戸建て住宅やアパート・マンションなどの建物で防水工事を行う場合、最適な時期があるのをご存じでしょうか?
もし工事費用を抑えたいのであれば、繁忙期を避けると良いでしょう。
また作業効率は天気や気温に左右されるため、乾きにくい理由から寒冷期や梅雨時期は避けたほうが良いと言われています。
防水工事は施工場所によって、それぞれ工法が異なります。
バルコニーや屋上防水工事にはシート防水が適しており、屋根の防水にはアスファルト防水やウレタン防水、ベランダに適した工法はFRP防水やウレタン塗膜防水などです。
それぞれメリット・デメリット・耐用年数が異なるため、施工業者と時期や工法についてしっかりと打ち合わせることが重要です。
今回の記事では失敗しない業者選びについても紹介しておりますので、家の防水工事を依頼する前に注意点やポイントを押さえておきましょう。
目次
防水工事の最適な施工時期は?
防水工事に適した時期があるのでしょうか。
防水工事の最適な施工時期は、気候条件に大きく影響されます。一般的には、春から秋にかけての時期が最適です。具体的には、気温が5度以上で安定していること、そして降雨が少ないことが重要です。この時期は、施工後の乾燥が早く、工事の品質が確保されやすいためです。冬季の寒冷期や梅雨の時期は避けるのが賢明です。
一般的に気温が安定している時期が望ましいとされていましたが、現在は施工技術や使用する資材の品質の向上により、季節にかかわらず施工できるようになっています。
建物の劣化度合いや修繕スケジュールに合わせて、施工業者と打ち合わせを行い時期を決定しましょう。
防水工事の種類
防水工事にはさまざまな種類があり、建物の用途や状態に合わせて選択されます。多く利用されるのは今回紹介される4つです。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
シート防水
シート防水は、塩ビやゴム製のシートを建物の屋根や壁に貼り付けて防水する方法です。シート自体が軽量であるため施工しやすく、耐用年数も10年から15年と比較的長いです。特に屋上やバルコニーなどの平らな表面に適しており、継ぎ目をしっかり密封することで高い防水性能を得られます。ただし、継ぎ目が破損しやすいため、施工業者の技術が重要です。シートの素材もゴムや塩ビといった種類があるため、適した素材を選ぶことが必要です。
アスファルト防水
アスファルト防水は、熱処理したアスファルトを基材に塗布し、繊維製のシートと組み合わせる工法です。平らな屋根や地下室の防水に向いており、20年から30年と耐用年数が長いのが特徴です。シートの厚みや繊維の種類によって耐久性を調整できるため、規模の大きな建物に適していますが、施工には専門的な知識が必要です。また、工法には「トーチ工法」と「熱工法」があり、それぞれの特徴に応じた適用が求められます。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液体のウレタン樹脂を塗布して硬化させ、防水層を形成する工法です。継ぎ目のない一体型の防水層を作るため、複雑な形状の屋根やバルコニーにも適応できます。10年から15年の耐用年数があり、トップコートの定期的な塗り直しで長期間の防水効果を維持できます。柔軟性があるため、下地の伸縮にも対応でき、密着工法や通気緩衝工法などの種類があります。
FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維とプラスチック樹脂を組み合わせて防水層を作る工法です。軽量で強度が高く、継ぎ目のない防水膜が形成できるため、ベランダや屋上の防水に適しています。硬化が速く施工期間が短いのが特徴で、10年以上の耐用年数があります。耐摩耗性に優れているため、屋上やバルコニーなどの歩行面にも適しています。
上記の4つの特徴を理解して選ぶようにしましょう。
防水工事の流れを解説
防水工事は建物を水漏れから守るために重要な作業です。その工程を理解し、適切な業者と協力することで、効果的な防水層を形成できます。以下に工事の一般的な流れを示します。
1. 現地調査と計画
まず、専門の防水業者が建物の現状を調査し、適切な工法と材料を選択します。屋根や壁のひび割れ、汚れ、既存の防水層の劣化状態を確認し、最適な対策を検討します。この調査結果をもとに費用や工期の見積もりを作成し、施工計画を立てます。
2. 表面処理・清掃
防水工事を始める前に、既存の防水層を撤去し、ひび割れや汚れを修復します。表面を平滑に整え、新しい防水材がしっかり接着できるように下地を整備します。この工程での準備が、防水工事の効果を最大限に引き出す鍵となります。
3. 防水剤の使用
準備が整ったら、選定した防水剤を塗布、防水シート貼り付け、または敷設して防水層を形成します。シートや塗布型、防水シートなど、工法によって施工方法が異なりますが、各方法でしっかりと接着するように適用されます。
4. 仕上げと最終チェック
防水層の上にトップコートを塗布し、均一に仕上げます。トップコートは紫外線や風雨から防水層を守るために重要です。防水工事の完了後、水試験を行い、防水層に漏れがないかを検証します。問題がなければ、これで工事は完了です。
防水工事が必要になる劣化症状
防水工事が必要となる劣化症状を早期に発見するために、次のようなサインに注意しましょう。よくある劣化のサインをまとめました。
ひび割れやシート破れ
防水層のひび割れやシート破れは、そこから水が浸入するリスクがあります。特に気温の変化でひび割れが広がりやすいため、定期的に点検しましょう。
雑草やコケ
屋上やバルコニーで雑草やコケが生えていると、排水が不十分である可能性があります。湿気や水たまりがあると防水層の劣化が早まるため、すぐに除去しましょう。
水たまり
平らな屋根やバルコニーに水たまりができている場合、排水口が詰まっているか、防水層に問題がある可能性があります。早急に原因を特定し、改善策を講じましょう。
防水シートの剥がれや浮き
シート防水では、シートが
剥がれたり浮いたりすると、内部に水が浸透している兆候です。全面的な補修や交換が必要な場合もあります。
雨漏りの兆候
室内の天井や壁にシミや水滴が見られる場合、すでに雨漏りが進行している可能性があります。すぐに専門業者に相談し、根本的な修理を行いましょう。
防水効果を維持させるメンテナンス方法
防水工事の効果を長期間維持するためには、定期的なメンテナンスが重要です。以下の内容を確認するようにしましょう。
清掃を定期的にする
屋上やバルコニーに溜まったゴミや泥を定期的に掃除し、防水層へのダメージを減らしましょう。雑草やコケも防水層を傷つけるため、早めに除去することが大切です。
排水がしっかり行われているかチェック
排水口が詰まると水たまりができ、防水層が痛みます。排水溝のゴミや泥を取り除き、スムーズな排水が行われるように定期的に点検しましょう。
雨漏りなども確認。シミができていないか確認
室内の天井や壁にシミができていないか定期的にチェックし、雨漏りの兆候を早期に発見しましょう。少しでもシミが見つかったら、すぐに専門業者に連絡し、対策を講じます。
防水工事の業者の選び方
防水工事の成功には、信頼できる業者を選ぶことが欠かせません。適切な業者を見つけるためのポイントを以下にまとめました。
1. 資格や認定を確認する
信頼できる業者には、「防水施工技能士」などの資格を持つ職人が在籍しています。また、建設業許可や関連団体からの認定を受けた業者であれば、工事の信頼性が高くなります。公式ウェブサイトや見積もりの際に資格や認定を確認しましょう。
2. 実績や口コミを調べる
過去に防水工事を行った顧客の口コミや、業者の公式ウェブサイトにある施工実績を調べましょう。具体的な施工事例や写真を確認することで、業者の技術力や信頼性が判断できます。口コミサイトや知人の紹介なども参考にすると良いでしょう。
3. 複数の見積もりを取る
工事費用や内容を比較するために、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。見積もり内容が明確で、工事の内訳がきちんと示されているか確認しましょう。追加費用の有無についても事前に確認し、不明瞭な点がある場合は質問してクリアにすることが大切です。
4. コミュニケーションが取れるか確認する
工事前の打ち合わせや見積もりの説明で、業者が丁寧に対応してくれるか確認しましょう。工事内容やスケジュール、予算について質問に対し誠実な回答が得られる業者は、信頼して依頼できます。工事中や工事後のアフターサポートについても尋ねてみると良いでしょう。
5. 保証制度やアフターサービスの内容を確認する
防水工事には保証期間が設定されていることが一般的です。保証制度の内容や期間を確認し、アフターサービスが充実している業者を選びましょう。工事後の定期点検や緊急対応ができる業者は、トラブルが発生した際に迅速に対応してくれます。
これらのポイントを踏まえて業者を選ぶことで、安心して防水工事を依頼でき、建物の耐久性と価値を長期間にわたり維持することが可能です。
防水工事と適切な時期についてまとめ
いかがでしたでしょうか?今回は防水工事と適切な時期、季節についてをメインに紹介しました。
防水工事は建物の寿命を延ばすために欠かせない工程です。工法や施工時期を慎重に選択し、適切なメンテナンスを行うことで、防水効果を長期間維持できます。季節ごとの注意点や劣化症状に気を付け、建物を雨漏りや湿気から守る防水工事を行いましょう。
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