- 築30年以上のマンションの修繕は小規模・中規模・大規模のどれを行う?
- 築年数で変わる工事内容とは?
マンションでは多くの人々が生活を営んでおり、安全に暮らすためにはメンテナンスが欠かせません。
建物の安全性だけではなく資産価値を守るためにも、一定のサイクルで修繕工事を行う義務があります。
結論として、マンションは築30年以上経っていても、しっかりメンテナンスしていれば問題はないとされています。
長く安全に暮らすために大規模修繕工事を行いますが、実施する目的は主に以下の4点です。
- 建物の機能を維持する
- 生活環境の向上、維持
- 建物の資産価値の維持
- 法律の遵守
これらを目的として大規模修繕工事が行われますが、その内容については分からない方も多くいらっしゃいます。
今回の記事では大規模修繕における内容を解説していきますので、詳しく見ていきましょう。
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目次
マンションの築年数と大規模修繕工事の関わり
マンションを含む建物は、経年により設備や建物全体が劣化していきます。
劣化部分を放置すると重大な不具合につながり、安全な暮らしができません。
そのために大規模修繕工事を実施しますが、マンションの築年数とどのような関わりがあるのでしょうか。
築年数と大規模修繕工事の関係性について、詳しく説明します。
経年劣化との関係
マンションは使用状況や雨風の影響により、その機能が少しずつ劣化していきます。
外壁や屋根・室内や共用部などは経年劣化が顕著に出てくる場所でもあり、築30年以上のマンションでは定期的なメンテナンスが必要です。
それぞれの設備には耐用年数が設けられているため、建物設備の寿命に合わせて定期的に大規模修繕工事を行います。
修繕工事でメンテナンスが必要な理由
建物は築30年以上経過していても、大規模修繕工事にて定期的にメンテナンスを行えば安全に長く住めます。
そのため日常的な小規模メンテナンスに加え、10~15年ごとの大規模修繕工事を実施が欠かせません。
法律や規則との関係
地域によって、建物に関する法律が厳しく管理されているケースがあります。
基本的に大規模修繕工事は管理組合が主体となって自主的に行う修繕工事ではありますが、エリアによっては10~15年周期での工事を求められる場合もあるため注意が必要です。
修繕工事の際は長期計画を立てる
マンションの築年数と大規模修繕工事には、深い関わりがあります。
日常的なメンテナンスだけではなく、大規模な修繕工事を定期的に行うことで建物の機能を維持し、安全に暮らせるようになります。
そのためには長期修繕計画を事前に立てておき、費用や修繕内容を把握しておかなければなりません。
建物の状態や築年数を加味したうえで長期修繕計画を立てることにより、生活環境の維持や建物の設備機能を保てるでしょう。
マンションの大規模修繕を行う際のポイント
大規模修繕工事では、10~15年の周期でマンション設備のメンテナンスを行いますが、以下に挙げる5点のポイントを抑えておきましょう。
- 建物の点検と診断
- 優先順位の確定
- 修繕計画の立案
- 住民の理解を得る
- 工事の進捗管理
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
建物の点検と診断
大規模修繕工事を行う際は、建物の状況を把握するために点検と診断を行います。
事前に立てた修繕計画を元に、工事が必要な場所を断定するために必要な診断です。
これらの点検と診断を元に、修繕工事で行う内容や範囲を確定していきます。
優先順位の確定
修繕工事では、建物全体のメンテナンスを行っていきます。
長い工期をかけて修繕していきますが、建物全体が同じように劣化しているわけではありません。
使用状況によって劣化具合に変動があるため、工事の際に優先的に修繕する箇所を決めておく必要があるでしょう。
修繕計画の立案
大規模修繕工事を行う際は、事前に長期修繕計画を立てておきます。
建物の築年数に応じて工事内容も変動し、築30年以上の建物では修繕箇所も増えていくでしょう。
建物の点検と診断を行い、修繕箇所の優先順位を確定させた後は、元々の計画に沿って工事内容を修正しながら立案していきます。
住民の理解を得る
修繕工事は、数日で終わるものではありません。
長い時間がかかるため、日常生活に影響が出てしまうケースも多くあります。
そのため、修繕工事を行う際は事前に住民の理解を得ておく必要があるでしょう。
工事の進捗管理
修繕工事を開始した後は、工事の進捗状況を管理していきます。
予定していた工期で終わらせるためには、施工会社とのコミュニケーションが重要です。
10~15年ごとの修繕工事は建物の安全性を保つために必要な工事のため、スケジュール通りの進行が大切と言えるでしょう。
マンションの大規模修繕工事を行う目的
マンションの築年数が築30年以上を超える場合は、設備や建物の資産価値を守るために修繕工事が必要です。
大規模修繕工事を行う主な目的としては、以下に挙げる4点が当てはまるでしょう。
- 建物の耐久性を維持するため
- 生活環境の改善、安全性の向上
- 資産価値の維持
- 法律の遵守
マンションは経年劣化によって、設備や外観が劣化していきます。
劣化状態を放置すると重大な不具合につながる可能性があるため、日常的なメンテナンスを含めて修繕工事は欠かせません。
共用部分の劣化や排水管の不具合など、普段は確認できない部分の修繕工事も含まれるため、安全性の維持にもつながります。
また、建物は年数が経つごとに資産価値が低下していきますが、定期的に修繕工事を行うことで資産価値を守り、入居率の維持にも効果的です。
マンションの大規模修繕工事では、人々の生活や環境を守り、快適に暮らすことが目的と言えるでしょう。
マンションの大規模修繕で行われる工事内容
大規模修繕工事では、以下に挙げる6点が主な工事内容とされています。
外壁塗装や修繕
外観は雨風の影響を受けやすいため、外壁ブロックが剥がれたりひび割れが発生するケースも少なくありません。
補修や塗装を行うことで、美観を保ち資産価値の維持にもつながります。
屋根のメンテナンスや防水工事
大規模修繕工事では、屋根のメンテナンス・防水工事が欠かせません。
雨水が溜まりやすくなっている・ひび割れや目に見える不具合が発生している際は、葺き替えや防水処理を施します。
柱の補修・補強
大規模修繕工事の際に行った点検・診断により、柱の耐久性が低下している場合は補修・補強を行います。
耐震性にも関わる部分になるため、補修による強化が欠かせません。
エクステリア・エントランスの修繕
マンションの見た目の美しさも資産価値を向上させるために必要です。
エントランスやエクステリアは人の目につきやすい場所のため、定期的なメンテナンスを実施します。
配管部分の修繕
目に見えない部分の配管は、劣化すると詰まりやすくなるため定期的な修繕・補修が必要です。
排水管の安全性が保てないと雨漏りが発生する可能性もあるため、大規模修繕工事の工事内容に含まれる場合が多くあります。
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マンション大規模修繕工事を行う目安と年別ごとの工事計画
マンションの大規模修繕工事は、資産価値の向上や快適に暮らすために必要な工事です。
一般的には10~15年の周期で行うとされていますが、大規模修繕工事を行う目安についてご存じでしょうか。
マンションの築年数によって工事の計画内容が異なるため、事前に知っておくとスムーズに工事を進められます。
こちらでは、大規模修繕工事を行う目安と築年数ごとの工事計画について、詳しく解説していきます。
建物の築年数を加味する
大規模修繕工事は基本的に10~15年の周期で行いますが、築30年を超える場合は大規模修繕工事を実施する必要があるでしょう。
日常的な小規模修繕も併せて、定期的なメンテナンスが欠かせません。
建物の状態を加味する
大規模修繕の目安となる10~15年が経過した際、修繕工事を行うにあたって建物の点検・診断を行います。
現在の劣化状況を加味したうえで、建物設備の状態によって大規模修繕工事実施の確定が必要です。
日常的にメンテナンスを行っており、設備も新しい場合は次の周期へ工事をスキップできる場合もあります。
住民の意思を確認する
大規模修繕の実施は、管理組合によって話し合いで決められますが、マンション住民の意思や意向の確認も必要です。
大規模修繕工事は数か月にわたり行われるため、その間は日常生活に支障が出てしまう可能性も高くなります。
そのため日ごろから住民とコミュニケーションを取り、修繕工事における意向を確認しておきましょう。
築年数ごとの工事計画とは?
修繕工事は10~15年ごとに実施されますが、築年数ごとに工事内容は変わっていきます。
主な工事内容については、以下を参考にしてください。
回数 | 築年数 | 内容 |
---|---|---|
1回目 | 築15年頃 | 外壁や防水工事・劣化場所の特定を行う |
2回目 | 築20年頃 | 劣化箇所の特定や修繕箇所の確認・補修を実施 |
3回目 | 築30年頃 | 建物全体の大規模修繕および劣化箇所の交換が必要 |
大規模修繕を行う際は、建物の状態を把握することが大切です。
劣化状況を見極め、必要な工事を行うために必ず点検・診断を行いましょう。
診断結果を元に、築年数も加味したうえで工事内容を計画していきます。
築30年を超えるころに差し掛かると、建物全体を対象とした大規模修繕が必要になるケースが多いです。
その際は、外壁の塗装や屋根の改修・配管の交換など、大掛かりな工事になることが想定されるでしょう。
まとめ
マンションの大規模修繕工事の目的や内容について解説いたしました。
修繕工事における主なポイントは、以下の通りです。
- 築年数を重ねるごとに経年劣化が生じるためその都度適したメンテナンスが必要
- 小規模修繕や日々のメンテナンスを行っていると長く安心して暮らせる
- 法律や規則も加味して長期的計画を立てることが大切
- 大規模修繕で行われる工事の内容は外壁や屋根のメンテナンス・柱の補強・エントランスの修繕・配管の補修などがある
- 大規模修繕は築年数・建物の状態・住民の意思を目安に行う
- 築年数ごとの工事計画は10〜15年周期で行い、古くなるほと修繕箇所が多くなる
主な工事の目的は、生活環境の改善や資産価値の向上といわれていますが、築年数が経過しても安全に暮らすために必要な工事です。
経年劣化によって不具合が出た箇所を定期的にメンテナンスしていくことで、耐久性や耐震性も保てるでしょう。
また、大規模修繕工事の内容は多岐にわたるため、事前に修繕計画を立てておくことが大切です。
建物の診断・点検を実施したうえで、修繕が必要になる箇所を選定しておくと、修繕工事をスムーズに進められます。
築30年以上が経過したマンションの修繕工事は工期も長くかかる可能性があるため、日常生活に影響がでるケースも考えられるでしょう。
日ごろから住民とコミュニケーションを取りつつ、事前に意思を確認しておくことも大切です。
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