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屋根の大規模修繕に確認申請は必要?工事内容や補助金・助成金について解説

  • 中規模・大規模修繕の屋根工事について知りたい!
  • 屋根の葺き替え工事は確認申請は必要?
  • 大規模修繕工事に利用できる補助金や助成金について知りたい!

建物の劣化した箇所を補修したり、耐久性を高めたりするために行われるのが大規模修繕工事です。

この大規模修繕で屋根工事を行う場合、工事条件によって建築確認申請が必要となるケースがあります。

建築基準法では、屋根が建物の主要構造部の1つに該当するからです。

建築確認申請は、一定以上の大きさの建物を建設・改修する際に必要で、申請が通らなければ工事をスタートできません。

もし申請を行わずに工事をすると罰則の対象となったり、工事の中断・中止に追い込まれたりする場合があるため注意が必要です。

そこでこの記事では、大規模修繕の屋根工事に確認申請は必要なのかについてご紹介します。

大規模修繕を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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屋根工事の建築確認申請が必要?

屋根工事における建築確認申請は、必要な場合と不必要な場合があります。

屋根の修繕が下地まで葺き替える場合は確認申請が必要

屋根の修繕が下地まで達する場合は、建築確認申請が必要です。

建築基準法では、以下の第1号~第3号までに該当する場合は、建築確認申請が必要としています。

建築基準法
  • 第1号…特殊建築物で、その用途に用いる部分の床面積の合計が200平方メートルを超える
  • 第2号…木造の建築物で3階以上である、もしくは延べ面積が500平方メートル、高さが13メートル、または軒の高さが9メートルを超える
  • 第3号…木造以外の建築物で、2階以上である、または延べ面積が200平方メートルを超える

上記に該当する建物を建築する場合や、修繕・増改築などを行う場合は、建築確認申請が必要です。

屋根の形状を変える工事や、下地まで変えるなど、屋根を半分以上修繕する場合は

建築確認申請を受けずに工事を行うと、罰則の対象となる恐れがあるので注意しましょう。

「建築確認申請が必要かどうか判断できない」という場合は、施工業者やコンサルタント会社に相談すると安心です。

建築確認申請が不必要な場合

国土交通省の「屋根及び芸壁の改修に関する建築基準法の取扱いについて」では次のようなケースでは、建築確認申請が不要となるでしょう。

  • 屋根葺き材のみの改修
  • カバー工法による改修

屋根はもちろん、外壁なども含めた主要構造部の修繕は、面積の半分以上の工事でなければ建築確認申請は発生しません。

屋根材の葺き替え・塗装など下地材まで達しない工事は、屋根の面積の半分以上の工事に該当しないケースが多いでしょう。

具体的な例としては、防水シートの張り替えや、屋根塗装が挙げられます。

防水シートは屋根の部分ではなく、防水のための材料です。

塗装も壁の部分ではなく劣化防止のための材料なので主要構造部に該当せず、建築確認申請が不要となるでしょう。

ただし防火性能を持つ建築材料を使って外壁材・内装材を交換した場合は、建築確認申請が必要になる場合もあります。

建築確認申請が必要なケース・不要なケースはさまざまなため、専門家へ事前に相談しておくと良いでしょう。

建築確認申請のルールは自治体によって異なる

自治体によっても、建築確認申請のルールが異なります。

これは建築基準法に詳しく記載されていない箇所もあるため、各自治体によって判断が変わるからです。

建築確認申請が必要かどうかということだけでなく、費用や申請の期間も異なるでしょう。

事前に、自治体または民間の確認検査機関などに確認しておくのがおすすめです。

自治体による書類審査で問題がなければ「建築確認済証」が発行されるでしょう。

建築確認申請には、通常7日程度の期間がかかります。

4号建物の修繕工事では確認申請は不要

建築基準法で次の第4号に該当する場合は、建築確認申請を行う必要はありません。

建築基準法

第4号…第3号の建築物を除く建物で、都市計画区域もしくは準都市計画区域であるなど、景観法等に指定された区域内の建築物である

また「4号特例」に該当する場合、建築確認申請の際には構造計算書の添付が必要ないため、手続きを簡略化できます。

特例に当てはまるのは、建築士が設計を行った2階建て以下の木造住宅等の小規模建築物です。

ただし、大規模修繕以外の法令に関わる工事では、建築確認申請が必要となるケースがあるので注意しましょう。

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屋根の修繕で確認申請が必要になる工事内容とは?

確認申請が必要になる工事と、そうはならない工事を具体例を挙げて解説していきます。

屋根の葺き替え

屋根の葺き替えでは、建築確認申請が不要となるケースが多いでしょう。

例えば瓦またはスレートの屋根材と、その下にある防水用のルーフィングを変更する工事を行う場合です。

また古い屋根材の上に新しい屋根材を重ねる「カバー工法」の場合は、新たに構造部を作らないのであれば大

模修繕に該当しないので、建築確認申請が不要です。

ただしカバー工法では屋根の荷重が増えるため、構造計算による安全性の確認が必要な場合もあります。

この場合は、大規模修繕とは別の確認申請を求められるでしょう。

垂木や野地板の入れ替え

屋根材やルーフィングの下の部分にあたる垂木や野地板の入れ替えがある大規模修繕では、建築確認申請が必要な場合があります。

野地板から下の部分は構造部とされるので、面積の半分を超える工事が発生する場合は建築確認申請を行いましょう。

また、屋根の形状を変える場合も同様の建築確認申請が必要です。

屋上防水塗装の塗り替え

屋上防水塗装の塗り替えには、建築確認申請は不要です。

ただし下地を入れ替える場合、面積の半分を超えた工事になるケースでは建築確認申請が必要です。

ちなみに古い屋上防水塗装を剥がしてから、下地の補修が必要ということが判明するケースが多いでしょう。

よって、どのような工事が発生するかをしっかりと判断してくれる専門業者を探すことが大切です。

またバルコニー・ベランダの防水工事を行う際は、居住者へ荷物の片付けに協力してもらう必要もあるでしょう。

一定期間、洗濯物が外に干せなくなることも、告知する必要があります。

増築

屋根と天井の間の小屋裏(屋根裏)に物置を作ったり、バルコニーを屋内化したりする工事は、増築に該当することがあります。

建物の床面積が増築によって一定以上増えると、建築確認申請が必要です。

増築によって申請する項目が増える場合もあるため、注意しましょう。

外壁の修繕工事

外壁の修繕工事は、屋根工事と一緒に行われるケースが多いです。

外壁の大規模修繕でも、屋根工事と同じように外壁の半分以上を修繕するのであれば、建築確認申請が必要です。

外壁の修繕工事と屋根工事を一緒に行うと、足場の設置が一度で済むので費用の節約になるでしょう。

また外壁塗装は屋根の塗り替えや屋上防水塗装と同じ業者が行う場合が多いため、打ち合わせの手間や近隣住民への挨拶の手間も削減できます。

大規模修繕で使える補助金・助成金

大規模修繕では、自治体の補助金や助成金が利用できる場合があります。

マンション一戸あたり75~100万円ほどの工事費用が発生するので、戸数が増えればそのぶん総額は膨大となるでしょう。

費用が増えると修繕積立金が不足したり、一時金の徴収が行われることも考えられます。

このような場合に役立つのが、補助金・助成金制度です。

具体的には、以下のような補助金・助成金があります。

補助金の種類概要
マンション建替え等支援事業費補助大規模修繕や建替えに対する補助金制度
マンション耐震化促進事業費補助耐震化工事に対する補助金制度
マンション共用部分リフォーム事業費補助大規模修繕やバリアフリー化等に対する補助金
住宅セーフティーネット改修事業費補助高齢者や障害者向けのバリアフリー化工事への補助
マンション劣化診断調査費助成劣化診断調査費を補助する
アスベスト除去等事業補助金アスベストの除去を行う場合の補助や融資が受けられる

ちなみに補助金・助成金の交付を受けるために、建築確認申請は基本的に不要です。

ただし補助金・助成金を利用するには、特定の条件を満たす必要があるので注意しましょう。

まずは、自治体の補助金担当窓口に相談することをおすすめします。

補助金と助成金の違い

補助金と助成金は似ていますが、次のような違いがあります。

  • 助成金…条件を満たすと基本的に給付される
  • 補助金…条件を満たした応募のうち一部のみに支給される

補助金は、条件を満たしていても支給されないケースがあるので注意しましょう。

コンサルティング会社や施工会社に相談することで、適切な手続きが行われ審査に通りやすくなるでしょう。

また自治体ごとに補助金・助成金の内容が異なるので、あらかじめ確認が必要です。

補助金・助成金の活用方法

管理組合は、大規模修繕の計画を立案する際に、まず該当する支援制度を確認します。

工事の内容や建物状況によって、利用できる制度が異なるため、十分な調査が必要です。

  1. STEP

    支援制度の詳細を把握

    確認した支援制度について、以下の点を確認します。

    • 補助対象となる工事内容
    • 補助率や補助上限額
    • 申請要件(建築年数、耐震性能など)
    • 申請期限や必要書類

    この情報を踏まえて、自マンションに最適な支援制度を選定します。

  2. STEP

    申請に必要な書類を準備する

    支援制度の申請には、工事計画書や見積書、耐震診断報告書など、さまざまな書類の提出が求められます。

    管理組合は、これらの書類を事前に準備しておく必要があります。

  3. STEP

    期限内に申請を行う

    支援制度の申請期限は一般的に年度末付近に設定されています。

    管理組合は、確実に期限内に手続きを完了させる必要があります。

  4. STEP

    助成金の交付を受ける

    申請が承認されると、管理組合は補助金の交付を受けることができます。

    補助金は工事費用の一部として活用できるため、管理組合の負担を軽減できます。

このように、支援制度の把握から申請手続き、補助金の受領まで、管理組合が計画的に取り組むことが重要です。適切に活用すれば、大規模修繕工事の費用負担を大幅に軽減できるでしょう。

まとめ

大規模修繕における屋根工事では、工事内容によって建築確認申請が必要なケースがあります。

特に以下のことは、あらかじめ確認が必要です。

  • 第1号~3号に該当する工事では建築確認申請が必要
  • 第4号では確認申請は不要
  • 自治体によってルールが異なる
  • 屋根の葺き替えや屋上防水の塗り替えなどでは、建築確認申請が必要な場合がある
  • 大規模修繕では補助金や助成金を利用できるケースがある
  • 助成金は支給されやすいが、補助金は一部のみに支給される

大規模修繕を行う前には、必ず自治体や施工業者に建築確認申請が必要かどうか確認しておくことが大切です。

トラブルを回避するためにも、今回の記事内容を参考に修繕計画を立ててみてくださいね。

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