工状況を確認し、保証内容やメンテナンス説明を経て引き渡します。

マンションの屋上や広範囲の施工では、天候や作業効率の兼ね合いで1〜2週間程度の期間がかかる場合もあります。梅雨時期などは予備日を見込んだスケジュール調整が求められます。

ウレタン防水の工程で注意すべきポイント

ウレタン防水の施工は、正しい手順と環境管理が揃ってこそ高品質な仕上がりになります。とくに各工程の合間にある「乾燥・硬化時間」は、施工の成否を左右する重要なファクターです。

ここでは、現場で特に注意すべき3つのポイントについて詳しく解説します。

乾燥時間の厳守

ウレタン防水は湿気や空気中の水分に反応して硬化するため、塗布後の乾燥時間を守ることが絶対条件です。たとえば、プライマーの上にウレタン材を塗布する場合、完全に乾燥しないうちに次の工程へ進むと密着性が低下し、浮き・膨れ・剥がれの原因となります。

1層目・2層目・トップコートのそれぞれにも所定の乾燥時間があり、施工環境によっては予定より時間がかかることもあるため、職人の経験と現場判断が求められます。

気温と湿度の影響

気温が5℃以下または湿度85%以上の場合、ウレタン防水材は硬化しにくくなり、不完全な防水層となる恐れがあります。とくに梅雨や真冬の施工は慎重な判断が必要で、場合によっては日程変更も視野に入れるべきです。逆に夏場の高温時には硬化が早まりすぎて施工ムラが出やすくなるため、塗布量や作業スピードの調整が必要です。

施工当日の天候だけでなく、前後の予報もチェックすることが重要です。

施工中の立ち入り制限

ウレタン防水材は塗布後しばらくの間、柔らかく粘着性がある状態です。この段階で人が歩いたり物を置いたりすると、防水層が傷ついたり凹んだりして防水性に支障をきたす場合があります。とくに屋上やベランダなど共用部分では、工事中の立ち入りを確実に制限する必要があります。

万が一、工事中に誤って接触してしまった場合は、部分的に補修を行うことになりますが、見た目の違和感や耐久性の低下につながることもあります。

ウレタン防水の工程でよくある質問(FAQ)

ウレタン防水工事を検討中の方や、工事中の対応に不安を感じている方からは、さまざまな疑問や質問が寄せられます。ここでは、実際の施工現場やお客様とのやり取りで特によく聞かれるポイントについて、Q&A形式でわかりやすくまとめました。

事前に疑問を解消しておくことで、安心して工事を任せられます。

Q

工事中に雨が降ったらどうなりますか?

A

雨天時は作業が中止され、完全に乾燥してから再開します。工程管理により品質は確保されます。

Q

ウレタン防水はにおいやVOCが気になります。

A

使用する材料によってはにおいが発生しますが、換気とマスクで対応可能です。低臭タイプも選べます。

Q

トップコートの色は選べますか?

A

グレー、グリーンなど数種類のカラーから選べる場合があります。事前に施工業者に確認しましょう。

まとめ|ウレタン防水の工程を知ることで、安心して工事を任せられる

ウレタン防水は、柔軟性と密着性に優れた信頼性の高い防水工法です。しかし、その性能を最大限に発揮させるためには、正しい工程で丁寧に施工されることが不可欠です。調査から下地処理、塗布、トップコート、検査まで、それぞれのステップには明確な役割があり、どれかひとつを軽視するだけで仕上がりや耐久性に大きな差が生まれます。

本記事で紹介した内容を理解しておけば、見積もり内容や施工スケジュールの確認時に的確な判断ができ、工事中も安心して任せられるはずです。とくに乾燥時間や天候への配慮、施工後の立ち入り管理など、施主として意識すべき点も少なくありません。信頼できる施工業者と十分にコミュニケーションを取りながら、満足のいく防水工事を実現しましょう。

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