防水工事とは?屋上防水・ベランダ防水の種類や費用・工事の流れまで解説

建物の屋上や屋根の雨漏りや腐食を防ぎ、建物の耐久性を高めるために重要な防水工事。 しかし、種類や施工方法、費用など、さまざまな疑問が浮かぶのではないでしょうか？

本記事では、防水工事の基礎知識や種類、施工方法、費用相場、耐用年数、防水工事のタイミングやリフォーム業者の選び方のポイントなど詳しく解説していきます。

マンションや戸建てなどの建物オーナーの方は必見！ ぜひ、最適な防水工事を見つけて、建物を長持ちさせましょう。

防水工事とは?

防水工事とは、建物の劣化や雨漏りを防ぐために必要な工事です。建物内部に雨水などが浸入すると、建物の耐久性が低下したり、カビや腐食などの原因となります。防水工事を行うことで、建物の寿命を延ばし、快適な生活環境を維持することができます。

防水工事には、様々な種類があります。代表的なものとしては、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法は、施工方法や耐久性、費用などが異なるため建物の状態や用途に合わせて、適切な工法を選択することが重要です。

防水工事が必要な理由

屋上やベランダは日常的に紫外線や風雨、積雪などの自然環境にさらされており、防水層は時間とともに劣化します。防水層の寿命を超えて使用し続けると、雨水が浸入し、躯体の鉄筋が錆びたり、断熱材が腐食したりといった被害を引き起こします。定期的な屋上防水やベランダ防水の点検・補修により、建物の耐久性と快適性を維持することができます。

また、防水工事を行うことで、以下のような効果が得られます。

• 雨漏りを未然に防ぐ
• 建物の寿命を延ばす
• 内装や構造体の損傷を防止する
• カビ・シロアリ・結露の発生リスクを軽減

防水工事の主な種類と施工方法

防水工事には、建物の構造や施工場所、予算、耐久年数に応じてさまざまな種類があります。ここでは代表的な防水工法を4つ紹介します。

防水工事の種類1.ウレタン防水

液体のウレタン樹脂を塗布して、継ぎ目のない防水層を形成する工法です。複雑な形状にも対応でき、屋上防水・ベランダ防水のどちらにも多く採用されています。

通気緩衝工法（絶縁工法）のメリット・デメリット

• 既存の防水層の上に通気層を設ける
• 太陽熱を反射し遮熱効果がある
• 施工費用は高めだが、建物の負担が少ない

密着工法のメリット・デメリット

• 下地に直接ウレタンを塗布し密着させる
• 防水性・耐久性が高い
• 下地が良好でないと施工が難しい

防水工事の種類2.シート防水

シート防水は、防水シート（塩ビ・ゴム）を貼り付けて防水層を形成する工法です。広い屋上面などに多用され、「機械的固定工法」と「密着工法」の2種類があります。

機械的固定工法のメリット・デメリット

• 専用金具やビスでシートを固定
• 強風や地震に強く、短工期で施工可能

密着工法のメリット・デメリット

• 接着剤で下地に直接貼り付ける
• 施工が容易でコストも抑えられる
• 下地の状態に左右されやすい

防水工事の種類3.アスファルト防水

アスファルト防水は、アスファルト系の材料を使用し、熱や圧着によって防水層を形成する工法です。主に「熱工法」「トーチ工法」「冷工法」の3タイプに分かれます。

熱工法のメリット・デメリット

• アスファルトシートを加熱・貼付け
• 高い防水性と耐久性
• 煙・臭気が出るため注意が必要

トーチ工法のメリット・デメリット

• 改質アスファルトシートをバーナーで溶かして施工
• 耐久性が高く、複雑な形状にも対応可能

冷工法（常温粘着）のメリット・デメリット

• 常温の材料で施工でき、屋内や近隣環境にも配慮可能
• 耐久性は他の工法よりやや劣る傾向あり

防水工事の種類4.FRP防水

FRP防水（繊維強化プラスチック防水）は、ガラス繊維などを樹脂と一緒に積層して防水層を作る工法で、特にベランダやバルコニーに多く使用されます。

FRP防水のメリット・デメリット

• 高い強度と耐久性（鉄筋コンクリートよりも強い）
• 軽量で施工性が高く、短工期
• 防水性・意匠性に優れる
• 材料費と施工費がやや高め
• 紫外線に弱く、メンテナンスが必要

以上のように、防水工事の種類はそれぞれ異なる特性を持ち、施工場所・建物の状態・コスト・耐久性などを総合的に考慮して選ぶことが重要です。

防水工事の費用相場や耐用年数を解説

防水工事の費用相場は、施工面積や防水の種類、施工方法などによって異なります。 一般的な戸建て住宅の場合、約100万円～200万円程度が相場です。 より詳細な費用を知りたい場合は、専門業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

防水工事の耐用年数は、防水の種類によって異なります。 ウレタン防水は10～15年、シート防水は15～18年、アスファルト防水は12年～18年、FRP防水は15～20年が目安です。 耐用年数はあくまでも目安であり、使用環境やメンテナンス状況によって異なります。 定期的に点検を行い、必要に応じて補修を行うことで、耐用年数を延ばすことができます。

防水工事は、建物にとって重要なメンテナンスです。 費用相場と耐用年数を理解し、適切な時期に施工を行うことで、建物の寿命を延ばし、雨漏りなどのトラブルを防ぐことができます。

防水工事に関する助成金について

防水工事は、建物の寿命を延ばすために重要な工事です。しかし、費用がかかるため、躊躇してしまう方も多いでしょう。そこで、防水工事の費用を軽減するための助成金制度について紹介します。

防水工事に関する助成金には、大きく分けて2種類あります。

• 国や自治体が実施している助成金: 国土交通省や各自治体では、建物の維持管理を促進するため、防水工事に助成金制度を設けています。助成金の対象となる工事内容は、自治体によって異なります。
• 民間団体が実施している助成金: 一部の民間団体でも、防水工事に助成金制度を設けています。対象となる工事内容や助成金の額は、団体によって異なります。

防水工事に関する助成金の申請方法

防水工事における助成金の申請方法は、自治体や団体によって異なります。一般的には、以下の手順で申請します。

1. 対象となる工事内容を確認する: 助成金の対象となる工事内容を確認します。
2. 申請書類を準備する: 申請に必要な書類を準備します。申請書類には、工事計画書や見積書、住民票などが必要となる場合が多いです。
3. 申請窓口に提出する: 申請窓口に申請書類を提出します。申請窓口は、自治体や団体によって異なります。
4. 審査を受ける: 申請書類が審査されます。審査の結果、助成金の交付が決定されます。

防水工事に関する助成金情報を収集する方法

助成金情報を収集するには、以下の方法があります。

• 国土交通省のホームページ: 国土交通省のホームページでは、防水工事に関する助成金制度の情報が掲載されています。
• 各自治体のホームページ: 各自治体のホームページでは、防水工事に関する助成金制度の情報が掲載されています。
• 民間団体のホームページ: 一部の民間団体のホームページでは、防水工事に関する助成金制度の情報が掲載されています。

防水工事に関する助成金について、詳しい情報は国やお住まいの地域や自治体のホームページをぜひチェックしてみてください。

マンションや建物などの防水工事を行う際の劣化症状とは?

マンションや建物の劣化症状としては、外壁のひび割れや膨れ、浮き、色あせ、塗装の劣化、雨漏りの発生、パラペットや笠木の劣化・破損などの兆候が見られた場合が挙げられます。
これらの兆候が見られた場合は、早急に専門業者に相談し、防水工事の必要性や適切な工法について判断してもらうことが大切です。

以下では、防水工事を行う際に見られる主な劣化症状について詳しく解説します。

防水工事が必要な劣化症状1.ひび割れ（クラック）

防水層にひび割れが生じると、水分が浸透し、防水機能が失われます。ひび割れは、特にコンクリートや外壁に多く見られ、温度差や湿度、物理的な衝撃によって発生します。ひび割れが大きくなると、水が内部に入り込むため、防水工事を行うために早期の修繕が必要です。

防水工事が必要な劣化症状2.膨れ・浮き（タイルや防水シートの剥がれ）

防水層が膨れたり、浮き上がったりすることがあります。これは、下地に水分が浸透し、膨張することによって発生します。特にタイルや防水シートが浮いてくると、最終的には剥がれてしまい、水漏れの原因となります。膨れや浮きが目立つ場合、防水工事によって防水層を交換する必要があります。

防水工事が必要な劣化症状3.色褪せや変色

防水塗料やシートが紫外線や風雨にさらされることで、色が褪せたり、変色したりすることがあります。これは、防水塗料が劣化しているサインであり、防水性能が低下していることを示します。色褪せや変色が見られる場合、防水工事における再塗装や防水層の再施工が必要です。

防水工事が必要な劣化症状4.錆や腐食

金属部分（鉄筋、金属屋根など）が防水層の劣化により露出すると、錆びや腐食が発生します。特に鉄筋が腐食すると、コンクリートが膨張してひび割れを引き起こすことがあり、これは構造的な問題を引き起こします。錆や腐食が進行している場合、早期に防水工事を行う必要があります。

防水工事が必要な劣化症状5.雨漏りや水漏れ

雨漏りや水漏れが発生する原因としては、ひび割れ、タイルや防水シートの剥がれ、長期間の劣化などが考えられます。雨漏りや水漏れが続くと、建物内の壁や天井、床にダメージを与え、修理費用が大きくなるため、防水工事など早期対応が重要です。

これらの症状が見られた場合、早急に対応することが重要です。劣化が進む前に、防水工事を行うことで、建物の寿命を延ばし、修繕費用を抑えることができます。定期的に点検を行い、問題を早期に発見することが、建物を守るための第一歩です。

防水工事における劣化症状の対処法について

前項で解説したように、防水工事の劣化症状には、ひび割れや浮き、色褪せなどがあり、放置すると水漏れや構造的なダメージを引き起こします。しかし、適切な対処法を講じることで、建物の耐久性を維持できます。

ここでは、防水工事における劣化症状の対処法について解説していきます。

防水工事におけるひび割れ（クラック）の対処法

ひび割れが発生した場合、その部分に水分が浸入し防水機能が失われるため、防水工事によって早期に修復が必要です。まず、ひび割れの広がりや深さを確認し、ひび割れ部分を清掃して、周囲の汚れやほこりを取り除きます。その後、専用の補修材を使ってひび割れを埋め、しっかりと塗布します。大きなひび割れや深いクラックには、補強材を使って再施工を行い、より強固な防水層を作ります。

ひび割れ部分の補修後は、全体的な防水性を再確認し、必要に応じて追加の防水層を施すことが望ましいです。

防水工事における膨れ・浮き（タイルや防水シートの剥がれ）の対処法

タイルや防水シートの浮きや剥がれは、水分が浸透して膨張を引き起こすことが原因です。防水工事における膨れ・浮き（タイルや防水シートの剥がれ）の対処法は、まず、浮いている部分や剥がれた部分を慎重に取り外し、下地の状態を確認します。もし水分が残っている場合は、完全に乾燥させることが重要です。乾燥後、新しい防水シートやタイルを再施工し、適切な接着剤で固定します。

既存の防水シートやタイルが劣化している場合、全面的に取り替える必要があり、再施工後は全体の防水性を確認し、長期間効果が続くように仕上げます。

防水工事における色褪せや変色の対処法

色褪せや変色は、紫外線や風雨により防水塗料や外壁材が劣化しているサインです。まず、色褪せが見られる部分をしっかり洗浄し、塗膜が剥がれている場合はその部分を削り落とします。次に、耐候性の高い防水塗料を使用して、再塗装を行います。

防水工事の塗装前には下地処理を行い、塗料の密着性を高めることで、より長期間の防水効果を得ることができます。防水塗料の選定には、紫外線や雨風に強い素材を選ぶことが重要です。

防水工事における錆や腐食の対処法

錆や腐食は、特に金属部分に見られる劣化症状です。金属部分が腐食している場合、防水工事の補修でその部分を完全に除去し、腐食が進んでいる箇所を清掃します。次に、腐食した部分を防錆塗料で保護し、再度腐食しないように処理を施します。金属が完全に腐食している場合は、交換や補強が必要となることもあります。

金属部分が再び錆びないように、定期的な点検と保護塗装を行うことで、耐久性を維持できます。

防水工事における雨漏りや水漏れの対処法

雨漏りや水漏れは、防水層の劣化やひび割れが原因で発生します。防水工事における雨漏りや水漏れの対処法は、漏水箇所を特定するために、漏水調査を行い、原因を突き止めます。その後、漏れている部分を清掃し、防水材を使用して修復します。必要に応じて、防水シートや塗料を再施工し、長期間にわたって水の侵入を防げるようにします。

さらに、排水設備が詰まっている場合は、排水口を清掃し、適切に機能するように維持管理します。修理後も定期的に点検し、再発防止策を講じることが重要です。

雨漏りが発生した場合はどうする？

雨漏りは、建物の防水処理が破損したり劣化したりすることで発生する、深刻な問題です。雨漏りを放置すると、建物の構造が損傷したり、カビが発生したりするなど、さまざまな悪影響を及ぼします。

そこで、雨漏りが発生した場合、以下の手順を踏んで対処することが重要です。

1. 雨漏りの原因を特定する
2. 雨漏りを応急処置する
3. 専門業者に相談する

雨漏りを放置すると、建物への被害が拡大する可能性があります。雨漏りが発生したら、早急に防水工事などの専門業者に相談し、適切な対処を行いましょう。

パラペットや笠木の劣化・破損の予防策

パラペットや笠木は、建物の屋上やベランダなどの端部に設置されている壁状の構造物です。雨や風の侵入を防ぐ役割を果たしていますが、経年劣化や地震などの影響で、ひび割れや破損が発生する可能性があります。

パラペットや笠木の劣化・破損を防ぐためには、定期的なメンテナンスや防水工事が重要です。具体的には、以下のような対策が有効です。

• 定期的な目視点検：半年に1回程度、目視でパラペットや笠木の状態を確認します。ひび割れや破損、コーキングの劣化などがあれば、早急に補修が必要です。
• コーキングの打ち替え：コーキングは、パラペットや笠木と壁の隙間を埋めるために使用されています。経年劣化によりコーキングが剥がれたり、ひび割れたりすることがあるので、定期的に打ち替える必要があります。
• 塗装の塗り替え：パラペットや笠木は、雨や風にさらされるため、塗装が剥がれたり、色あせたりすることがあります。塗装が剥がれたままだと、下地のコンクリートが劣化し、ひび割れや破損の原因となります。定期的に塗装を塗り替えることで、防水性を維持し、劣化を防ぐことができます。
• 防水工事：パラペットや笠木は、防水層が設置されている場合もあります。防水層が劣化すると、雨水が浸入し、コンクリートの劣化や漏水の原因となります。定期的に防水工事を行うことで、防水性を維持し、建物を守ることができます。

これらの対策を行うことで、パラペットや笠木の劣化・破損を防ぎ、建物の寿命を延ばすことができます。特に、築年数が経過した建物や、地震などの災害が発生した後は、しっかりとメンテナンスを行うことが重要です。

防水層のメンテナンスの重要性や内容を解説｜トップコートの役割やドレンの清掃とは

防水層は建物を水害から守るための最も重要な要素であり、特に屋上やバルコニー、外壁など、外部からの水の侵入を防ぐ役割を果たしています。劣化が進むと、建物内部への水分の侵入を許し、内部の構造や設備に重大な損傷を与える可能性があります。そこで、定期的なメンテナンスを行うことが非常に重要です。

以下のポイントを押さえて、防水層のメンテナンスの重要性を解説します。

防水層のメンテナンスの重要性1.防水層の劣化を早期に発見できる

定期的な防水層の点検とメンテナンスを行うことで、劣化症状を早期に発見し、修繕が必要な箇所を把握することができます。ひび割れや膨れ、浮きなどの兆候が見られた場合、早期に対応することで、修理費用を抑え、大規模な工事を避けることが可能です。もし放置すると、劣化が進行し、内部に水が浸入して建物に重大なダメージを与えるリスクが高まります。

防水層のメンテナンスの重要性2.建物の耐久性を保つ

防水層は、建物を外部の湿気や雨水から守る役割を担っています。もし防水層が劣化し、その機能を果たさなくなると、構造部分や内装が水に浸透し、腐食やカビ、さらには鉄筋の腐食などが発生します。これにより、建物の耐久性が大幅に低下し、修繕費用が増加する可能性があります。定期的なメンテナンスを行うことで、防水層の劣化を遅らせ、建物の長寿命化を実現できます。

防水層のメンテナンスの重要性3.修繕費用を抑える

防水層のメンテナンスを行わず、劣化が進んでから修繕を行うと、工事の規模や費用が大きくなりがちです。小さなひび割れやタイルの浮きなど、早期に対応すれば安価で済む修繕が、大規模な工事を必要とすることがあります。定期的な点検とメンテナンスを行い、問題が小さいうちに修理することで、修繕費用を大幅に抑えることができます。

防水層のメンテナンスの重要性4.住環境を守る

防水層が劣化して水漏れが発生すると、住環境に大きな影響を与えます。特に、雨漏りが発生すると、天井や壁、床にシミができるだけでなく、カビや湿気が発生し、居住者の健康にも悪影響を与えかねません。また、水漏れによる電気設備の損傷や火災のリスクも考慮しなければなりません。防水層のメンテナンスを定期的に行うことで、これらの問題を未然に防ぎ、快適な住環境を維持できます。

防水層のメンテナンスの重要性5.資産価値の維持

防水層の劣化を放置すると、建物の外観や内部に不具合が生じ、資産価値が低下します。特に、マンションやアパートなどの不動産は、外壁や屋上、防水機能がしっかりしていることが、購入者や賃借人にとって重要なポイントとなります。定期的に防水層をメンテナンスすることで、建物の価値を保ち、将来的に売却や賃貸を有利に進めることができます。

定期的な点検と修繕を行うことで、早期に劣化を発見し、修繕費用を抑えることができます。また、建物の耐久性を保ち、資産価値を維持するためにも、防水層のメンテナンスは欠かせません。防水機能をしっかり維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが必須であることを忘れずに実施しましょう。

防水層のメンテナンスの内容について

ここでは、防水層のメンテナンスの主な内容について解説します。

防水層のメンテナンスの最初のステップは、定期的な点検です。点検作業では、以下のような劣化症状を確認します。

定期的に専門家による点検を行い、これらの症状がないか確認し、早期に修理を行うことが防水層を長持ちさせる秘訣です。

トップコートの役割と再塗装

防水塗料の上に施されるトップコートとは、紫外線や水、風から防水層を守る役割を果たします。トップコートが劣化すると、防水層自体が直接影響を受けるため、定期的な再塗装が必要です。

一般的に、トップコートは5年から10年ごとに再塗装を行うことが推奨されています。再塗装によって、防水層の耐久性を維持し、建物の外観も保ちます。

ドレンの清掃・点検

ドレンは、屋上やバルコニーなどの防水層の排水を担当する重要な設備です。詰まりや汚れが溜まると、水が適切に排水されず、建物に水が滞留して防水層の劣化を引き起こす原因になります。ドレンの清掃は定期的に行うことが重要です。

まず、ドレン周辺を確認し、落ち葉やゴミを取り除きます。次に、ドレンカバーを外し、排水口が詰まっていないかをチェックします。詰まりがある場合は、高圧洗浄機を使用して、排水口を清掃します。さらに、ドレン内部に溜まった汚れを取り除くため、ブラシや専用の掃除道具を使って徹底的に清掃します。

清掃後は、ドレンの排水機能が正常かどうかを確認するため、水を流してテストします。定期的な清掃を行うことで、ドレンの機能を保ち、防水層を長持ちさせることができます。

屋上やバルコニーの定期的な清掃

屋上やバルコニーにゴミや落ち葉が溜まっていると、それが水を溜める原因になり、防水層に負担をかけます。定期的な清掃を行い、屋上やバルコニーが清潔に保たれていることを確認することも、メンテナンスの一環として重要です。特に雨季や風の強い時期には、早めに清掃を行うことで、防水層の劣化を防ぎます。

防水層のメンテナンスは、建物の寿命を延ばし、住環境を守るために不可欠です。定期的な点検、トップコートの再塗装、ドレンの清掃、防水材の再施工など、適切なメンテナンスを行うことで、防水機能を長期間維持し、修繕費用を抑えることができます。

防水層の劣化を早期に発見し、対策を講じることで、建物の耐久性を守り、快適な住環境を維持することができます。

防水工事の施工から完了までの流れを解説

防水工事は、建物の寿命を延ばし、雨漏りなどのトラブルを防ぐために重要な工事です。ここでは、防水工事の施工から完了までの流れを解説します。

防水工事の流れ1.調査・診断

防水工事の最初のステップは、建物の現状を詳細に調査することです。外壁や屋根、バルコニーなどに目視でひび割れや劣化がないか確認し、どの部分が修繕が必要かを診断します。さらに、過去の修繕履歴や水漏れの有無をチェックし、最適な防水方法を選定します。

この調査が、後の工事の精度に大きく影響を与えるため、慎重に行うことが重要です。

防水工事の流れ2.洗浄

防水工事を行う前に、高圧洗浄で表面に付着した汚れや埃を取り除きます。この工程は、防水層がしっかりと接着できるようにするために欠かせません。汚れが残った状態で防水層を施工すると、接着不良が起き、効果的な防水ができなくなる可能性があります。

高圧洗浄によって、スムーズに施工を進める準備が整います。

防水工事の流れ3.下地処理

防水層を施す前に、ひび割れや欠けた部分を補修して下地を整えます。これにより、防水層がより強力に接着し、長期間にわたって耐久性を保つことができます。

また、下地処理には専用の接着剤を使用して、防水層が剥がれにくくなるようにします。必要な補修を行うことで、防水の効果が最大限に発揮されます。

防水工事の流れ4.防水層の施工

防水工事の本格的な施工がこの段階です。ウレタン防水やシート防水、アスファルト防水などの方法を選び、指定された手順に従って防水層を施工します。

選択する工法によって、施工の難易度や耐久性が異なりますが、施工業者は最適な方法を選定し、確実に防水層を形成します。防水層の厚さや均一性も、しっかりと確認します。

防水工事の流れ5.検査

防水層の施工が完了した後には、検査が行われます。この検査では、水漏れや不具合がないかを確認するため、実際に水を流してチェックします。漏水がないか、しっかりと防水が機能しているかを確認し、問題があれば再施工を行います。

検査は非常に重要な工程で、問題なく完了することが必要です。

防水工事の流れ6.工事完了

検査で問題がなければ、防水工事は完了となります。施工後には、完成報告書が作成され、最終確認が行われます。

また、施工後のメンテナンスや点検の計画についても説明を受けることが一般的です。これにより、施工した防水層の寿命を延ばすためのケアが可能となり、長期的な効果を維持することができます。

防水工事の施工期間は、建物の規模や防水工法などによって異なりますが、通常は数日から数週間程度かかります。それぞれの防水工法には、メリットとデメリットがありますので、建物の状況や予算に合わせて適切な工法を選択する必要があります。

防水工事の手順(ウレタン防水・密着工法の場合)

ここでは、ウレタン防水工事・密着工法の手順について解説していきます。防水工事の種類の中でウレタン防水工事は、建物の屋上やベランダ、バルコニーなどの防水対策として広く使われている工法です。

以下に一般的なウレタン防水工事の手順を、わかりやすく順を追って解説します。

1. STEP

   現地調査・下地確認

   • 目的： 既存の防水層や下地の状態を確認します。
   • ポイント： クラック（ひび割れ）や劣化、浮きなどをチェックし、補修の必要がある箇所を把握します。
2. STEP

   下地処理（ケレン・清掃）

   • 目的： 密着性を高めるため、ホコリや汚れ、油分などを除去。
   • 作業内容：
     • ケレン（サビや既存塗膜の除去）
     • 高圧洗浄
     • 必要に応じてパテやモルタルで補修
3. STEP

   プライマー塗布（接着剤のような役割）

   • 目的： 下地とウレタン防水材の接着性を向上させる。
   • 使用材料： 専用プライマー（下地の種類によって異なる）
   • 注意点： 乾燥時間をしっかり守る。
4. STEP

   ウレタン防水材の1層目塗布

   • 目的： 下地を覆い、最初の防水層を形成。
   • 特徴： 液体状のウレタンをローラーやコテで塗布します。
   • 厚み目安： 約1mm程度
5. STEP

   ウレタン防水材の2層目塗布

   • 目的： 1層目との一体化で強度と防水性を高める。
   • 注意点： 均一な厚みを確保し、膜厚（合計2mm以上）が基準。
6. STEP

   トップコート塗布（保護層）

   • 目的： 紫外線・摩耗・劣化からウレタン層を保護。
   • 色の種類： グレー・グリーンなど好みに応じて選択可能。
7. STEP

   完了検査・乾燥養生

   • 確認内容： 塗りムラ・膜厚・浮き・仕上がりのチェック
   • 養生期間： 最低24時間〜48時間程度（季節や天候による）

防水工事を依頼するには?失敗しない業者の選び方のポイント

防水工事は、建物の防水層を補修または新規施工する工事です。適切なリフォーム業者を選ぶことは、防水工事の成功にとって重要です。以下に、失敗しない業者選びのポイントをご紹介します。

• 複数の業者から見積もりを取り比較する
• 資格や技術力のある専門業者に依頼する
• 口コミ評判や施工実績が豊富な会社を選ぶ
• 自社施工している会社を選ぶ
• アフターサービスや保証期間の内容を確認する

それぞれ詳しく解説しているので、早速みていきましょう。

複数の業者から見積もりを取り比較する

複数の業者から見積もりを取ることで、それぞれの会社の価格や工法などを比較することができます。また、より良い条件で工事を依頼することができるでしょう。さらに、会社選びの失敗を防ぐこともできます。

防水工事は費用が大きな工事なので、複数の会社から見積もりを取り、比較検討することが大切です。各社の見積もり項目を比較する際には、項目が統一されているか確認しましょう。安い見積もりだけが最良の選択ではないので、会社の実績や信用も考慮しましょう。見積もりを取る際には、工事内容やスケジュールを明確に伝えましょう。

資格や技術力のある専門業者に依頼する

防水工事は、建物の寿命に大きく影響する重要な工事です。そのため、信頼できる業者を選び、適切な施工を受けることが大切です。

業者選びのポイントとして、資格や技術力のある専門業者を選ぶ、自社施工している会社を選ぶ、アフターサービスや保証期間の内容を確認するなどがあります。

また、複数の業者から見積もりを取り比較することも重要です。価格だけでなく、使用する材料や工法、保証内容なども確認しましょう。

建物の寿命を延ばし、雨漏りなどのトラブルを防ぐためにも、信頼できる業者に防水工事を依頼することをおすすめします。

口コミ評判や施工実績が豊富な会社を選ぶ

防水工事を行う際には、信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。特に、口コミ評判や施工実績が豊富な会社を選ぶことで、安心かつ満足のいく結果を得られる可能性が高まります。

口コミ評判は、実際にサービスを利用した人の率直な意見を知る貴重な情報源です。インターネット上のレビューサイトや口コミ掲示板などを活用して、各業者の評判を確認しましょう。

施工実績も重要な判断材料です。実績豊富な会社は、様々な現場で経験を積み、技術力にも優れている傾向があります。ホームページやパンフレットなどで、各業者の施工実績をチェックしてみましょう。

また、複数の業者から見積もりを取り、価格や内容を比較することも大切です。見積もり内容や説明がわかりやすく、丁寧に対応してくれる会社を選ぶと良いでしょう。

チェックポイントは以下のようなものが挙げられます。

• 口コミ評判や施工実績が豊富であること
• 見積もり内容や説明がわかりやすく、丁寧であること
• 資格や技術力のある専門業者であること
• 自社施工している会社であること
• アフターサービスや保証期間の内容が充実していること

これらのポイントを考慮して、自分に最適な業者を選び、安心して防水工事を任せられるようにしましょう。

自社施工している会社を選ぶ

防水工事の自社施工している会社を選ぶメリットは多くあります。

• 中間マージンが発生しないため、費用を抑えることができます。
• 自社の職人による施工となるため、施工品質が安定しています。
• 中間業者を通さずに直接対応できるため、対応が迅速です。
• アフターフォローも充実しています。

もちろん、自社施工している会社を選ぶ際には、実績や技術力、アフターフォローなどもしっかり確認することが大切です。

アフターサービスや保証期間の内容を確認する

防水工事のアフターサービスは、業者によって異なりますが、定期的な点検やメンテナンス、不具合発生時の対応などが含まれます。どのような内容が提供されているのか、期間や費用についても確認しましょう。

保証期間は、一般的に5～10年程度です。保証期間内であれば、防水層の不具合や雨漏りなどのトラブルが発生した場合に、無料で補修や修理を行ってもらえます。保証内容や免責事項についても確認が必要です。

防水工事の信頼できる業者を選ぶために、口コミや評判を参考にしたり、実際に施工事例を見せてもらうなどしましょう。

防水工事についてまとめ

この記事では、防水工事の種類など基礎知識について解説してきました。

防水工事は、建物を守るために非常に重要なメンテナンス作業です。
特に屋上やバルコニーなど、外部と接する部分に施される防水層は、雨水や湿気から建物を保護し、構造物の劣化を防ぐ役割を果たします。適切な防水工事を行うことで、雨漏りのリスクを減らし、建物の寿命を延ばすことができます。

防水工事の種類には、ウレタン防水やシート防水、アスファルト防水などがあり、それぞれに特徴や耐用年数があります。また、定期的な点検と早期の修繕が、建物の健康を保つ鍵となります。

防水工事が必要な場合は、専門業者に相談して適切な工法を選択することが大切です。

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未経験の若手層に特化した人材紹介事業を展開中。
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