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大規模修繕の単価はどのくらい?工事項目別の目安と費用を抑えるコツを解説

マンションは、多くの人々が暮らしを営む大切な資産であり、その安全性・美観・資産価値を長期にわたって維持するためには、計画的かつ適切なメンテナンスが欠かせません。

そのなかでも、特に重要な位置を占めるのが「大規模修繕」です。

しかし、この大規模修繕は、マンションの共用部分を対象とした大規模な工事であるため、多額の費用が伴います。

実際に大規模修繕の計画を進めるなかで、管理組合や居住者の方々からは「一体、どの工事にどれくらいの費用がかかるのか?」「提示された単価が適正なのかどうか、どう判断すれば良いのか?」といった疑問や不安の声が少なくありません。

工事の単価は、修繕計画全体の方向性を決定し、最終的な費用総額やそれに伴う修繕積立金の運用にも大きく影響を与えます。

そのため、大規模修繕の成否を左右する重要な要素と言っても過言ではないのです。

本記事では、このような疑問や不安を解消するために、マンション大規模修繕における各工事項目の一般的な単価相場を詳細に解説します。

さらに、単価がどのように決まるのか、そして適正な価格で高品質な修繕を実現するために管理組合がどのようなアプローチを取るべきかについても、具体的な方法を紹介します。

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大規模修繕とは?

大規模修繕とは、築10~15年を目安として計画的に実施される、マンションの共用部分を対象とした大規模な修繕工事を指します。

建物の経年劣化や摩耗は避けられない現象であり、時間の経過とともに進行します。

これらの劣化に適切に対応し、建物の健全性を保つことが大規模修繕の主な目的です。

具体的には、大規模修繕は以下のような重要な目的を果たすために実施されます。

  • 建物の耐久性確保と長寿命化…外壁や屋上・給排水管など建物の主要構造部分の劣化を修復・更新することで、マンション全体の寿命を延ばし安全な居住環境を維持する
  • 雨漏りや外壁の剥離などのリスクを未然に防ぐ…軽微なひび割れや塗装の劣化などを早期に発見・修繕することで、大規模な損傷や事故につながる可能性のある問題を未然に防ぐ
  • 資産価値の維持・向上につなげる…マンションの魅力を高め資産価値の維持や向上を目指す

このように、大規模修繕は単なる「壊れた箇所の修理」に留まるものではありません。

むしろ、人間でいうところの「建物全体の健康診断と予防処置」と例えることができ、計画的なメンテナンスを通じて、マンションという大切な資産を未来へと引き継ぐための不可欠な投資であると理解しておく必要があります。

主要な工事項目ごとの単価目安

大規模修繕は複数の工事項目から構成されており、それぞれの工事には異なる単価相場が存在します。

ここでは、主要な修繕工事項目ごとに一般的な単価目安とその内容、そしてポイントを紹介します。

これらの単価はあくまで一般的な目安であり、建物の規模・立地条件・既存の状態・採用する材料や工法などによって変動することに留意が必要です。

工事項目単価目安(m²単位)主な内容・ポイント
外壁塗装工事2,000~3,500円高圧洗浄・下地補修・下塗り~上塗り。
塗料選定が耐久性とコスパを左右。
屋上防水工事4,000~7,000円ウレタン・塩ビシート・アスファルト等。
形状・耐久性・コストで工法選定がカギ。
鉄部塗装工事2,500~4,000円手摺・非常階段・玄関扉など。
錆の程度でケレン処理や塗装工程に差がでる。
仮設足場工事800~1,200円作業全体の安全性と効率に不可欠。
足場の設置面積がコストに直結。
床シート工事3,000~5,000円共用廊下やバルコニーの防滑・防音・美観性向上。
生活快適度に直結。
給排水管更新工事10万~30万円/戸(専有)約30万円/系統(共用)老朽化した配管の更新。
漏水や衛生トラブルを防止するため築30年超で特に重要。

大規模修繕の単価に影響を与える主な要因

大規模修繕における工事単価は、一概に決まるものではなく、さまざまな要因によって変動します。

たとえ同じ工事内容であっても、マンションの具体的な条件や周辺環境によって提示される単価に差が生じることも多いです。

そのようなコストに影響を与える主要な要因を理解し、提示された見積もりの価格が適正かどうかを判断しましょう。

建物の形状と規模による影響

建物の形状や規模は、大規模修繕の単価に直接的な影響を与えます。

高層マンションや大規模な物件の場合、足場の設置範囲が広くなるだけでなく、高所作業に伴う安全対策や特殊な機材の使用が必要となるため、仮設費用や施工の手間が増大します。

結果として、全体的な単価が上がる傾向にあります。

一方で、中小規模の物件では、工事全体のボリュームが小さいため、施工会社が効率的な一括発注や資材調達を行いづらく、相対的に単価が割高になるケースも見られます。

また、建物の外壁が複雑な凹凸を持つ形状であったり、特殊な構造であったりする場合も、作業の難易度が上がり、単価が高騰する要因となります。

材料・仕様選定によるコスト変動

大規模修繕で使用する材料や工法の「仕様」の選定は、単価に非常に大きな影響を与えます。

外壁塗装であれば、安価なアクリル塗料から耐久性や防汚性に優れたシリコン塗料・さらに耐用年数が長いフッ素塗料など、さまざまなグレードの塗料が存在します。

初期コストだけを見れば、高耐久・高機能な材料ほど単価は高くなりますが、その分、次の大規模修繕までの期間を延ばすことができるため、長期的に見れば費用対効果が良い場合もあるのです。

屋上防水工事においても、ウレタン防水・シート防水・アスファルト防水など複数の工法があり、それぞれ単価と耐久性が異なります。

管理組合は短期的なコストだけでなく、長期的なメンテナンスコストや建物の維持管理計画全体を見据えて、最適な材料・仕様を選定する必要があります。

施工会社の方針・体制による人件費の違い

依頼する施工会社の方針や体制も、単価に大きな影響を与えます。

例えば、元請け企業が自社の職人を多く抱えている場合と、外注に大きく依存している場合とでは、人件費の構造が異なるため単価にも反映されます。

また自社職人を活用している会社は、品質管理がしやすく、中間マージンが発生しにくい傾向があります。

対照的に、下請け構造が複雑な場合は、元請けから複数の下請け会社へと工事が流れる過程で、それぞれの中間マージンが上乗せされ、結果として総コストが高くなりやすいです。

管理組合は、施工会社の体制や下請け構造についても確認し、透明性の高い見積もりを提示してくれる会社を選ぶことが重要です。

工事の難易度

傾斜地に建つマンションや、周囲に建物が密集していて作業スペースが極端に狭い場所にあるマンション、あるいは特殊な構造や設計を持つ建物では、通常の作業よりも施工の手間や危険性が増します。

このような条件下では、特殊な足場の組み方や通常よりも慎重な作業が必要となるため、それに伴い人件費や諸経費が上昇し、結果として単価が上昇する傾向にあります。

また、特殊な技術や専門的な機材を必要とする工事も、その分コストが高くなる要因となります。

地域差や人件費の違い

大都市圏や主要都市部では、一般的に人件費や資材の運搬費、および諸経費が高くなる傾向があります。

これには、地価や物価の高さ・作業員の確保の難易度などが背景にあります。

そのため同じ工事内容であっても、都市部での施工は相対的に高額になりがちです。

管理組合は、自らのマンションが所在する地域の市場価格を把握し、地域性も考慮に入れたうえで見積もりを比較検討することが求められます。

適正な大規模修繕単価を実現するためのアプローチ

大規模修繕を成功させるためには、単に提示された見積もりを鵜呑みにするのではなく、「適正な単価」で「高品質な修繕」を実現するための計画的なアプローチが不可欠です。

安さだけを追求すると、結果的に手抜き工事や早期の再修繕が必要となるリスクがあるため、品質とコストのバランスをいかに見極めるかが重要となります。

ここでは、管理組合が実践すべき具体的な方法を解説します。

複数社からの見積もり取得と比較

適正な単価を把握し、不当に高い見積もりを避けるための最も基本的な方法は、複数社から相見積もりを取得し、徹底的に比較することです。

具体的には、少なくとも3社以上から見積もりを取ることが推奨されます。

この際、各施工会社に提示する図面や工事の仕様書を統一することが極めて重要です。

これにより、各社の見積もり内容が同条件となり、純粋に価格や提案内容の妥当性を客観的に比較することが可能になります。

また見積もりを比較する際には、単に総額の大小だけでなく、各工事項目ごとの単価・使用材料のグレード・工法・諸経費の内訳・保証内容など、細部まで精査することが求められます。

不明な点があれば、納得がいくまで施工会社に質問し、明確な回答を得るようにしましょう。

専門コンサルタントの活用と設計監理方式の利点

管理組合だけで大規模修繕の専門的な内容を判断し、施工会社と交渉するのは非常に困難な場合があります。

そこで有効なのが、大規模修繕に特化した専門コンサルタントを活用することです。

専門コンサルタントは、設計段階から提示される単価の妥当性を専門的な知見から厳しくチェックしてくれます。

また、住民説明会の開催や施工会社との価格交渉・工事中の品質チェックなども行ってくれるため、管理組合の専門的負担を大幅に軽減し、より安心して大規模修繕を進められます。

第三者の視点が入ることで、透明性と公平性も高まるでしょう。

長期修繕計画との整合性の重要性

大規模修繕の単価を検討する際に、短期的な安さだけにとらわれるのは危険です。

最も重要なのは「長期修繕計画」との整合性を図ることです。

長期修繕計画は、マンションの将来にわたる修繕スケジュールとそれに必要な費用、そして修繕積立金の積立額を定めた羅針盤のようなものです。

今回の修繕工事の単価が、この長期計画で想定されていた費用と大きく乖離していないか、その単価で実施する工事が将来の修繕サイクルや修繕積立金の状況に無理なく適合しているかを、慎重に検討する必要があります。

単価が安すぎると、使用する材料のグレードが低かったり手抜き工事につながったりするリスクがあり、結果的に次の修繕までの期間が短縮され、かえって長期的な総コストが増大する可能性があります。

逆に高すぎる単価であれば、修繕積立金が不足し、将来的な積立金の値上げや一時金徴収といった問題に直面する可能性があります。

単価と品質・財政状況のバランスを見極め、計画的な視点を持つことが、マンションの持続可能性を確保するうえで不可欠です。

大規模修繕の単価交渉で気をつけるポイント

大規模修繕はマンションやビルの資産価値を守るために欠かせない工事ですが、その費用は決して安くありません。

だからこそ、単価交渉を通じて適正な費用に抑えることが重要です。

しかし、単に価格を下げればよいというわけではなく、工事の品質や将来的なメンテナンスも視野に入れる必要があります。

安易な値引き要求は避ける

単価をできるだけ下げたい気持ちは誰しも同じですが、過剰な値引き要求はトラブルの原因になることもあります。

施工会社がコスト削減のために、材料の質を落としたり工事工程を省いたりすると、修繕効果が短期間で薄れることがあります。

結果として、数年後に再度修繕が必要となり、トータルのコストが逆に高くなるリスクも考えられます。

また、安さを追求しすぎて技術力や施工管理が不十分な業者を選んでしまうと、施工ミスや工事の遅延といった問題も発生しやすくなります。

そのため、価格交渉はあくまで品質を維持できる範囲で行うことが大切です。

契約書の内容を十分にチェックする

単価交渉で合意した内容は、必ず契約書に反映させることが重要です。

口約束だけで終わらせると、後で認識のズレが生じてトラブルになる恐れがあります。

契約書には、工事の具体的な範囲・使用材料の詳細・工期・保証期間・アフターサービスの内容・支払い条件などが明記されているかを確認しましょう。

特に保証期間は、工事後に不具合があった場合の対応を左右するため、十分に確認したいポイントです。

また、契約書に不明点や不安な点があれば専門家に相談することもおすすめします。

管理組合としての責任を果たすためにも、契約内容をしっかり把握しておくことが大切です。

住民の理解と合意形成を円滑に進めるために

大規模修繕は、マンションの区分所有者全員が費用を負担する共同事業です。

そのため、工事の単価設定とその根拠について、住民全員の理解と納得を得ること、すなわち「合意形成」を円滑に進めることが、大規模修繕を成功させるうえで極めて重要となります。

透明性のある情報公開と丁寧で分かりやすい説明が、スムーズな進行の鍵と言えます。

以下のポイントを押さえることで、住民の協力を得やすくなるでしょう。

透明性のある単価設定とその根拠の説明

住民に対しては、工事の単価がどのように設定され、その根拠が何であるかを、極めて透明性の高い形で説明することが不可欠です。

また住民説明会では、単に総額だけを提示するのではなく、各工事項目ごとの単価・その内訳・使用する材料の種類・工法などを具体的に、そして専門用語を避けながら丁寧に説明するように心がけましょう。

例えば「外壁塗装は㎡あたりいくらで、この塗料は耐久性が何年で、なぜこの塗料を選んだのか」といった具体的な説明を加えることで、費用の使途が明確になるため、住民に納得してもらいやすくなります。

また、住民からの疑問や質問に対しては、真摯に耳を傾け得のいくまで分かりやすく回答する対話の場を設けることが重要です。

これにより、住民の不安を取り除き、費用負担に対する理解を深められるでしょう。

過去の修繕履歴や将来の修繕予測との関連性の提示

単価の妥当性を住民に示すためには、単に今回の工事の必要性だけでなくマンションの過去の修繕履歴や、将来の修繕予測と今回の工事がどのように関連しているかを示すことが非常に有効です。

例えば「〇年前に行った〇〇の修繕結果を踏まえ、今回はこの部分を強化する必要がある」「今回の工事は、長期修繕計画において〇年後に予定されていたものであり、現在の劣化状況から前倒しで実施することになった」といった説明を行うことで、住民は工事の背景にある計画的な意図を理解しやすくなります。

さらに提示された単価が、現在の修繕積立金の残高や、将来の修繕積立金の見込みとどのようにバランスが取れているかを具体的に提示することも重要です。

これにより「なぜこの単価が必要なのか」「この費用を支払うことで、将来の修繕積立金にどのような影響があるのか」といった、長期的な視点での必要性を住民に理解してもらい、合意形成を促進できます。

具体的な数字やグラフを用いて説明することで、より客観的に判断するための手助けとなるでしょう。

大規模修繕の単価に関するよくある質問(FAQ)

Q

単価の妥当性を判断する指標はある?

A

見積書の単価が妥当か判断するには「㎡あたり単価」や「共通仮設費の比率」などの比較指標が参考になります。

相場と大きく乖離していないか、建物規模とのバランスも合わせて確認しましょう。

Q

工事単価に影響する意外な要素は?

A

工事の時期や、資材の市況も単価に大きく影響します。

特に繁忙期(春〜秋)は単価が上がりやすく、逆に閑散期(冬場)を狙えば価格交渉の余地が広がることもあります。

そのため、タイミングを見極めるのも重要な戦略と言えるでしょう。

Q

高単価でもコストパフォーマンスが良いケースは?

A

単価が高くても耐用年数が長い材料を使えば、修繕周期が延び長期的には割安になることがあります。

短期的な金額にとらわれず、ライフサイクルコストで比較する視点が重要です。

Q

施工会社の見積もりに隠れたコストはある?

A

諸経費や共通仮設費に、実態より高めに設定された隠れマージンが含まれている場合があります。

費目の根拠を確認し、他社と比べて極端に高い項目がないか注視することが必要です。

Q

コンサルタントを入れると逆に高くなる?

A

一見コンサル費が追加でかかるように見えますが、不適正な高単価の見積もりを防ぎ、工事の透明性を確保できるため、結果として総工費を抑えられるケースが少なくありません。

まとめ

マンションの大規模修繕は、建物の寿命延長や安全性・美観・資産価値を維持したり向上したりするために欠かせない、重要な取り組みです。

修繕の成功には、工事単価の正しい理解が不可欠で、単価は工事項目の内容だけでなく建物の形状や規模・材料のグレード・施工会社の方針・工事の難易度・地域差など多様な要因で変動します。

そのため、提示された単価の数字だけにとらわれず、なぜその価格か品質や長期的なコストバランスを踏まえて総合的に判断することが重要です。

適正な単価で質の高い修繕を実現するため、管理組合は複数社からの見積もりを比較し、大規模修繕の専門コンサルタントを活用・長期修繕計画と整合させた計画を立てることが求められます。

また、住民には工事の必要性や単価の根拠を丁寧に説明し、合意形成を図ることが不可欠です。

これらの取り組みが、透明性の高い修繕を実現し、快適で資産価値の高い住環境を未来へつなぐ鍵となるでしょう。

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