あなたの家の外壁を新しくするためのDIY。準備から塗装、乾燥までの各ステップを詳しく解説します。DIYで経済的に、しかもプロのように外壁塗装を行いましょう。
目次
外壁塗装のDIYについて
近年流行っているDIY。
自分で小物や家具を作ってお家をリフォームする方法の一つです。
しかし皆さんの考えるDIYとは上で挙げたようにお家の中に関するリフォームではないでしょうか。
ここでは、お家の「外壁塗装」をDIYする理由とメリットデメリットについて解説します。
なぜDIYで外壁塗装をするのか
DIYで外壁塗装をする大きな理由には「費用の削減」が挙げられるでしょう。
外壁塗装は建物の状態や形状、その他にも使用する塗料など費用がかかります。
加えて業者へ依頼する費用など、自分でDIYをした方が安上がりになる可能性もあります。
また自分で外壁塗装をすることで、自分好みの仕上がりになれるという点も理由でしょう。
DIY外壁塗装のメリットとデメリット
DIY外壁塗装のメリットは次のとおりです。
- 費用削減
- 自己満足感を得られる
- 業者選びの手間が省ける
- 好きなタイミングでおこなえる
外壁塗装を業者に依頼すると上で解説した要素や人件費がかかります。
しかしDIYならば必要最低限の道具があれば自分一人でも工事できるので費用削減に繋がります。
また「自分でやり遂げた」という自己満足度も得られやすい点がメリットです。
その他にも、外壁塗装業者を選ぶために複数の業者から見積もりを取ったり、インターネットで業者の口コミ・評判を探したりする手間も省けます。
加えてDIYならば工期の制限もないので好きなタイミングで外壁塗装ができます。
たとえば急な休日やちょっとした空き時間にマイペースで進められるのはメリットでしょう。
一方DIYを外壁塗装でおこなう際のデメリットは次のとおりです。
- 専門知識の不足
- 安全性の問題
- 仕上がりが悪くなる可能性がある
- 近隣や家族からの苦情
- 時間がかかる
外壁塗装と聞くと「ただ塗料を塗るイメージ」をお持ちの方も多いかと思います。
しかし実際は、外壁塗装には「建物を外的要因から保護する」「美観の維持」など重要な役割を持っているので、専門的な知識を持った業者が担当しないと失敗するリスクも考えられるでしょう。
加えて、素人の方が高所作業や普段使用しない道具を使用しておこなうDIYは怪我のリスクも。
事前にDIYや外壁塗装について学び、適切な安全対策を講じなければいけません。
その他にも、外壁塗装のプロが担当するわけではないので仕上がりが悪くなる可能性や、近隣住民・家族から「うるさい」「塗料のニオイが気になる」など苦情が発生するケースもあります。
最後に、外壁塗装のDIYで最もデメリットとなるのは「時間がかかること」でしょう。
外壁塗装業者に依頼する場合、一定の工期内で完了する外壁塗装ですが「休日」や「ちょっとした空き時間」にコツコツ続けていくDIYは時間がとてもかかります。
もちろん外壁塗装の面積によっても異なりますが、一戸建てなどお家全体の外壁塗装をおこなう場合はとても時間がかかりやすくなるので、一人でのDIYは根気との戦いになるでしょう。
DIY外壁塗装の準備
次はDIYで外壁塗装をおこなう際の準備について解説します。
必要な道具と材料
DIYで外壁塗装をする際に必要なものはとても多いので、しっかりチェックしておきましょう。
- 塗料を塗るためのブラシやローラー
- 塗料
- 高圧洗浄機などの洗浄道具
- 塗装用に使用できるバケツ
- 安全メガネやマスク
- サビ取り用のステンレスブラシ・サンドペーパー
- 養生シート・養生テープ
- パテや補修材
- 大面積の場合はスプレーガンなど
- 高所での作業がある場合は、はしごや脚立
- 必要な場合は塗装ハンドブックや取扱説明書など
ここで紹介する外壁塗装のDIYに必要な道具と材料は11個です。
これらの道具や材料は、DIYで外壁塗装を行う際に一般的に必要とされるものですが、具体的な状況や作業の範囲によって異なる場合があります。
作業前にしっかりと計画を立て、必要な道具や材料を確認し、安全に作業を行うようにしましょう。また、専門業者に相談したり、専門知識を学んだりすることも大切です。
安全な作業環境の確保
必要な道具と材料が揃えられたら次は安全な作業環境の確保です。
まず、外壁塗装をおこなう本人に関して作業中は安全メガネやマスク、動きやすい服装(作業を前提としたもの)などご自身の安全を守る対策を講じます。
高所で作業する場合は脚立や足場などを設置して転落防止対策も必要です。
その後、外壁塗装をおこなう範囲以外には養生シートやテープを使用して周囲にある窓やドア、観葉植物などを保護します。
またこのとき、お家にペットや小さなお子さんがいる場合は、作業をおこなうエリアを封鎖して本人以外が立ち入れないようにすることも重要です。
これ以外にも、作業をおこなう際の天候や風向きなどを事前にチェックして安全に作業がおこなえる環境を整えておくことも必要です。
雨や少し風が強い日など、外壁塗装をおこなうにあたってリスクが生じる可能性のある環境の場合は日時を延期するなど、そのときの状態に適した対策を講じましょう。
適切な天候と塗装時期の選定
上で少し触れましたが、外壁塗装のDIYをおこなう際は適切な天候と時期を選ぶことが大切です。
DIYだけに限りませんが、外壁塗装が適している天候・時期の要素は次のとおりです。
- 天候が安定している時期
- 適温が続く時期
例を挙げると春と秋のように気温が温暖で湿度も低い時期は塗料の感想や硬化に適しています。
また天候も安定しているので、急な雨や強風、強い日差しなどの影響を受けにくいでしょう。
一方、雨が多い梅雨の時期や湿度が高い時期は、塗料の乾燥や硬化に時間がかかってしまうので塗膜の品質に悪影響を及ぼす可能性があります。
一般的に、外壁塗装を業者へ依頼する際は春と秋の需要が高い時期を避ける傾向にありますが、外壁塗装をDIYでおこなう場合はこの点を気にせず外壁塗装がおこなえる点もメリットです。
外壁塗装の流れ
次は実際にDIYで外壁塗装をおこなう際の流れを5つ紹介します。
- 外壁のクリーニング
- 補修作業
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
初めて外壁塗装をおこなう方は「一体どういうこと?」と思う方も多いでしょう。
ここで紹介する5つの流れをしっかり理解して満足の行く外壁塗装を仕上げてくださいね。
外壁のクリーニング
DIYで外壁塗装を始める前に、まずは外壁のクリーニングをおこないます。
外壁には、ほこりや汚れ、カビなど時間の経過や気候の影響でさまざまなものが付着しています。
そこで、外壁をクリーニングすることで、汚れや付着物を除去して清潔な状態にするのです。
セルフで外壁のクリーニングをする際の手順や方法は次のとおりです。
- 外壁全体に付着している汚れを確認する
- 市販の外壁用クリーナーや専用の洗剤を使用
- 高圧洗浄機の使用
- ブラシやスポンジを使用して手作業で汚れをこすり落とす
- 除去した汚れを綺麗に洗い流して完了
まずは外壁全体に付着している汚れの種類や程度をチェックします。
ほこりやカビ、苔、地域によっては藻など異なるタイプの汚れにはそれぞれ異なるアプローチ方法が必要です。
汚れをチェックした後は、外壁の材質や汚れの種類に適した清掃剤を使用して洗浄します。
洗剤は市販でも通販でも購入できますが、外壁に適したものを使用することが大切です。
そのため、外壁塗装をしようと考えたときには、作業へ取り掛かる前に汚れをチェックしておいて、事前に適したクリーナーや洗剤を選定しておくと良いでしょう。
次に高圧洗浄機を使用して外壁を綺麗にしていきます。
高圧洗浄機は水を高圧で噴射して汚れを除去するもので、外壁にこびりついた汚れも水の圧力でスッキリと落としてくれる効果が期待できます。
ただし、高圧洗浄機を使用する際は適切な距離と角度を保っておこなわないと外壁面にダメージを与えてしまう可能性があるので、取扱説明書を熟読してから使用してください。
高圧洗浄機の後は手作業での清掃です。
高圧洗浄機でもなかなか落ちなかった頑固な汚れや、水圧が届きにくい狭い箇所もあるので、ブラシやスポンジを使用して手作業で汚れをこすり落としていきます。
手作業で汚れを落とした後は、除去した汚れが含まれる水の処理です。
よくあるNG行為として、汚れた水をそのまま排水溝や雨水桝に流してしまうことです。
水の中には汚れや、今回使用した清掃剤が含まれているのでそのまま水を流してしまうと環境に悪影響を与えますので、廃棄物として扱い、地域にある廃棄物処理基準に従って処理しましょう。
ここまでで外壁のクリーニングは完了です。
補修作業
次のステップに移ります。
外壁舗装の補修は、外壁面の劣化や損傷が生じた外壁部分を修復し、建物の外観や機能を回復させる作業です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
- ひび割れの補修
- 外壁塗膜の剥がれや浮きの補修
- 穴の補修
- 外装材の補修
- 防水処理など
先ほどのクリーニングや、日常的な目視チェックで外壁面にひび割れが確認できた場合、このひび割れをこれ以上広げないために補修作業が必要です。
塗装用のシーリング剤と呼ばれる外壁面の目地や隙間に充填して防水性や気密性を保持させるために使用されるペースト状のシートやパテを使用してひび割れを埋めていきます。
次に、外壁面にある塗膜が剥がれていたり、浮いていたりする場合は塗膜を除去して新たな塗膜を塗布する必要があります.。このとき、剥がした後を平滑にする作業も必要となります。
塗膜には「アクリル」「シリコン」「フッ素」など種類があり、種類によって耐久性や耐候性、料金にも差があるので外壁の状態に合わせた塗膜選びも重要です。
次は外壁に穴が開いているケースもあるので、ここで穴を埋めるために必要な修復剤や補修パテを使用する作業も含まれる場合があります。
また、外壁面にサイディングと呼ばれる外装材が使用されている場合、このサイディングで劣化や損傷が進んでいる箇所を交換する場合もあるでしょう。
一般的にサイディングはセメント製や金属製のものであることが多く、ホームセンターや通販サイトでも購入できます。料金はまちまちなので一度サイディングについて調べてみてください。
そして最後は防水処理です。防水処理とは外壁面にある隙間や接合部分にシーリング材を利用して水の侵入を防ぎます。
防水処理を適切におこなわないと外部からお家の中へ水が侵入して湿気の原因になります。
湿気は、お家の劣化に繋がるので、シーリング材の適切な使用方法をチェックしてください。
ここまでのまとめとして、外壁塗装に関する知識がない方の場合、適切に補修作業をおこなえない場合もあります。この場合、後々業者に依頼するなど追加費用がかかる場合もありますので、事前に外壁塗装の専門家によるコラムや情報をチェックしたり、直接相談したりしておくと良いでしょう。
下塗り
補修作業の次は下塗りです。
下塗りとは塗料を塗り始める前におこなう工程のことで、外壁の表面を下地処理して塗料の耐久性や密着性を向上させる効果が期待できます。
実際に下塗りをおこなう際の作業は次のとおりです。
- 錆落とし
- 洗浄
- ひび割れ
- 下地処理
- 下塗り塗料の塗布
下塗りをおこなう際はまず、外壁面に付着している錆の洗浄や、金属部分の洗浄をおこなった後、錆防止処理を施して清潔にします。
次に補修でも解説したひび割れた部分の補修をおこない、下地の凹凸や粗さを均一化させるためにサンディングと呼ばれるやすりをかけたり、パテで表面を平滑化させます。
その後、ローラーやブラシで均等に下塗り塗料を塗布して下塗りは完了です。
基本的に下塗り塗料には密着性や防腐、防カビ効果が期待できる塗料が使用されます。
下塗りをしっかりおこなうことは、中塗り、上塗りで期待できる効果を向上させ、外壁の耐久性や美観の向上にも繋がります。ぜひしっかりと手間をかけてあげてください。
中塗り
次は中塗りへ移ります。
中塗りは下塗りによって整えられた外壁面に中間となる塗膜を形成させることで、耐久性や美観をさらに向上させる役割を持っています。
下塗り・中塗り・上塗りの中で最も重要な工程である中塗りには仕上げ塗装に厚みを持たせ、塗布した塗料の機能を長持ちさせる効果が期待できます。
実際に中塗りをおこなう際の作業は次のとおりです。
- 下塗り後の塗膜状態をチェック
- 下塗りで不具合があれば修正や追加をおこなう
- 中塗り塗料の塗布
中塗りをおこなう前は必ず下塗り後の塗膜状態をチェックします。
このとき必要に応じて修正や追加の下塗りをおこなう場合もあるでしょう。
その後、中塗りの塗料をローラーやブラシで塗布します。
また近年、中塗りを必要としない塗料も登場しています。その場合は中塗りの作業をおこなわなくとも良いので「手間がかかる」と感じる方は、中塗りが必要ない塗料を選ぶと良いでしょう。
上塗り
次は最後の工程「上塗り」です。
上塗りは、下塗り・中塗りの最終工程としておこなわれるもので、外壁に対して耐候性を与えたり、さらに美観を向上させたりする効果が期待できます。
外壁は雨や紫外線など天候による影響を受けやすいので建物の劣化や腐食を防ぐためにも大切な工程となっています。
実際に上塗りをおこなう際の作業は次のとおりです。
- 塗料の塗布
- 塗料の乾燥と仕上げ
上塗りは、いままでの最終工程なのでそこまで手間はかかりません。
上塗り塗料をローラーやブラシで塗布した後、十分な乾燥時間を確保して塗膜がしっかりと硬化するまで乾燥させたら仕上げ作業をおこなって完了です。
仕上げ作業には次のものが含まれます。
- 塗装面の確認と修正
- 塗装面のクリーニング
- 仕上げ塗料の塗布
- フィニッシュコートの塗布
- シーラーの塗布など
仕上げ作業をおこなう前に、まずは上塗り塗料がしっかり乾燥したかを確認し、もし色ムラや傷などがあればここで修正をおこないます。
確認が終了したら作業中に付着したほこりや汚れをブラシやスポンジを使用して綺麗に取り除いて塗装面を綺麗に保つ作業も重要です。
仕上げ塗料を塗布した後は、フィニッシュコートと呼ばれる耐汚染性や撥水性、紫外線九州などの効果が期待できる特殊な塗料を塗布したり、シーラーと呼ばれる塗膜の密着性や耐久性を高めて汚れや劣化の影響を軽減させる塗料を塗布したりする場合もあります。
ここまでで下塗り・中塗り・上塗りは完了です。
外壁塗装の工程は時間や手間がかかるのでどうしても時間がかかりやすくなりますので、なかなかしっかりと作業に時間を割けない方は、人員の確保も必要でしょう。
塗装作業のポイント
次は塗装作業のポイントについて紹介します。
塗料の種類と選び方
外壁塗装で使用される塗料にはさまざまな種類があるのでどれを選べば良いかわからない方もいるでしょう。一般的に外壁塗装で使用される塗料は次の5つです。
アクリル | ウレタン | シリコン | フッ素 | エポキシ樹脂 | |
料金相場 | 1,000円〜18,00円前後 | 1,000円〜2,000円前後 | 1,600円〜3,000円 | 3,000円〜5,000円 | 4,000円〜10,000円前後 |
耐用年数 | 約3年〜5年 | 約5年〜7年 | 約7年〜10年 | 約15年〜 | 約30年〜 |
メリット | ・安い ・発色が良い ・塗りやすい | ・安い ・一定の耐久性 ・種類が豊富 | ・汚れに強い ・耐久性が高い ・紫外線に強い | ・非粘着性 ・耐薬品性 ・耐摩擦性 | ・耐水性 ・防錆性 ・耐薬品性 ・絶縁性 ・耐熱性など |
デメリット | ・耐用年数が短い ・紫外線に対する耐久性が低い | ・長期的なスパンで見ると料金が高額になる場合も ・油性はニオイが強い | ・料金が高め・弾力性が低いのでひび割れしやすい | ・料金が高め ・職人の技術力で仕上がりに差が出る | ・料金が高い ・紫外線に弱い |
アクリル塗料は、現在の外壁塗装で使用される塗料の中では最もグレードが低く、料金も安いですが他の塗料と比べると耐久性が低めなので、業者によっては使用していない場合もあります。
しかし、アクリル塗料は料金の安さや塗りやすさ、発色の良さが魅力で、外壁のちょっとした付帯部分へ塗布する位ならば耐久性の短さもそこまで気にならないでしょう。
ウレタン塗料はアクリル塗料と比べると料金は若干高めな傾向にあるものの、アクリル塗料よりも数年耐用年数も増えたことで「なるべく安く、なるべく耐用年数は長めが良い」などの希望を持つ方にはピッタリの塗料となっています。
シリコンは耐用年数も増え、汚れや紫外線に強いという特徴があります。
しかし、定期的メンテナンスなど長期的なスパンで見ると高額になるケースも考えられるでしょう。
そしてフッ素は耐用年数の長さや紫外線への強さは魅力ですが、料金が高く仕上がりは職人の技術力によって差が出る場合もあります。
最後にエポキシ樹脂は耐用年数30年〜50年以上で「耐水性」「防錆性」など今回紹介している塗料の種類では最もグレードが高いです。
しかし紫外線に弱いことや、なにより料金が高いので大規模な外壁塗装には向いていません。
実際にどの塗料を選べば良いかについては、表でそれぞれのメリットデメリットをチェックしながら建物の状態や形状、外壁塗装の範囲、そして予算を踏まえて考えてみると良いでしょう。
また選び方については、外壁塗装の専門家や工事を依頼したい業者に相談してみる方法もあります。
たとえば、一括見積もりを取った業者それぞれに「塗料について」相談してしっかりと説明してくれる業者は信頼できます。このように業者選びのチェック項目としても利用できるでしょう。
正しい塗装方法
正しい塗装方法は、これまで紹介した内容をまとめてみるとよくわかります。
- 塗装前の準備作業
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
- 仕上げ
塗装前には余分な汚れや付着物を綺麗にして清潔を保ち、しっかりと準備作業をおこないます。
その後、下塗り・中塗り・上塗りをおこない、仕上げ塗りで完了です。
塗装で特に注意したいポイントは「均一に塗布すること」です。
外壁面に対して凸凹があったり、塗りムラがあったりすると塗料の効果が発揮できません。
また塗装方法には「ローラー」と「吹き付け」の2種類があります。
ローラーは原液を手塗りで塗布する方法で周囲への飛び散りや騒音トラブルを防げる点がメリットで、吹き付けはその名のとおり、塗料を吹き付けるだけなのでとても楽な点がメリットです。
しかし、ローラーの場合は吹き付けとは異なり、膜が厚くなりやすいので乾く時間が長くなったり、吹き付けの場合は塗料が飛び散ったり、ローラーと比べて耐久性が劣る点がデメリットです。
しっかりと外壁の耐久性を上げたい場合は手間はかかるけれどローラーを、とにかくスピーディーかつ綺麗に外壁塗装を仕上げたい場合は吹き付けなど外壁塗装の部位や状況、ご自身が求めるスタイルによって選んでみましょう。
塗装の均一化のコツ
「初めての外壁塗装で綺麗に塗れるだろうか」と心配な方へ。
ここでは塗装を均一に塗るためのコツを紹介します。
- 圧力と速度は均等に
- ローラーやブラシは塗料をしっかり含ませる
- 塗料がしっかり確認したかをチェック
- 塗料はしっかりかき混ぜる
塗装を均一化させるためには、一定の圧力と速度を意識することが大切です。
焦らずゆっくりと丁寧に塗布することで、塗りムラを防ぎます。
また、ローラーやブラシを使用して塗料を塗布する際は、しっかりと塗料を含ませてから塗布しましょう。ただし、あまりにも含ませすぎると滴りや垂れが生じる可能性もあるので注意が必要です。
その他にも下塗り・中塗り・上塗りのように段階を経て重ね塗りする場合はそれぞれの工程がしっかり乾燥しているかを確認してから塗布するように心がけましょう。
次の塗料を塗布する際に、前の層が乾いていないと塗りムラや剥がれに繋がります。
最後に、塗料の密度や粘度を均一にさせるために、塗布前はしっかりとかき混ぜたり、粘度を調整するために薄める液を使用するなどの工夫も大切です。
乾燥時間とその重要性
外壁塗装に使用する塗料の乾燥時間は一般的に3〜4時間と言われています。
また乾燥させる間の温度によっても異なり、5度〜10度の場合は8時間、23度以上は3時間〜、30度以上の場合は2時間程度の時間で乾燥すると考えられるでしょう。
ここで注意したいポイントが「乾燥は適切な時間でおこなわれることが大切」という点です。
たとえば夏のように暑い時期は通常よりも乾燥時間が早くなりますし、冬は気温が低いので乾燥へ時間がかかりやすくなります。
しかし、塗料には乾燥までに適切な時間が設けられており、早すぎても遅すぎても品質に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、適切な温度と適切な乾燥時間が仕上がりに大きく繋がるのです。
実際に必要とされる乾燥時間は「塗料を販売しているメーカーが推奨する時間」を商品に記載しているので、そちらを参考にして選ぶことをおすすめします。
塗装後のケアとメンテナンス
次は、外壁塗装後のケアとメンテナンスについて紹介します。
塗装後の清掃
外壁塗装後の清掃は、外壁面の美観を保つだけでなく清潔な状態に保つためにも重要です。
水洗いなどでしっかりと外壁面に付着した汚れやほこりを落としてあげましょう。
また外壁だけでなく、周囲に飛び散った塗料や汚れも忘れずに。
長持ちさせるためのメンテナンス
外壁塗装で綺麗になった後は、その状態を長持ちさせるためのメンテナンスが必要です。
定期的な清掃やサビ・劣化の補修や再塗装も建物の健康や美観を保つために大切となります。
またなるべく早く建物の劣化に気づけるよう、日常的な視察を欠かさずにおこなうと良いでしょう。
次回の塗装時期の判断
次回の塗装時期を判断するためには、使用した塗料や建物の状態を参考にしてください。
たとえば、アクリル塗料を使用した場合の耐用年数は3年〜5年となっており、この時期を過ぎると耐久性などに影響が出てくる場合があります。
また、耐用年数を過ぎていなくても外壁面にひび割れや剥がれが確認できた場合はなるべく早い時点で再塗装が必要です。
適切な再塗装の時期がわからないという方は一度専門家に相談して実際に外壁の状態をチェックしてもらって時期を提案してもらう方法もおすすめです。
よくある質問と解答
次は外壁塗装に関するよくある質問へ回答していきます。
塗装の失敗例と対処法
外壁塗装の失敗例と対象は次のとおりです。
- 塗膜の剥がれや割れ……適切な下地処理をおこなう
- 塗りムラや色ムラ……再度均一な圧力と速度を心がけながら塗布しなおす
- サビの発生……再度適切な防錆性処理をおこない、定期的な清掃とメンテナンスをおこなう
塗膜の剥がれや割れは、下地処理がしっかりできていなかったり、適切な塗料の選択ができていなかったりすると起こりやすい失敗例です。また塗布不足も挙げられます。
このようなときは再度適切な下地処理をおこなうことが大切です。
また塗りムラや色ムラは、塗布方法や塗料の混合不足、乾燥時間が早いor遅いなどの原因が考えられますので、再度本記事で紹介した方法を参考に塗布をおこないましょう。
サビの発生に関しては、しっかりと防錆処理ができていなかった場合や、湿度や環境条件によって発生しやすくなります。再度防錆処理をおこなった後は定期的な清掃とメンテナンスを欠かさずに。
この他にも、塗料の品質が低い場合や、日光などの影響によって塗料が劣化したり色あせしたりする失敗例や、乾燥時間が適切ではなかったことで仕上がりが悪いなどの失敗例もあります。
どの失敗例に関しても、改めて外壁塗装の方法や使用する塗料、環境を見直して再度外壁塗装をおこなうか、外壁塗装を業者に任せることを検討してみましょう。
塗料選びで失敗しないためのヒント
塗料選びで失敗しないためのヒントは次のとおりです。
- 塗料の種類ごとにある特徴やメリットデメリットを理解する
- 塗料の耐久性や耐候性などをしっかりとチェックする
- 塗料の品質をチェックする
- 専門家に相談する
本記事で紹介したとおり、塗料には複数の種類があり、それぞれに特徴やメリットデメリットがあります。そのため、それぞれの特性を理解し適切な塗料を選ぶことが大切です。
また、塗料によって耐久性や耐候性、品質は異なりますので「自分では判断がつかない」という場合は外壁塗装の専門家に相談してみると良いでしょう。
安全に作業するためのアドバイス
外壁塗装で安全に作業するためのアドバイスは以下のとおりです。
- 安全メガネ・帽子の着用を忘れずに
- 服装は動きやすく作業をする前提のものを選ぶ
- 足場や脚立を使用する場合はしっかりと設置できているか確認する
- 周囲の環境を整える
- 作業をする本人以外は立ち入れないように工夫する
外壁塗装では塗料や道具など日常的には使用しないものを使用します。
塗料の中には特殊なものやニオイが強いものも含まれていますので安全メガネや帽子の着用、そして換気をおこなって安全に作業できるよう意識しましょう。
また服装に指定はないものの、塗料が付着したり何らかの道具を使用したりするので半袖半ズボンのような服装は選ばず、動きやすく体の皮膚をなるべくカバーできる作業着などを着用してください。
その他にも、足場や脚立を使用して高所の作業をおこなう場合は、しっかりと設置・固定できているかをチェックしたり、周囲に養生シートやテープを貼って作業環境を整えることも大切です。
最後に、作業をおこなう際は本人以外が立ち入れないよう工夫することも忘れずに。
まとめ
本記事では、外壁塗装をDIYでおこなう際の準備方法や作業の流れ、作業中のポイントやよくある質問に対して紹介・回答しました。
外壁塗装は簡単な家具を作成する作業よりも時間や手間がかかります。
また、特殊な塗料や高圧洗浄機などあまり使用しない方も多いものを使用しますので、安全性には十分気を配っておこなってください。
これから外壁塗装をDIYでおこなおうと考えている方は本記事を参考にしたり、外壁塗装の専門家に相談したりして事前準備と知識をつけてからおこないましょう。