外壁塗装は、大切な住宅を風雨や紫外線から守るために欠かせないメンテナンスです。
また、美観を整えて美しく保つ目的もあります。
そんな外壁塗装にも耐用年数があることをご存知でしたか?
よく「20年くらいが限界」といわれますが、実は塗料の種類によっても大きく異なってくるのです。
耐用年数が過ぎてしまったまま放置すると、外壁にひびが入ったりカビやコケが発生して、建物の傷みが一気に進行してしまいます。
そこで今回は、外壁塗装の耐用年数について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
外壁塗装の耐用年数の目安は?耐用年数の定義を理解しよう
外壁塗装業者に見積もりを依頼すると、「耐用年数」という言葉を聞くと思います。
耐用年数とは、外壁塗装が風雨や紫外線などの自然環境から建物を守ることができる期間を指します。
耐用年数の目安については、一般的に10~20年の間で設定されていることが多いです。
あくまでも目安とされている理由は、使用される塗料の種類によって大きく異なってくるためです。
また、外壁の材質や建物の立地環境によっても変わってくるので、一概には言い切れません。
耐用年数が過ぎた状態で放置すると、外壁にひび割れなどが発生し、外壁材の交換を余儀なくされる恐れがあります。
外壁塗装に使用する塗料の種類による耐用年数の違いとは?
外壁塗装に使用する塗料にはいくつかの種類があり、それぞれで耐用年数に違いがあります。
ここからは、代表的な外装塗料の耐用年数を紹介いたします。
外壁塗装の塗料の耐用年数について
ウレタン塗料の耐用年数
耐用年数は6〜10年程度。比較的安価ですが、耐用年数は短めとなっています。
塗膜に弾性があるため、木部への塗装におすすめです。
シリコン塗料の耐用年数
耐用年数は8〜15年程度。耐久性がそこそこ高く、コストパフォーマンスに優れた人気の塗料です。
湿気を通しやすいため塗膜が剥がれにくく、光沢やツヤが出る仕上がりになります。
フッ素塗料の耐用年数
耐用年数は10〜20年程度。価格は高めですが耐久性や耐熱性に優れるので、長期的な視点ではコストを抑えられます。
また親水性が高い特徴もあり、外壁にホコリが付着しても、雨に洗い流されてきれいになる効果が期待できます。
ラジカル塗料の耐用年数
耐用年数は10〜16年程度。近年各メーカーが開発に力を入れている新しい塗料です。
価格が抑えられている割に耐用年数が高いため、コスパが良い塗料として注目されています。
ただし、施工例はそれほど多くないため、塗装業者によっては対応できないケースがあります。
外壁塗装のメンテナンスについて知っておくべきこと
外壁塗装は時間とともにどんどん劣化していくため、無関心でいるのではなくメンテナンスの意識を高めることが重要です。
それでは、どのようなものが劣化のサインとなるのか詳しくみていきましょう。
チョーキングのサイン
チョーキングとは、外壁を触ったときに白い粉が付く現象を指します。
チョーキングが起こる主な原因は、塗膜が紫外線によって分解され、劣化が進行してしまうためです。
放置すると下地材料にも影響を及ぼすため、早めに外壁を塗り替えなければなりません。
塗装面の膨れやはがれ、ひび割れのチェック
外壁と塗装の密着が離れると、塗装面の膨れやはがれ、ひび割れが起こります。
とくにひび割れが深い場合、水の侵入を許して建物内部にダメージを与えてしまいます。
カビやコケの発生を防ぐために
外壁にカビやコケが発生している状況も、塗装の劣化を示すサインの1つです。
発生の面積が大きいほど、塗装の劣化が進行していると考えていいでしょう。
カビは見た目の問題だけでなく、アレルギーなど健康への悪影響もあるので注意してください。
金属部のサビに注意
金属製の外壁材を使用している場合、経年劣化によってサビが発生する可能性が高まります。
サビを放置すると、外壁に穴を開けて雨漏りを発生させる原因になります。
建物の寿命を大きく縮めることにもなるため、早急な対策が必要です。
外壁のメンテナンスを長持ちさせるための方法とは?
外壁塗装はただ施工すればよいというものではありません。
ここからは、より耐久性を保って長持ちさせるための方法について紹介します。
外壁の定期的な掃除の重要性
外壁清掃を行うことで、塗装面に付着した汚れやカビを取り除くことができ、塗膜の劣化を防げます。
また、外壁の劣化具合を直接確認できるため、早い段階から対策しやすくなります。
掃除の頻度は年に1~2回程度でもかまいませんので、定期的なメンテナンスを意識しましょう。
耐用年数が長い塗料の選択
外壁の寿命を伸ばすためには、耐用年数が高い塗料を選ぶことが重要です。
具体的には、耐用年数8〜15年程度のシリコン塗料、もしくは10〜20年程度のフッ素塗料あたりがいいでしょう。
耐用年数が高いほど施工料金も高くなりますが、長持ちする分コスパは優れています。
高い技術力を持つ業者による施工の重要性
外壁塗装を業者に依頼する際は、技術力の高さに注目して選ぶといいでしょう。
技術力が低い業者につかまると、本来の耐用年数が発揮できない恐れがあるからです。
良い業者を選ぶポイントは以下の通りです。
複数の見積もりを比較して選ぶ
1社だけの見積もりでは、施工内容や料金が相場に見合っているのか把握しにくいです。
悪徳業者の場合、安い塗料で高額な料金を請求してくるケースも考えられます。
そこで、見積もりをする際は必ず複数の業者に依頼して比較検討するといいでしょう。
業者の工事実績を確認する
塗装業者の公式サイトには、これまで実施してきた施工事例が画像付きで紹介されています。
施工事例が多いほど工事実績があり、業者の技術力の高さを証明することにつながります。
工事実績が確認できない業者は注意したほうがいいでしょう。
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外壁塗装の耐用年数の目安とメンテナンスの重要性
これまで紹介したように、外壁塗装の耐用年数の目安は10~20年となります。
しかしこの数値はあくまでも目安であり、実際は使用する塗料や外壁素材、建物の立地環境によっても大きく異なるので注意してください。
また外壁の耐久性を高めるためには、定期的なメンテナンスを施すことも重要です。
年に1~2回程度は掃除をして、塗装面に付着した汚れを取り除いてください。
塗装業者によっては施工後に無料点検を実施しているところもあるため、賢く利用して外壁塗装を長持ちさせましょう。
外壁塗装の法定耐用年数と税務上での処理の仕方
個人宅とは別に、マンションやアパートいった不動産を所持しているオーナーさんだと定期的な外壁塗装は必須です。その場合外壁塗装の費用を税務上でどのように処理すればいいかご存じの方は意外と多くないのが現状です。
下記では国税庁が定めた法定耐用年数と減価償却について解説いたします。
減価償却とは減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。
(参考:国税庁)
税務上の取り扱いは「修繕費」と「資本的支出」によって異なる
外壁塗装に関する費用は、「修繕費」または「資本的支出」として経費計上されます。具体的な取り扱いは、以下の通りです。
「修繕費」の場合、工事が行われた年に全額を「修繕費」の勘定科目で経費計上することが可能です。
一方で、「資本的支出」の場合は、「建物」の勘定科目を用いて国税庁が定めた法定耐用年数に基づく減価償却を行います。修繕費と資本的支出の判別は、具体的な作業内容によります。たとえば、屋根や外壁の一部の補修は修繕費とされる一方で、デザイン変更や外壁全体の塗装のように資産的価値を向上させる場合は資本的支出と見なされます。
特に、支出額が20万円を超える場合には、資本的支出として計上される傾向があります。
国税庁が定めた外壁塗装の法定耐用年数
税法上では、外壁塗装単体には具体的な法定耐用年数が設定されていません。そのため、外壁塗装の法定耐用年数は、建物自体と同じ期間と見なされます。外壁塗装を減価償却する際の法定耐用年数は、以下の通りです。
建物の構造 | 用途 | 法定耐用年数 |
---|---|---|
木造・合成樹脂造 | 事務所 | 24年 |
店舗・住宅 | 22年 | |
工場・倉庫 | 15年 | |
木造モルタル造 | 事務所 | 22年 |
店舗・住宅 | 20年 | |
工場・倉庫 | 14年 | |
鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 | 事務所 | 50年 |
店舗・住宅 | 47年 | |
工場・倉庫 | 38年 |
減価償却を行う際には、前述の法定耐用年数を使用して計算することが適切です。
まとめ:外壁塗装の耐用年数の目安は10~20年!適切なメンテナンスで長持ちさせよう
今回は、外壁塗装の耐用年数やメンテナンスの方法について解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 外壁塗装の耐用年数の目安は10~20年
- 塗料の種類によっても耐用年数は変わってくる
- ウレタン塗料6〜10年、シリコン塗料8〜15年、フッ素塗料10〜20年、ラジカル塗料10〜16年
- 外壁の劣化サインはチョーキング、はがれ・ひび割れ、カビ・コケの発生、金属部のサビ
- 外壁も定期的な掃除が必要
- 耐用年数が高い塗料を選ぶと長持ちしやすい
- 工事実績があり、複数の見積もりを依頼して技術力の高い業者を見つける
住宅の外壁塗装を検討している人は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。
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